電気電子工学実験

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気電子工学実験
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:電気電子工学実験指導書(鈴鹿高専電気電子工学科編),C言語-未来へつなぐ デジタルシリーズ(共立出版:白鳥則郎著)、参考書:各自の教科書,及び図書館の関連図書
担当教員 川口 雅司,横山 春喜,西村 一寛

到達目標

 電気電子工学に関する基礎専門用語および基本的な実験手法を理解して,実験結果をまとめ,結果の検討,考察等を理論的にまとめて実験報告書で報告することができる.また,一部の実験においてスキル評価シートによる自己評価により到達度チェックを実施する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気電子工学および安全に関する基礎知識,専門用語等を十分に理解したうえで実験に臨むことができる.電気電子工学および安全に関する基礎知識,専門用語等を概ね理解したうえで実験に臨むことができる.電気電子工学および安全に関する基礎知識,専門用語等を理解したうえで実験に臨むことができない.
評価項目2実験の目的・原理・実験方法・機器の取扱い方法を十分に理解し,積極的に実験に取り組むことができる.実験の目的・原理・実験方法・機器の取扱い方法を概ね理解し,実験に取り組むことができる.実験の目的・原理・実験方法・機器の取扱い方法を理解し,実験に取り組むことができない.
評価項目3実験で得られたデータを整理・図表化し,適切な考察等を論理的にまとめたレポートを作成して,期日までに提出することができる.実験で得られたデータを整理・図表化し,考察等をまとめたレポートを作成して,期日までに提出することができる.実験で得られたデータを整理・図表化し,考察等をまとめたレポートを作成して,提出することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子工学科第3学年の実験においては,第2学年に引続き,専門科目の講義内容から,特に基礎的な事項を選定し,電気電子工学における基本的な考え方に対する理解をさらに深め,その応用的な発展能力を養うことを目標に電気電子工学実験を実施する.
授業の進め方・方法:
・授業内容は,学習・教育到達目標(A)<視野>,(B)<専門>,(A)<技術者倫理>,(A)<意欲>,(B)<展開>に対応する.
・授業計画に記載のテーマについて,前期は10班に分かれ実験を行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」1〜10および16,17を実験報告書の内容により,11~15はレポート及び後期中間試験により、19~25は実習内容により評価する.満点の60%の得点で,目標の達成を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>各実験テーマの実験報告書,レポート,後期中間試験,実習内容を下記の評価割合に基づき採点し,その合計点を100点満点に換算し評価を行う.
<単位修得要件>全ての実験テーマのレポートを提出し,学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科はものつくり実習や電気電子工学実験の学習が基礎となる教科である。また、2年次までに学習した専門科目での電気回路,電気電子製図等について復習しておくことが望ましい.基礎数学,微分積分の知識も必要である.
<レポートなど>各班の全員がレポーターとなり実験報告書を提出する.レポートは,実験終了後,1週間以内に各自が担当教員に提出し,内容の不備の場合には1週間以内に再提出する.
<備考>本教科は後に学習する電気電子工学実験、創造工学の基礎となる教科である。実験時には作業着,靴を着用し,指導書,筆記用具は忘れずに持参すること.欠席,遅刻はしないこと.20分経過後の入室は欠課扱いとする.回路が完成したらスイッチを入れる前に担当教職員のチェックを受けること.機器等の故障,破損は直ちに担当教職員に届け出ること.始末書の提出を指示された場合は当日中に提出.実験終了後は,測定器具等を最初の位置に戻し,回りを掃除すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験に取り組む姿勢,社会へ巣立つ技術者としての心構え等に関しての諸注意,講話を行う.
2週 講話を行う
3週 シーケンサおよびラダー図の実習 シーケンサの概要を理解しラダー図の作成ができる.
4週 1. 直流電動機の速度制御特性 1.直流分巻電動機の速度制御法を習得し,それらの特徴を理解できる.
5週 2. センサを用いた制御実習 2.センサの原理,センサを用いた制御システムを理解,習得できる.
6週 3. 論理回路 3.基本論理回路(OR,AND,デコーダ,エンコーダなど)の動作を理解,習得できる.
7週 4. CAD・CAMによる5軸加工機実習 4.CAD・CAM学習ソフトを用いた基礎図面の作図方法が理解でき,5軸加工機を用いた加工技術を習得する.
8週 5. 交流回路のベクトル軌跡 5.インピーダンスおよび電流のベクトル軌跡を描き,回路の位相角を算出できる.
2ndQ
9週 6. エプスタイン装置による鉄損の測定 6.エプスタイン装置(電力法)により鉄心材料の損失を測定できる.
10週 7. コンデンサの充放電 7.コンデンサの充放電により過渡現象およびその取扱に関する考え方を習得し,さらに微分・積分回路を理解できる.
11週 8. リレーシーケンサ 8.シーケンサ学習ソフトを用いた,シーケンス制御の基礎,基本命令,基本回路等が理解できる.
12週 9. 共振回路 9.RLC直列回路の周波数領域での特性を理解しさらに,共振の鋭さQの概念を理解できる.
13週 10. トランジスタの静特性測定 10.トランジスタの静特性測定により,信号増幅を理解できる.
14週 予備実験日
15週 予備実験日
16週
後期
3rdQ
1週 11.C言語の基礎知識,プログラミングとは 11.C言語の基本およびプログラミングの概念が理解できる.
2週 12.制御文,分岐について 12.制御文およびif文、for文などの分岐のプログラミングができる.
3週 13.配列および文字列 13.配列および文字列について理解できる
4週 14.関数,定義,宣言,呼出し 14.関数の設計および宣言について理解できる.
5週 15.ポインタ,アドレス渡し,文字列とポインタ 15.データの受け渡しを使用したプログラミングが出来る.
6週 16.シーケンス制御の学習(1) 16.シーケンサ学習ソフトを用いた,シーケンス制御の基礎,基本命令,基本回路等が理解できる.
7週 17.シーケンス制御の学習(2) 17.シーケンサ学習ソフトを用いた,シーケンス制御の応用例が理解できる
8週 18.後期中間試験 18.C言語プログラミングについて理解できる.
4thQ
9週 19.MPLABの使い方 19.MPLABを使ってプログラムの作成ができて,PICにプログラム書き込むことができる.
10週 20.PIC制御回路の結線 20.回路図に基づいてPIC制御回路の結線ができる.
11週 21.LED制御 21.PICを使ってLEDの点灯,点滅制御ができる.
12週 22.7セグメントLED制御,DCモーター制御 22.PICを使って7セグメントLED制御,DCモーター制御ができる.
13週 23.Arduino開発ソフトの使い方 23.開発ソフトを使ってプログラムの作成ができて,Arduinoにプログラム書き込むことができる.
14週 24.ディジタル入出力の学習 24.Arduinoのディジタル入出力が使用できる.
15週 25.アナログ入出力の学習 25.Arduinoのアナログ出力が使用できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野(実験・実習能力)電気・電子系分野(実験・実習能力)インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4
共振について、実験結果を考察できる。4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4

評価割合

実験報告書レポート後期中間試験実習内容合計
総合評価割合5581225100
配点5581225100