高分子化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 高分子化学Ⅱ
科目番号 0084 科目区分 専門 / (化)コース必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「高分子合成の化学」大津隆行著(化学同人)
担当教員 淀谷 真也

到達目標

高分子の合成・物性に関する基本的事項を理解し,様々な重合に関する専門知識,熱的・力学的特性など物性に関する専門知識,高分子の反応(修飾)に関する専門知識を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子化合物の定義,分類,構造を理解している.高分子化合物の定義,分類,構造を知っている.高分子化合物の定義,分類,構造を知らない.
評価項目2高分子化合物の性質,特徴を理解している.高分子化合物の性質,特徴を知っている.高分子化合物の性質,特徴を知らない.
評価項目3高分子化合物の合成方法を理解している.高分子化合物の合成方法を知っている.高分子化合物の合成方法を知らない.
評価項目4高分子化合物の反応を理解している.高分子化合物の反応を知っている.高分子化合物の反応を知らない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高分子とはモノマーと呼ばれる低分子化合物を重合反応によって連結させ、数十~数万の繰り返し単位からなる化合物である。軽くて丈夫、安価に大量生産できる汎用高分子は家電、自動車、衣類、食品・医薬品の包装、等、我々の身の回りにある製品のほぼ全てに高分子材料が利用されているものもあれば、エンジニアプラスチックや複合材料、生体材料といった特殊な高分子は精密電子材料、航空機産業、宇宙開発、医学分野などで高機能材料として利用されている。
 本科目では企業で高分子材料の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし高分子の合成、物性に関する基礎知識から、高分子に機能を付与するための高分子の反応、分解などの応用的な内容について授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を課題や中間試験,定期試験によって目標達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とするが,高分子の合成・物性に関する基本的事項を重ねて問うこともある.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>後期中間試験と学年末試験の成績の平均によって評価する.(再試験はしない。)
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は「有機化学(2C,3C),高分子化学I(4C)」で学習する知識が基礎となっている.
<注意事項>本教科は後に学習する「機能材料工学(5C)」の基礎となる教科である.「有機化学,高分子化学I」に関する基礎事項を必要に応じて確認・復習すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 逐次反応に関する計算式 1.重縮合の速度論,重合度,反応度について理解する
2週 共重合 2.共重合組成曲線,モノマー反応性比,Qe論について理解する
3週 種々の重合(I) 3.シクロアルカンの開環重合,ヘテロ原子を含む環状化合物の開環重合について理解する
4週 種々の重合(II) 4.異性化重合,脱離重合について理解する
5週 付加縮合反応 5.付加縮合反応について理解する
6週 硬化反応 6.付加縮合に伴う硬化反応について理解する
7週 まとめ ここまでの内容をまとめる
8週 中間試験
4thQ
9週 高分子の反応(I) 7.高分子と低分子の反応
10週 高分子の反応(II) 8.高分子内の反応
11週 高分子の反応(III) 9.高分子間の反応
12週 高分子の反応(IV) 10.高分子の熱分解、酸化分解
13週 高分子の反応(V) 11.高分子の光分解、生分解
14週 高分子の反応(VI) 12.反応場としての高分子,固定化酵素
15週 まとめ ここまでの内容をまとめる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100