機械運動学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械運動学Ⅰ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「詳解 工業力学」 入江敏博(理工学社)参考書:工業力学の参考書は,図書館に数多く所蔵されている.
担当教員 正木 彰伍

到達目標

静力学と動力学の概念を理解し,平面内に働く力と,それによって生じる運動おける基礎知識を習得することによって,身の回りの機械工学に関する基礎力学的問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一点に働く力に関する応用問題が解ける一点に働く力に関する基本問題が解ける一点に働く力に関する基本問題が解けない
評価項目2剛体に働く力に関する応用問題が解ける剛体に働く力に関する基本問題が解ける剛体に働く力に関する基本問題が解けない
評価項目3力と運動法則に関する応用問題が解ける力と運動法則に関する基本問題が解ける力と運動法則に関する基本問題が解けない
評価項目4摩擦に関する応用問題が解ける摩擦に関する基本問題が解ける摩擦に関する基本問題が解けない
評価項目5運動量,力積,衝突に関する応用問題が解ける運動量,力積,衝突に関する基本問題が解ける運動量,力積,衝突に関する基本問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械運動学は,物体の運動とそれをもたらす力の関係を物理学や数学を用いて表現する学問である.基本的な力学の考え方を理解した上で,種々の工業力学に関する問題を自力で解くことができるようにする.
授業の進め方・方法:
・すべて学習・教育目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~11の確認を後期中間試験,学年末試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは同じである.合計点の60%の得点で,目標の達成を確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>
試験の平均点によってそれぞれの期間で評価する.再試験を実施する場合がある.詳細は授業中にアナウンスする.
<単位修得要件>
学業成績の評価方法によって,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科の学習には,物理学の力学的基礎知識,初等関数の微分積分,線形代数で学んだベクトルの基礎演算を十分理解していることが必要である.
<備考>
数式としてのみの理解ではなく,背景にある現象および物理的意味を充分に理解することが重要である.本教科は後に学習する機械力学,制御工学の基礎となる教科である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 質点に働く力の合成と分解 1. 力,長さ,時間などの基本的物理量をSI単位で表記できる.
2. 質点に働く力の合成と分解により外力を計算できる.
2週 質点に働く力のつりあい 上記1,2
3週 剛体に働く力とモーメント,偶力 3. 剛体に働く力の合成とつりあいを理解し計算できる.
4週 支点と反力,複数の着力点 4. 支点に働く反力を理解し計算できる.
5週 ニュートンの運動の第1,2,3法則・運動方程式 5. ニュートンの運動方程式を理解して解くことができる.
6週 ダランベールの原理,相対運動 6. 相対運動および相対速度の概念を理解して計算できる.
7. 物体の運動をダランベールの原理で表すことができる.
7週 まとめ 上記1~7
8週 後期中間試験 上記1~7
4thQ
9週 中間試験の解説,求心力と遠心力 上記1~7
8. 円運動が理解できる.
10週 摩擦現象の基礎 9. 摩擦現象を伴う運動が解析できる.
11週 摩擦現象の応用 上記9
12週 運動量,力積,衝突の基礎 10. 運動量と力積の概念を理解することができる.
13週 運動量,力積,衝突の応用 上記10
14週 運動量保存の法則 11. 運動量保存の法則に関する計算ができる.
15週 まとめ 上記8~11
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
配点100100