コンピュータ援用論理設計

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 コンピュータ援用論理設計
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜配布する
担当教員 山口 賢一,岩田 大志

到達目標

(1) Verilog HDL による設計および検証の手法を習得する。
(2) Verilog HDL によるCPU のシミュレーションを行い、 その構造と動作が理解できること。
(3) LSI 設計フローについて理解し、説明できること。
(4) LSI 設計の各フェーズについて理解し、説明できること 。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Verilog HDL による設計および検証の手法を理解し説明できる。Verilog HDL による設計および検証の手法を理解できる。Verilog HDL による設計および検証の手法を理解できない。
評価項目2LSI 設計フローについて理解し、説明できる。LSI 設計フローについて理解できる。LSI 設計フローについて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ハードウェア記述言語 Verilog HDL を用いた回路の基礎的記述法を習得した後,モデルコンピュータを例として取り上げ,CPU の設計法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
Verilog HDLによる設計演習を行い,コンピュータを用いた基本的な回路の設計方法を習得する。
注意点:
関連科目
ディジタル回路,論理回路I,II,コンピュータアーキテクチャと関連する。

学習指針
集積回路技術の進歩により, 計算機(コンピュータ)は高性能化・高機能化し,その応用分野 はますます広がっている。
特に近年,携帯用の情報通信端末が急速に普及したことに伴い,コンピュータの小型化・低消費電力化を可能とする設計手法は重要な課題である。
本講義では,演習を通じたコンピュータの設計手法の習得を目指す。

自己学習
学習した内容をレポートにまとめることを要求するので,授業時間外に取り組んでおくこと。
目標を達成するためには,授業以外にも予習復習を怠らないこと。
特に,VerilogHDL を用いた回路の記述法では,予習だけでなく,授業で習った内容が確実に利用できるよう,復習を欠かさないこと。

学修単位の履修上の注意

事前学習について:論理回路I,II,プログラミング系科目で学習した内容が定着するように,事前に復習をしておくこと.また,予め配布された資料等を用いて理解できるところ,理解できないところを明らかにしておくこと.
事後学習について:講義で指定された課題に取り組み,設定された期日までにレポートを作成して提出すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、準備、組合せ回路設計 1 授業で必要となるソフトウェアの設定を行うことができる。
半加算器,テストベンチを作成できる。
2週 組合せ回路設計 2 全加算器, 並列加算器, テストベンチを作成できる。
3週 組合せ回路設計 3 ALU 回路の仕様策定を理解することができる。
4週 組合せ回路設計 4 セレクタ, コンパレータなどを作成,検証できる。
5週 組合せ回路設計 5 ALU 回路, テストベンチを作成できる。
6週 組合せ回路設計 6 デコーダ, バレルシフタを作成,検証できる。
7週 組合せ回路設計 7 モジュールを組合わせた回路設計について理解する。
8週 前期中間試験 組合せ回路設計と検証ができる。
2ndQ
9週 順序回路設計 1 順序回路基本要素を作成,検証できる。
10週 CPU の設計 1 モデルコンピュータ,命令の実行制御方式を理解する。
11週 CPU の設計 2 アーキテクチャ,命令の実行制御方式を理解する。
12週 順序回路設計 2 有限状態機械を用いた順序回路を設計できる。
13週 CPU の設計 3 モデルコンピュータを設計,検証できる。
14週 順序回路設計 3 モジュールを組合わせた順序回路設計について理解する。
15週 前期末考査 与えられた仕様を満たす回路を正しく設計,検証できる。
16週 試験返却 間違ったポイントを正しく理解しなおすことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3前1
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3前1
変数の概念を説明できる。2前1
データ型の概念を説明できる。2前3
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。2前4
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。2前4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。2前13
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。2前13
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。2前13
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2前13
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。2前13
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。2前13
主要な計算モデルを説明できる。2前13
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4前13
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。4前13
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。4前13
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。4前13
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。4前13
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。4前13
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。4前13
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。4前13
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。4前13
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。4前13
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。4前13
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。4前13
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。4前13
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造を実装することができる。4前13
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。4前6,前13
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。4前6
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。4前6
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前3
基本的な論理演算を行うことができる。4前2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前2
論理式の簡単化の概念を説明できる。4前2
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4前2
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。5前2
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。5前2
組合せ論理回路を設計することができる。5前2
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。5前9
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。5前9
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4前9
順序回路を設計することができる。5前9
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4前11
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前11
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前11
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前11
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4前11
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。5前15
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4前15
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4前15
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4前15
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4前15
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。3前15
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。3前15

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000