機械工作実習

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械工作実習
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書: 「新機械工作」 戸倉 和 著(実教出版)参考書: 必要に応じて授業時に参考プリント配布することがある.また,機械加工に関する参考書は多数図書館に所蔵されている.
担当教員 白木原 香織

到達目標

機械工学に関する専門用語および基本的な工作機械の使用方法を理解し,実際の操作ができる.また,得られた知見を論理的にまとめ・報告することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1加工作業における安全確保について十分理解できる.加工作業における安全確保について理解できる.加工作業における安全確保について理解できていない.
評価項目2レポートの制作方法を十分理解し,レポートを制作することができる.レポートの制作方法を理解し,レポートを制作することができる.レポートの制作方法を理解できず,レポートを制作することができない.
評価項目3旋盤の構造を操作を十分理解し,外丸削り等ができる.旋盤の構造を操作を理解し,外丸削り等ができる.旋盤の構造を操作を理解できず,外丸削り等ができない.
評価項目4シェーパやフライス盤の構造や操作を十分理解でき,アルミ材サイコロの製作することができる.シェーパやフライス盤の構造や操作を理解でき,アルミ材サイコロの製作することができる.シェーパやフライス盤の構造や操作を理解できず,アルミ材サイコロの製作することができない.
評価項目5ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業を十分理解し,アルミ材を用いた容器を製作することができる.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても十分理解できる.ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業を理解し,アルミ材を用いた容器を製作することができる.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても理解できる.ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業を理解できず,アルミ材を用いた容器を製作することができない.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても理解できない.
評価項目6溶接の種類や特徴,溶接棒等について十分理解でき,簡単なガス,あるいはアーク溶接ができる.溶接の種類や特徴,溶接棒等について理解でき,簡単なガス,あるいはアーク溶接ができる.溶接の種類や特徴,溶接棒等について理解できず,簡単なガス,あるいはアーク溶接ができない.
評価項目7鋳物の製作方法等を十分理解しており,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業ができる.鋳物の製作方法等を理解しており,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業ができる.鋳物の製作方法等を理解できず,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業ができない.
評価項目8NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理、プログラミングの流れを十分理解することができ,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理、プログラミングの流れを理解することができ,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理、プログラミングの流れを理解することができず,加工作業ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工作実習は,機械技術者にとって重要なものづくりを実際に体験し,その経験をもとに機械工学での授業とともに実社会での生産技術および研究・開発の各分野において活用することを目的とする.
授業の進め方・方法:
・本科目の内容は,すべて学習・教育到達目標(B)<専門>に相当する.
・「授業計画」における「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
・クラスを6班に分け,それぞれの班が以下の1~6のテーマについて,機械加工等の基礎的な知識とそれらの作業方法を習得する.ただし,1テーマあたりの授業期間は5週とする.また,第1週目は,クラス全体での機械工作実習における目標と心構え,災害防止と安全確保のためにすべきこと,レポートの作成方法等の学習を行った後,各テーマの授業を行う.
1. 旋盤:旋盤の構造と基本操作を学習する.さらに,技能検定3級課題の加工を行う.特に,外丸削り作業を行う.
2. 機械仕上げ:シェーパとフライス盤等の構造を学習する.またそれらを用いた加工(平面削り、側面削り等)を行いアルミ製のサイコロの製作を行う.
3. 手仕上げ:アルミ材を用いた容器を製作することにより,ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業を学習する.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても学習する.
4. 溶接:溶接の種類や特徴,溶接棒等について学習する.さらに,ガス,アークおよびTIG溶接の基本操作を学習し,溶接部材の強度について理解を深める.
5. 鋳造:鋳物の鍋敷きを製作することにより,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業を行う.
6. NC加工:NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理、プログラミングの流れを学習する.また,NC加工を行うことにより,NC加工機においてプログラミングと基本作業を学習する.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
授業計画における「到達目標」1~6についての実習報告書の内容により評価する.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>
実習報告書の内容を100%(100点)として評価する. 実習報告書の未提出分がある場合には,学年末評価を59点以下とする.
<単位修得要件>
与えられた実習テーマの報告書を全て提出し,学業成績で60点以上を取得すること. 
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
テキストおよび機械工作の教科書で勉強しておくこと.
<レポート等> 
毎週の実習内容を報告書にまとめ提出する.疑問点,参考書で調べた内容を記述する.
<備考>
最初の時間に行う実習に対する安全教育の講義を理解しておくこと.対象が工学全分野にわたるため,積極的な取り組みを期待する.疑問が生じたら直ちに質問すること.本教科は後に学ぶ各種の実習科目の基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 クラスを6班に分け,それぞれの班が以下の1~6のテーマを実施する. 1.旋盤:旋盤の構造を操作を理解し,技能検定3級レベルの課題の加工ができる.特に,外丸削り等ができる.
2週 1テーマあたりの授業期間は5週とする. 2.機械仕上げ:シェーパやフライス盤を理解できる.また,それらを用いて平面削りや側面削りができ,さらに,アルミ材サイコロの製作ができる.
3週 1.旋盤:旋盤の構造と基本操作を学習する.さらに,技能検定3級課題の加工を行う.特に,外丸削り作業を行う. 3.手仕上げ:ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業ができ,アルミ材を用いた容器を製作することができる.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても理解できる.
4週 2.機械仕上げ:シェーパとフライス盤等の構造を学習する.それらを用いた加工(平面削り,側面削り等)を行う.アルミ材サイコロの製作を行う. 4.溶接:溶接の種類や特徴,溶接棒等について理解できる.簡単なガス,あるいはアーク溶接ができる.
5週 3.手仕上げ:アルミ材を用いた容器を製作することにより,ヤスリがけ,ボール盤,ねじ切り,けがき等の基本的な作業を行う.また,ドリルの種類やボール盤の種類についても学習する. 5.鋳造:鋳物の鍋敷きを製作することにより,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業ができる.
6週 4.溶接:溶接の種類や特徴,溶接棒等について学習する.さらに,ガス,アークおよびTIG溶接の基本操作を学習し,溶接部材の強度について理解を深める. 6.NC加工:NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理,プログラミングの流れを理解することができる.また,与えられた課題に対するNCプログラムを完成させ,そのプログラムを加工機に読み込ませ,実際に加工作業ができる.
7週 5.鋳造:鋳物の鍋敷きを製作することにより,鋳型の作製と鋳込みの基本的な作業を行う.
8週 6.NC加工:NC旋盤やワイヤー放電加工機等の特徴や種類や原理,プログラミングの流れを学習する.また,NC加工を行うことにより,NC加工機においてプログラミングと基本作業を学習する.
2ndQ
9週 各テーマの実施
10週 各テーマの実施
11週 各テーマの実施
12週 各テーマの実施
13週 各テーマの実施
14週 各テーマの実施
15週 各テーマの実施
16週
後期
3rdQ
1週 各テーマの実施
2週 各テーマの実施
3週 各テーマの実施
4週 各テーマの実施
5週 各テーマの実施
6週 各テーマの実施
7週 各テーマの実施
8週 各テーマの実施
4thQ
9週 各テーマの実施
10週 各テーマの実施
11週 各テーマの実施
12週 各テーマの実施
13週 各テーマの実施
14週 各テーマの実施
15週 各テーマの実施
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3

評価割合

実習報告書合計
総合評価割合100100
配点100100