機械設計製図Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械設計製図Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 機械製図(実教出版)/新編JIS機械製図第5版(森北出版),機械製図練習ノート(実教出版)
担当教員 矢尾 匡永

到達目標

1.機械製図の基礎となる正しい線と文字が描け,正確で明瞭な図面が作成できる.
2.立体を正投影図で精確に描くことができ,また,図面から立体を正しく理解できる.
3.製作図のかき方,図形の表し方,寸法記入などの基本を理解し,製図例の作図を通じて実践できる.
4.CADの概要を理解し,ソフトウェアによって簡単な3次元の品物を描く作業ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1線と文字を規格どおりかつ濃く描くことができ,製図用具を駆使してムラのない明瞭な記入ができる.線と文字が規格通りかつ濃く描けている.製図用具の使い方を理解している.線と文字が薄くムラもある.規格を守れておらず,線種に応じた太さとなっていない.
評価項目2第三角法を正しく理解し,等角投影図で示された品物の三面図を描くことができるとともに,その逆の作業もできる.第三角法を正しく理解し,等角投影図で示された品物の三面図を描くことができる.第三角法による品物の三面図を描くことができない.
評価項目3製作図のかき方を理解しているとともに,補助投影図,断面図示,寸法記入法や寸法補助記号について正しく記入された明瞭な図面を作図できる.製作図のかき方や寸法記入法を理解し,正しい図面を作図できる.製作図のかき方が理解でない.図面を完成させることができない.
評価項目4CADの概要を理解し,手書きによる図面作成作業との違いを説明できるとともに,簡単な3次元の品物を迅速に作図できる.CADの概要を理解し,簡単な3次元の品物を作図できる.CADの概要を理解できない.また,簡単な3次元の品物の作図ができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
製図の基礎を把握し,機械製図に関する企画を理解して製図知識と作図能力を習得する.
 立体を平面に変換すること,またその逆を行える応用力を養う.
CAD(Computer Aided Design)の概要と基本操作についても学ぶ.
授業の進め方・方法:
機械工学科棟3F設計工学演習室にて行う.教科書の製図例を通じて,投影図の描き方,寸法記入法など作図法を習得していく.提出図面の出来栄えから到達度を評価するほか,定期試験(前期末と後期中間のみ)で基本知識を問う.
注意点:
  関連科目
機械工作法,機械工作実習
  学習指針
製図用具の正しい使い方を習得し,JIS規格に則った線や文字,投影図を描けるように集中して作業すること.「正しく」,「明瞭に」,「じん速に」の3つを常に心がけて取り組む必要がある.各課題について時間内に完成しない場合は宿題とする.提出期限を設けるので厳守すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 製図用具 製図用具を正しく使用できる.
2週 文字 製図で用いる文字の種類や規格を説明できる.
3週 文字の練習 製図で用いる文字を正しく記入できる.
4週 線,基本的な図形1 線の種類と用途を説明できる.線の等分,角の二等分,円に接する正六角形を作図できる.
5週 基本的な図形2,線の練習1 直線と円弧,円弧と円弧のつなぎ方を理解し,作図できる.正しく明瞭な線を記入できる.
6週 線の練習2 正しく明瞭な線の作図を行い,時間内に提出できる.
7週 平面曲線1 だ円,歯形曲線の作図法を理解し,実践できる.
8週 平面曲線2 だ円,歯形曲線の作図を行い,時間内に提出できる.
2ndQ
9週 投影法 投影法とその描き方について説明することができる.
10週 投影図の作図1 基本的な投影図の作図ができる.
11週 投影図の作図2 基本的な投影図の作図ができる.
12週 等角図,キャビネット図 等角図とキャビネット図の定義を説明できる.
13週 等角図などの作図 基本的な等角図とキャビネット図の作図ができる.
14週 製作図 製作図のあらましを説明できる.
15週 前期期末試験 ここまでの知識が定着しており,基本的作図ができる.
16週 試験返却・解答 理解が不十分な事項を認識し,正しく理解できる.
後期
3rdQ
1週 製作図のかき方 製作図のかき方を説明できる.
2週 図形の表し方 図の選び方と断面図示について説明できる.
3週 寸法記入法 寸法記入について説明できる.
4週 支持台の作図1 支持台の作図ができる.
5週 支持台の作図2 支持台の作図ができ,正しい製作図が描ける.
6週 軸受ふたの作図 軸受ふたの作図ができ,断面図示や寸法記入を実践できる.
7週 後期中間試験 ここまでの知識が定着しており,基本的作図ができる.
8週 試験返却・解答 理解が不十分な事項を認識し,正しく理解できる.
4thQ
9週 軸受の作図1 軸受の作図を通じて補助投影図の正しい記入ができる.
10週 軸受の作図2 軸受の作図ができ,正しい製作図が描ける.
11週 はさみゲージの作図 はさみゲージの機能を説明でき,正しい製作図が描ける.
12週 アイボルトの作図 アイボルトの機能を説明でき,正しい製作図が描ける.
13週 CAD製図 CADの概要を説明できる.
14週 CAD製図 CADを用いて簡単な3次元の品物を作図できる.
15週 図面の修正 提出図面で不十分な箇所を認識し,正しく修正できる.
16週 図面の修正 同上

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前15,前16
製図用具を正しく使うことができる。4前1,前4,前5,前6,前7,前8,前15,前16
線の種類と用途を説明できる。4前4,前15,前16
物体の投影図を正確にかくことができる。4前10,前11,前15,前16
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。4前2,前3,前14,後1,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。4
部品のスケッチ図を書くことができる。4前10,前11,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4後13,後14
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。4
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。4

評価割合

試験提出図面課題合計
総合評価割合206020100
基礎的能力10301050
専門的能力525535
分野横断的能力55515