アクティブラーニング入門

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 アクティブラーニング入門
科目番号 0010 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『学習設計マニュアル』(北大路書房)
担当教員 竹岡 篤永

到達目標

◆ 自律的な学び方・協同学習の基本技法の理解と実践
(1) 学び方を学ぶ必要性が生まれてきた背景について説明することができる〔背景の説明〕
(2) 学習技法について整理した上で、学習方法について説明することができる〔学習方法の説明〕
(3) 学んだ学習方法を使って本科目の学習を進めることができる〔学習方法の実践〕
(4) 学んだ学習技法をアレンジし、他科目の学習、クラブ活動や自主活動などに応用することができる〔他の活動への応用〕
(5) 仲間の行動や考えを意識しながら協同活動に取り組むことができる〔協同学習の実践〕

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1)〔背景の説明〕学び方を学ぶ必要性が生まれてきた背景について具体例を交えながらわかりやすく説明することができる。学び方を学ぶ必要性が生まれてきた背景について説明することができる。学び方を学ぶ必要性が生まれてきた背景についての説明が部分的にしかできない。
(2)〔学習方法の整理と説明〕学習技法について整理した上で、学習方法について具体例を交えながらわかりやすく説明することができる。学習技法について整理した上で、学習方法について説明することができる学習技法について整理した上で、学習方法についての説明が部分的にしかできない。
(3)〔学習方法の実践〕自分自身の学習スタイル・特徴に基づいて、学んだ学習方法を自分にふさわしいものとして実践できる。学んだ学習方法を自分にふさわしいものとして実践することができる。学んだ学習方法を部分的には実践できるが、自分にふさわしいものとして実践することができない。
(4)〔他の活動への応用〕学んだ学習技法をアレンジし、他の複数の活動(クラブ活動や自主活動など)に応用することができる。学んだ学習技法をアレンジし、他の1つの活動(クラブ活動や自主活動など)に応用することができる。学んだ学習技法の他の活動(クラブ活動や自主活動など)への応用がごく限られた範囲でしかできない。
(5)〔協同学習の実践〕仲間の行動や考えを意識しながら、複数の場面で協同活動に取り組むことができる。仲間の行動や考えを意識しながら協同活動に取り組むことができる。仲間の行動や考えを意識しながらの協同活動が限定的にしかできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高等教育機関(高専)は、「自ら課題を設定し、それにふさわしい解を見つけ出す」方法を身につける場です。この方法を身に付けるためには、自ら進んで、そして、自分にふさわしい方法で行う練習が必要になります。アクティブラーニング入門は、このような方法について学び、練習をし、できるようになるために設定された科目です。
授業の進め方・方法:
テキストに基づいて、いくつかの重要な「学びの技法」を学びます。ほんとうに学べているのか、クイズや練習問題で確かめ、それらの学びを自分でどう実践していくのかを整理して書いてもらいます。また、グループワークによって、学びを確かめる機会も設けています。
注意点:
1)パソコンなどのICT機器を使います。操作に慣れていない人は早めに慣れる必要があります。ただし、授業中には練習の機会は設けません。
2)授業外にeラーニングシステム(Moodle)を使った副学習(タスク)があります。これらの活動も評価の対象とします。
3)原則として、全授業の1/4以上を休んだ場合、最終評価を受けることはできません。
4)評価は次の4つの合計点で出します。
 ・練習問題(宿題)→全部を提出し、かつ、6割以上の得点を得ること
 ・Moodleタスク→全部を提出し、かつ、6割以上の得点を得ること
 ・小テスト→6割以上の得点を得ること
 ・レポート→6割以上の得点を得ること
※週の内容が前後することもあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自分の学びと向き合う 学習を取り巻く環境、学びの深さ、これからの学びの重要性に基づいて、学びのデザインの必要性が説明できる。
2週 学び合う下地をつくる 学びの場で予測される多様性について説明でき、傾聴やアサーティブな表現が実践できる。
3週 学習スタイルを把握する 学習スタイルの違いについて説明でき、自分にあった学習スタイルを実践できる。
4週 時間を管理する タイムマネジメントの方法を例示でき、締め切りとできばえを意識した時間管理ができる。
5週 学びをふりかえる ここまでに学んだ学習方法について、背景を含めてさらに深く説明でき、実践の計画を立てることができる。
6週 学習意欲を高める 自らが抱えている学習意欲の問題について説明でき、学習意欲を高めることができる。
7週 理解を促す 教え方の組み立てについて説明でき、不足があれば自ら補うことができる。
8週 (試験は実施しません)
2ndQ
9週 失敗に強くなる+試験をふりかえる 失敗から学ぶ方法を説明でき、自律的援助を活用した学びが実践できる。中間試験を振り返り、自分にふさわしい学習方法を見いだすことができる。
10週 中間レポート 学んだ学習方法について説明でき、何が実践できたのかを記述できる。
11週 仲間と力を合わせる/意見を出し合い整理する① 協同学習の重要性を説明でき、協同学習のグランドルールを提案できる。ブレインストーミングの練習を行う。
12週 協同学習の練習①
(アイデアを出す)
これまでに学んだ協同学習の技法を活用しながら、グループでアイデアを出すことができる。
13週 仲間と力を合わせる/意見を出し合い整理する② 協同学習の技法であるKJ法の練習を行う。
14週 協同学習の練習②
(テーマを設定する)
これまでに学んだ協同学習の技法を活用しながら、グループで実行可能なテーマを設定することができる。
15週 協同学習の練習③+全体のふりかえり
(発表する)
決めたテーマに沿って調べたこと、考えたことを発表し、意見を述べたり、意見を聞いたりできる。協同学習の実践について記述することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前16
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前2,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前3,前11,前12,前13,前14,前15
合意形成のために会話を成立させることができる。3前3,前11,前12,前13,前14,前15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前11,前12,前13,前14,前15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前2,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前12,前13,前14,前15,前16
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前12,前13,前14,前15,前16
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前3,前12,前13,前14,前15,前16
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前3,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
複数の情報を整理・構造化できる。3前3,前10,前12,前13,前14,前15,前16
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前11,前12,前13,前14,前15,前16
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1,前3,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前11,前12,前13,前14,前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
目標の実現に向けて計画ができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前5,前6,前7,前8,前10
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前11,前12,前13,前14,前15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前11,前12,前13,前14,前15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,前15
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前13,前14,前15
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前13,前14,前15
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前13,前14,前15
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前3,前16
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前3,前7,前8,前16
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前1,前3,前5,前10,前16
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前6,前16
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16

評価割合

練習問題Moodleタスク小テストレポート合計
総合評価割合20202040100
基礎的能力00000
専門的能力00000
分野横断的能力20202040100