生体・機能材料工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生体・機能材料工学
科目番号 0146 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「コンパクト高分子化学」宮下徳治著(三共)及び配布プリント.
参考書:「安心・安全・信頼のための抗菌材料」HACCP対応抗菌環境福祉材料開発研究会編(米田出版),「医薬理工の異分野融合研究から見えたナノバイオの未来」東京大学ナノバイオ・インテグレーション研究拠点(株式会社エクスナレッジ),「生体機能材料学」赤池敏宏著(コロナ社)
担当教員 淀谷 真也,今田 一姫

到達目標

高分子の熱的性質,力学的性質,高分子溶液に関する基本的事項を理解し,プラスチック,ゴムをはじめとする,様々な高分子材料に関する専門知識,および精密電子材料,医用材料に関する基礎知識を習得する.
生体の組織構造と生体が示す反応を理解したうえで生体材料工学に関する基本的事項を身に付ける.生体材料の特性と生体へ移植したりする活用法について理解し,新しい生体材料を開発できる専門知識を身に付ける.さらに生体模倣を理解してバイオテクノロジーを用いた生体材料の創造ができる専門知識を身に付ける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子化学の基礎を理解し,機能性材料へ応用することが出来る.高分子化学の基礎を知っており、機能性材料とつなげて考えられる.高分子化学の基礎を,機能性材料へ応用できない.
評価項目2高分子材料の物性について理解し,機能性材料へ応用することが出来る.高分子材料の物性について知っており、機能性材料とつなげて考えられる.高分子材料の物性に関する特徴を,機能性材料へ応用できない.
評価項目3機能性材料についての基本的な知識を理解している.機能性材料についての基本的な知識を知っている.機能性材料についての基本的な知識を知らない.
評価項目4各種生体材料の特性を説明できる.生体材料にはどのようなものがあるか説明できる.生体材料にはどのようなものがあるか説明できない.
評価項目5生体材料と生体の相互作用から、生体材料に求められる特性を説明できる.生体材料と生体の相互作用について説明できる.生体材料と生体の相互作用について説明できない.
評価項目6生体材料として用いる細胞について説明できる.細胞を生体材料として用いる例を挙げることができる.細胞を生体材料として用いる例を挙げることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
科学技術が進歩し,新しい機器や材料が開発されている産業界において,様々な分野で材料として活用されている高分子材料は高機能化や高付加価値化が求められている.本科目では企業で高分子材料の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし高分子材料を機能性材料に応用するために必要とされる,種々の高分子の合成法や特性について授業を行うものである。
生体材料工学は医療・福祉分野において使用される素材について医学・工学の間で学際的に研究開発を行い,得られた成果を社会に還元していく使命を持っている.この分野で取り扱う生体材料は人の体内へ移植する人工物や素材のことを指し,主として金属やセラミックス,プラスチックである.本授業では,これらの他に生体高分子も素材の1つに加え,生体材料の性質や生体との相互作用,活用法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に相当する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を定期試験によって目標達成度を評価する.達成度評価における各「知識・能力」の重みは概ね均等とするが,高分子の合成・物性に関する基本的事項を重ねて問うこともある.評価結果が百点法で60点以上の場合に目標の達成とする.
<学業成績の評価方法および評価基準>定期試験で評価する.1stQの再試験は行わない.2ndQの再試験は実施する.

<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は「有機化学(2C,3C)」,「高分子化学(4C)」,「生物化学(3C)」,「基礎細胞生物学(3C)」,「微生物学(4C)」,「分子生物学(4C)」で学習する知識が基礎となっている.
<注意事項>「有機化学」,「高分子化学」,「生物化学」,「基礎細胞生物学」,「微生物学」,「分子生物学」に関する基礎事項を必要に応じて確認・復習すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子材料の基礎I 1. 高分子の歴史,一般的性質について説明できる.
2週 高分子材料の基礎II 2. 高分子の分類,構造,分子量について説明できる.
3週 高分子材料の基礎II 3. 高分子の熱的,力学的,溶液の性質について説明できる.
4週 種々の高分子材料I 4. 熱可塑性プラスチックについての基礎的な知識を理解する.
5週 種々の高分子材料II 5. 熱硬化性プラスチックについての基礎的な知識を理解する.
6週 機能性材料I 6. 汎用繊維,高機能繊維,複合材料,エラストマーなどについて説明できる.
7週 機能性材料II 7. 精密電子材料について説明できる.
8週 まとめ これまでのまとめと課題や演習を行う
2ndQ
9週 生体材料の基礎 8. 生体材料とは何か,例を挙げて説明し,分類できる.生体材料の基本条件を説明できる.
10週 生体組織の特徴
生体材料に対する生体反応(1)血栓形成反応
9. 生体の基本構造について説明できる.血栓形成反応とそれを防止策について説明できる.
11週 生体材料に対する生体反応(2)免疫反応と異物除去 10. 免疫細胞の種類と役割を説明できる.補体と抗体の働きを説明できる.炎症反応を説明できる.生体の異物除去機構について説明できる.
12週 生体材料の種類 11. 生体材料の種類や例を挙げ,各材料の特性と利用例,生体適合性と生体安全性の評価法について説明できる.
13週 生体模倣と生体機能の実現 12. 生体模倣について説明できる.臓器・器官の機能と人工臓器の設計について説明できる.
14週 生体材料としての生体物質と細胞 13. 生体物質・細胞を利用したハイブリッド化や再生医療について説明できる.
15週 機能性材料のデザイン
まとめ
14. 生体物質や有機材料を用いた新しい機能性材料の例を挙げて説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000