到達目標
流体の運動方程式,速度ポテンシャル,境界層,物体まわりの流れおよび物体に働く抗力・揚力,ターボ機械およびそれに関連する用語,速度三角形,比エネルギー,オイラーヘッド,軸流ファンの全圧上昇,相似則,水車,風車について理解することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 物体まわりの流れおよび物体に働く抗力・揚力,境界層,流体の運動方程式,流線の方程式,流れ関数についてについて理解し,応用問題を解くことができる. | 物体まわりの流れおよび物体に働く抗力・揚力,境界層,流体の運動方程式,流線の方程式,流れ関数について理解し,基本的な問題を解くことができる. | 物体まわりの流れおよび物体に働く抗力・揚力,境界層,流体の運動方程式,流線の方程式,流れ関数について理解できていない. |
評価項目2 | 速度ポテンシャル,自由せん断層,非ニュートン流体について理解し,説明・計算ができる. | 速度ポテンシャル,自由せん断層,非ニュートン流体について理解している. | 速度ポテンシャル,自由せん断層,非ニュートン流体について理解できていない. |
評価項目3 | 流体と機械部分の間でエネルギーの授受作用が行われるターボ機械について理解し,数式あるいは数値を使って説明できる. | 流体と機械部分の間でエネルギーの授受作用が行われるターボ機械について理解し,その関係諸量の計算ができる. | 流体と機械部分の間でエネルギーの授受作用が行われるターボ機械について理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
前期には物体まわりの流れおよび物体に働く抗力・揚力,流体の運動を支配する方程式,せん断流および粘性を考慮しない完全流体と粘性を考慮するニュートン流体の流動について学習する.また,後期には流体と機械部分の間でエネルギーの授受作用が行われる流体機械(特にターボ機械)について学習する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に相当している.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>
「到達目標」1~22を網羅した問題を2回の中間試験,2回の定期試験で出題し,目標の達成度を評価する.達成度評価における各「到達目標」の重みは概ね均等とする.問題のレベルは編入学試験と同等である.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>
前期中間・前期末・後期中間・学年末の 4回の試験の平均点を100%として評価する.ただし,各定期試験において60点に達していない者は,再試験を行う場合があるが,実施する場合,再試験の成績が再試験の対象となった試験の成績を上回った場合には,60点を上限としてそれぞれの試験の成績を再試験の成績で置き換えるものとする.
<単位修得要件>
学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>
本教科の学習には,熱・流体工学基礎や水力学の習得が必要である.
<備考>
授業は,基本的に各事項について '講義と演習' という形態をとって進めるので,演習を通じて,その都度理解するよう心がけること. 本教科は流体力学特論(専攻科)に強く関連する教科である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
第4学年の学年末試験範囲の復習・確認 |
第4学年の学年末試験範囲の理解を確認できる.
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2週 |
物体まわりの流れと流体力(境界層,抗力,揚力) |
1.平板境界層について理解し,厚さを計算できる. 2.物体に働く抗力・揚力について理解し,式を用いて計算することができる.
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3週 |
物体まわりの流れと流体力(円柱・翼・球まわりの流れ) |
上記2. 3.球まわりの流れについて,抗力係数とレイノルズ数の関係を説明できる.
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4週 |
流線と流れ関数 |
4.二次元の非圧縮流れにおいて,速度の式が与えられたとき,流れ関数および流線の方程式を求め,その流線の概略を描くことができる.
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5週 |
流体の加速度と連続の式 |
5.非圧縮流れにおいて,速度の式が与えられたとき,連続の式を満たしているか調べることができる.
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6週 |
完全流体の運動方程式(オイラーの運動方程式) オイラーの運動方程式からベルヌーイの定理を導出 |
6. 完全流体の運動方程式について説明できる.
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7週 |
到達目標1~6の知識の復習 |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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8週 |
到達目標1~6の知識の復習・確認 |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験範囲の復習・確認 |
前期中間試験範囲の理解を確認できる.
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10週 |
流体の運動を変形と回転に分けて考え,変形速度と渦度および循環について解説 |
7. 伸びひずみ速度,せん断ひずみ速度,渦度,および循環について理解し,それらを求めることができる.
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11週 |
一様流れ,わき出し・吸い込み,渦糸の複素速度ポテンシャルを示し,その流れ場を説明 |
8. 一様流れ,わき出し・吸い込み,渦糸の複素速度ポテンシャルを示し,その流れ場を説明することができる.
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12週 |
自由せん断層流れの特徴を説明し,その問題と制御法を紹介 |
9. 自由せん断層流れの特徴を説明することができる.
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13週 |
ニュートン流体と非ニュートン流体について代表的な例をあげて説明 |
10. ニュートン流体と非ニュートン流体について代表的な例をあげて説明できる.
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14週 |
前期範囲のまとめ・解説(1) |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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15週 |
前期範囲のまとめ・解説(2) |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ターボ機械の分類(遠心式,斜流式,軸流式) |
11.ターボ機械とは何か例をあげて説明できる.
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2週 |
エネルギ伝達の基礎式(ベルヌーイの式,動力,全圧上昇) |
12.比エネルギーとオイラーヘッドを求めることができる.
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3週 |
流体と羽根車の間のエネルギ伝達(角運動量の法則とオイラーヘッド) |
上記12.
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4週 |
伝達されるエネルギーの成分(速度三角形,遠心力作用) |
13.速度三角形を求めることができる.
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5週 |
損失と効率(軸動力,水動力,全効率,水力損失) |
14.水動力,全効率,各種損失・効率が簡単に説明でき,計算できる.
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6週 |
遠心式ポンプのおもな構成要素(案内翼,ケーシング,ボリュート) |
遠心式ポンプの主な構成要素を説明できる。
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7週 |
遠心羽根車(すべりと理論揚程)
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15.すべり係数が簡単に説明でき,計算できる.
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8週 |
後期中間試験 |
これまでに学習した内容を説明し,諸量を求めることができる.
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4thQ |
9週 |
軸流羽根車(翼理論)
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16.軸流式流体機械に関する計算ができる.
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10週 |
相似測と比速度 |
17.比速度について説明することができ,その式を用いて計算できる.
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11週 |
性能と運転 |
18.相似則を用いて,相似運転の条件を求めることができる.
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12週 |
キャビテーション,サージング,水撃 |
19.キャビテーション,サージング,水撃が簡単に説明することができる.
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13週 |
ターボ送風機・圧縮機 |
20.ターボ送風機・圧縮機の名称、特徴を説明することができる.
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14週 |
水車 |
21.水車の理論動力、水車の比速度、水車の種類を説明することができる.
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15週 |
風車 |
22.風車の理論性能、風車の種類を説明することができる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。 | 4 | |
流線と流管の定義を説明できる。 | 4 | |
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。 | 4 | |
オイラーの運動方程式を説明できる。 | 4 | |
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。 | 4 | |
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。 | 4 | |
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 100 |
配点 | 100 | 0 | 100 |