有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 クライン有機化学 上 David R. Klein 著(東京化学同人)
担当教員 宇田 亮子

到達目標

1)有機化学における基礎的な語句、8電子則と電子点式表記法の理解
2)化合物の分類と命名法とアルカンの分子軌道と反応、反応機構における電子の流れの理解
3)アルケンとアルキンの分子軌道、アルケンとアルキンの反応の理解
4)立体異性体との理解
5)芳香族化合物の構造や反応の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化学における基礎的な語句について説明することができ、8電子則と電子点式表記法を使って化合物の構造を示すことができる。有機化学における基礎的な語句が理解できる。8電子則と電子点式表記法が理解できる。有機化学における基礎的な語句が理解できない。8電子則と電子点式表記法が理解できない。
評価項目2官能基に応じた化合物の分類と化合物の命名を行うことができる。アルカンの分子軌道を説明できる。アルカンの反応の進行を電子の流れを用いて記述することができる。化合物の分類ができ命名法が理解できる。アルカンの分子軌道が理解できる。アルカンの反応の進行が電子の流れによって記述されることを理解できる。化合物の分類ができない。命名法が理解できない。アルカンの分子軌道が理解できない。アルカンの反応の進行が電子の流れによって記述されることが理解できない。
評価項目3アルケン・アルキンの分子軌道を説明できる。アルケン・アルキンの反応の理解し進行を電子の流れを用いて記述することができる。アルケン・アルキンの分子軌道が理解できる。アルケン・アルキンの反応の理解できる。アルケン・アルキンの分子軌道が理解できない。アルケン・アルキンの反応の理解できない。
評価項目4立体異性体における各語句を理解し、それらに基づいた分類と命名ができる。立体異性体における各語句の説明と、R、S表示ができる。立体異性体における各語句が説明できない。R、S表示ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本学科の専門科目を受講してゆく上で必要となる有機化学の基礎を学ぶ。また、反応・構造・物性・生成方法を通し、有機化学の考え方を身につけることを目的とし、有機化合物の構造、物性、生成方法などに関する講義を行ってゆく。各化合物特有の反応についても掘り下げてゆく。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。小テストやレポート課題も交えつつ、各自の理解度を確認する。また、定期試験返却時に解説を行い、理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
一般化学演習Ⅲ、有機化学Ⅱ
学習指針
有機化学は積み重ねが特に大切な学問である。毎回の講義内容を理解していないと、新しい分野を学習しても身につかないことが多い。復習に力を入れて学習すること。
事前学習:前回講義の内容を見直しておく
事後展開学習:学んだ内容をまとめ、分からないところが無いように理解を確実にしておく

学修単位の履修上の注意

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 有機化学を理解するために必要な基本的な背景を理解する。
2週 結合と構造式 構造式の書き方を身につける。
3週 結合と構造式 形式電荷と分極を理解する。
4週 軌道 原子軌道を理解する。
5週 軌道 分子軌道を理解する。
6週 軌道 分子軌道を理解する。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解凍することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
2ndQ
9週 分子の表記法 様々な表記法で分子を表すことができる。
10週 分子の表記法 様々な表記法で分子を表すことができる。
11週 分子の表記法 共鳴構造式を理解する。
12週 酸と塩基 酸と塩基の定義を理解し、電子の流れを書くことができる。
13週 酸と塩基 pKaを用いた酸・塩基の強さを比較できる。
14週 酸と塩基 共役塩基の安定性から酸性を定性的に考えることができる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 アルカンとシクロアルカン IUPAC命名法を理解し、アルカン・シクロアルカンの名称を決定できる。
2週 アルカンとシクロアルカン IUPAC命名法を理解し、アルカン・シクロアルカンの名称を決定できる。
3週 アルカンとシクロアルカン IUPAC命名法を理解し、アルカン・シクロアルカンの名称を決定できる。
4週 構造異性体 構造異性体を理解する。
5週 立体配座 Newman投影式を書き、立体配座について理解する。
6週 立体配座 シクロヘキサンの立体配座について理解する。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
4thQ
9週 立体配座 シクロヘキサンの立体配座について理解する。
10週 立体配座 シクロヘキサンの立体配座について理解する。
11週 立体異性体 立体異性を理解する。
12週 立体異性体 R,S表示法を身につける。
13週 立体異性体 R,S表示法を身につける。
14週 光学活性 光学活性について理解する。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3前1,前2
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前9,前10,後1,後2,後3
σ結合とπ結合について説明できる。3前5,前6
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前4,前5,前6
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3前3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前6
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3前3,前12,前13
共鳴構造について説明できる。3前11
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3後1
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3後6,後9,後10
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3後4,後11
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3後10,後12,後13
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3前14
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3前14
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力0000000
専門的能力700010020100
分野横断的能力0000000