概要:
第一学年前期では力学1と2を学習します。
力学1:ベクトル概念を「位置・速度・加速度」を題材として学びます。二次元空間を扱うため三角関数の学習は必須です。また、有効数字・単位の取扱いをはじめ工学を学ぶための準備も行います。
力学2:因果関係について学び、望みの結果となる原因の設計(デザイン)について意識します。具体的には力学1で学習した加速度は結「果」であり、原「因」が力やトルク、そして質量などの属性が結果に影響することを理解した上で、運動方程式の立式について習熟します。
授業の進め方・方法:
授業: 90分間を、①本読み②前時の復習③一斉講義④学び合い⑤プレゼン⑥振り返り、の6パートで進行します。チームワークの活性化のため学習支援サイトの解説動画の事前視聴を義務付けています。近い将来、③一斉講義を廃して反転授業に移行する可能性があることから、学習の軸足を予習に置いておきましょう。
授業者と評価者は異なるべき、という考え方があります。これに則り、単元テストの問題は教員オリジナル作成問題を排除し、市販の高校用問題集からのみ出題します(ただし、数値や問掛文章および回答様式は変更されています)。つまり、予習動画・授業・課題・試験の全ては「問題集」を軸としています。講義や教科書は参考程度に扱ってよいですが、問題集については第三者外部評価システムと捉え、隅から隅まで完全理解するよう取り組んで頂きたいと思います。市井の問題集が解けるっ!という事実と実感は、学習者が学外活動を行う上で大いなる自信となるでしょう。
注意点:
課題: まとめ能力の涵養のため1単元ごとに「メモリーツリー」を作成して頂きます。
試験: 2023年度から中間・期末試験から撤退し授業内の単元テストに移行しました。単元テストはBYODを用いたオンライン上で実施しますが、デバイスは鉛筆や消しゴム等の文房具と考えられることから、接続や充電トラブルは自己責任となる場合があります。
再試: 再試験は行いません。
追試: 公欠学生に対する追加試験は、申請があれば、登校できるようになってから速やかな日程にて実施します。
評価: 評価点はどの時点でも学生自身で計算できます。具体的な計算式は学習支援サイトで説明していますので、イベント毎に計算しておきましょう。
評価の対象としない欠席条件(割合):1/3以上の欠課です。
P.S. 何かを一から考えていいのは中学生までです。巨人の肩の上に立たない学習者は、効率が悪いだけでなく、学問を冒涜しているとも言えます。物理学習ではコミックやCGから受けた誤概念(素朴概念)が正しい理解を妨げることがあります。先人によって培われた思考の『型』を身につけることで、誤概念や疑似科学に惑わされない『骨太な』技術者になりましょう!
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ALに関するガイダンス。 変位と速度(p12-p19) |
ベクトルの概念を説明できる(「変化」=「今」ー「過去」) 問題集の2,3,4,5を解説できる。
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2週 |
平均速度と瞬間の速度(p20-p22) 指数計算と有効数字(p261-p264) |
精度と有効数字の関係を説明できる。 教科書p264の例1,2,3,4、問題集p311,p313を説明できる。
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3週 |
三角関数(p64-p65) 相対速度(p23-p25) |
ベクトルの概念を説明できる(「見え方」=「対象」-「観測者」) 問題集の6,8,9,18を解説できる。
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4週 |
◆単元テスト(0.ベクトル・有効数字・三角関数) v-tグラフと等加速度直線運動の3つの公式(p27-p39) |
物理の読み書きを説明できる(「文」→「図」→「式」、の翻訳)。 問題集の13,14,15,19を解説できる。
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5週 |
重力加速度測定実験(実験プリント) |
安全に実験し、時間内に報告書を提出できる。 問題集の11を解説できる。
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6週 |
◆単元テスト(1.運動の表し方) 落体運動と水平投射(p40-p49) |
ベクトル概念を説明できる(水平成分と鉛直成分の独立性)。 問題集の32,33,39,40を解説できる。
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7週 |
斜方投射(p50-p54) |
ベクトル概念を説明できる(水平成分と鉛直成分の独立性)。 問題集の35,36,37,43を解説できる。
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8週 |
◆単元テスト(2.落体の運動) 力のベクトルと力の見つけ方(p58-p63) |
相互作用について説明できる(対等な二者の関係)。 教科書p72,73の全問と問題集47、および52,54,56を解説できる。
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2ndQ |
9週 |
力のつりあいと作用反作用(p66-p73) |
ベクトル概念を説明できる(水平成分と鉛直成分の独立性)。 問題集の58,60,62,63を解説できる。
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10週 |
◆単元テスト(3.力のつりあい) 運動方程式(p74-p85) |
因果について説明できる(原因と結果のデザイン)。 問題集の67,73,77,91を解説できる。
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11週 |
静止摩擦力と動摩擦力(p86-p90) |
摩擦に関する3つのお話をすることができる。 問題集の80,82,89,90を解説できる。
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12週 |
大気圧と水圧と浮力と空気抵抗(p91-p97) |
「1013hPa」と「アルキメデス」のお話をすることができる。 問題集の83,86,87,93を解説できる。
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13週 |
◆単元テスト(4.運動の法則) トルクのつりあい(p98-p103) |
「てこの原理」を数値化し外積について説明できる。 問題集の95,97,104,105を解説できる。
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14週 |
剛体にはたらく合力と重心計算(p104-p112) |
「ジャンボBBQ」と「重心公式」の関係を説明できる。 問題集の101,102,103,106を解説できる。
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15週 |
◆単元テスト(5.剛体に働く力のつり合い) CBT(力学1,2) |
BYODでオンラインテストを受検することができる。
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16週 |
期末試験は実施しない |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前2 |
平均の速度、平均の加速度に関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
直線及び平面運動において、速度をベクトルとして捉え、速度の合成・分解及び相対速度に関する計算ができる。 | 3 | 前3 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の変位、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前1 |
自由落下及び鉛直投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
水平投射及び斜方投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前6,前7 |
物体に作用する力を図示できる。 | 3 | 前8 |
力の合成と分解ができる。 | 3 | 前8 |
質点にはたらく力のつりあいに関する計算ができる。 | 3 | 前9 |
重力、弾性力、抗力、張力の概念を理解し、それぞれの力に関する計算ができる。 | 3 | 前9 |
圧力、浮力について説明できる。 | 3 | 前12 |
運動の三法則について説明できる。 | 3 | 前10 |
運動方程式を用いて、物体に生じる加速度や物体にはたらく力などを求めることができる。 | 3 | 前10 |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | 前11 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前11 |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前11 |
力のモーメントに関する計算ができる。 | 3 | 前13,後1 |
剛体のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
物理実験 | 物理実験 | 実験の目的及び原理を説明できる。 | 3 | 前5 |
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(化学実験と共通) | 3 | 前5 |
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(化学実験と共通) | 3 | 前5 |
実験データから、最確値や誤差などを求めることができる。 | 3 | 前5 |
適切なグラフを作成し、実験データ間の最も確からしい関係を見出すことができる。 | 3 | 前5 |
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(化学実験と共通) | 3 | 前5 |
実験結果から、物理現象の特徴や規則性を説明できる。 | 3 | 前5 |
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(化学実験と共通) | 3 | 前5 |
以下の6分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。力学に関する分野/熱に関する分野/波に関する分野/光に関する分野/電磁気に関する分野/原子(電子及び放射線を含む)に関する分野 | 3 | 前5 |