物質化学工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物質化学工学実験Ⅰ
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 実験プリント・解説プリント(1~12)/補助教材 化学・基礎化学 斉藤烈他 啓林館 / 三訂版化学図録 数研出版
担当教員 三木 功次郎,中村 秀美,石丸 裕士

到達目標

1.化学現象に対し、興味を持ち理解を深め、きめ細かな観察力を持つことができる。
2.実験器具の正しい使い方や効率の良い実験方法を身につけることができる。
3.実験を安全に実施する知識・技術を身につけることができる。
4.実験ノートやレポートの書き方、文献の調べ方などを身につけることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標項目1目標事項が完全達成できている。目標事項が概ね達成できている。目標事項が殆ど未達である。
到達目標項目2目標事項が完全達成できている。目標事項が概ね達成できている。目標事項が殆ど未達である。
到達目標項目3目標事項が完全達成できている。目標事項が概ね達成できている。目標事項が殆ど未達である。
到達目標項目4目標事項が完全達成できている。目標事項が概ね達成できている。目標事項が殆ど未達である。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学・一般化学演習Ⅰ・化学特論Ⅰで得た知識を確実なものにするために、少人数(4人または5人)の班に分かれて実験(12テーマ)する。実験レポートの作成や模範レポートの解説を通じて、化学全般への理解を深める。
授業の進め方・方法:
実験実施前には必ず予習を行い、実験終了後にはレポートを提出し、担当教員とのディスカッションを通じて理解を深める。実験レポートに不備がある場合、再提出する。
注意点:
事前学習・・・事故を未然に防ぐためにも、理解を深めるためにも、配布プリントにある実験器具・薬品・方法について予習する。(予習忘れがあれば、準備・取組点を減点する)
実験中・・・白衣・ゴーグル・上履きを着用し、注意事項を必ず守って積極的に取り組み、注意深い観察・実験データの収集に心がける。(忘れ物や実験態度の不良があれば、準備・取組点を減点する)
事後展開学習・・・実験レポートは、教科書や図書館の資料なども活用して、配布プリントに要領よくまとめる。提出期限を守り、必ず提出する。(提出期限遅れがあれば、準備・取組点を減点する)

学修単位の履修上の注意

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 全体実験ガイダンス 実験実施時の留意点や注意事項などが理解できる。
2週 物質量を考える 米粒の体積・質量・粒子数の関係を調べる実験を通じて、1モルの大きさを様々に例えて説明できる。
3週 炎色反応 固体燃料上で様々な金属イオンを燃焼させる実験を通じて、炎色反応の仕組みについて大まかに説明できる。
4週 物質の構造と溶解性 様々な極性の物質を水や油の溶媒に溶解させる実験を通じて、溶解性との関係について理解できる。
5週 物質の分離・精製 ペーパークロマト、再結晶、抽出などの分離・精製について体験し説明できるようになる。
6週 化学反応の量的関係 定量の塩酸に異なる質量の炭酸カルシウムを加える実験を通じて、化学反応式の係数との関係について説明できる。
7週 酸塩基とpH指示薬 様々なpHの溶液を試験紙や指示薬で確認する実験を通じて、pHと試験紙や指示薬との関係について説明できる。
8週 中和滴定 様々な中和滴定実験を通じて、中和反応に関する量的関係について説明できる。
4thQ
9週 酸化還元反応 様々な酸化還元実験を通じて酸化還元反応に関する量的関係について説明できる。
10週 電気分解反応 電池による酸化還元反応、銅の電解精錬を通じて、酸化還元反応に関する量的関係について説明できる。
11週 金属イオンの検出 複数の金属イオンに、系統的に様々な検出試薬を加える実験を通じて、沈殿や錯形成反応について説明できる。
12週 反応熱とヘスの法則 水酸化ナトリウムの溶解熱や塩酸との中和熱を計測する実験を通じて、反応熱をヘスの法則で説明できる。
13週 分子量・蒸気圧の測定 水上置換法による分子量測定、蒸気圧測定、デュマ法による分子量測定を通じ、多様な分子量測定法が説明できる。
14週 レポート指導 レポートが正しく書けるようになる。
15週 レポート指導 レポートが正しく書けるようになる。
16週 後片付け・実験予備日

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後1
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後1
測定と測定値の取り扱いができる。3後2,後14,後15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後2,後14,後15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後2,後14,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
試薬の調製ができる。3後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13
代表的な気体発生の実験ができる。3後6
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後11
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2後6,後8,後9,後10,後12,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4後8
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。3後9,後10
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。3後11

評価割合

レポート準備・取組合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100