無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基本無機化学 第2版」、東京化学同人
担当教員 松浦 幸仁

到達目標

1. 原子の構造が理解できる。

2. 化学結合が理解できる。

3. 固体構造が理解できる。

4. 錯体が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子配置が説明できる。量子数が説明できる。原子の構造を量子力学的に説明できない。
評価項目2分子軌道法が理解できる。等核二原子分子の電子状態が説明できる。混成軌道が理解できない。
評価項目3ボルンハーバーサイクルが計算できる。格子エネルギーが理解できる。基本的な金属結晶およびイオン結晶の構造が理解できていない。
錯体の電子状態が説明できる。錯体の異性体を説明できる。配位結合が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
無機化学とは、元素、単体および無機化合物を扱う分野である。様々な元素の性質を電子論的なものの見方で統一的に理解する。
授業の進め方・方法:
講義が主体の授業を行う。授業態度が不良で、学ぶ意志が欠如している場合には個別指導を行う。
注意点:
関連科目
化学、無機化学Ⅰ
  学習指針
   化学結合の電子論的な見方の基礎を習得する。
   特別な予習は必要としないが、授業中にする基礎的な演習問題を繰り返し解いてください。

学修単位の履修上の注意

シュライバー無機化学をよく読むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 元素と周期表 原子の構造
2週 同上、以下同文 量子力学の基礎、シュレディンガー方程式
3週 同上 量子数、電子配置、周期表との関係
4週 分子とそのモデル 共有結合、ルイス構造
5週 同上 原子価結合法、混成軌道
6週 同上 分子軌道法、等核2原子分子
7週 前期末試験 復習
8週 テスト返却 復習、異核2原子分子や多原子分子の電子状態の補足
2ndQ
9週 酸と塩基 ブレンステッド酸・塩基
10週 同上 ブレンステッド酸の各論(オキソ酸など)
11週 同上 ルイス酸
12週 酸化と還元 還元電位
13週 同上 酸化還元安定性
14週 同上 酸化還元反応
15週 前期末試験 復習
16週 テスト返却 復習
後期
3rdQ
1週 イオン性固体と金属 結晶系・格子面とミラー指数・ブラベ格子・結晶の対称性
2週 同上、以下同文 金属結晶の構造・イオン結晶の構造
3週 同上 格子エネルギー
4週 同上 ボルン・ハーバーサイクル
5週 同上 共有結合結晶と分子結晶
6週 同上 結晶の不完全性・非晶質固体
7週 後期中間試験 復習
8週 テスト返却 復習
4thQ
9週 錯体の配位子と配位数 錯体の配位子と配位数
10週 同上、以下同文 配位数と立体配置・錯体の異性現象
11週 同上 結合理論
12週 同上 配位場理論
13週 同上 錯体の電子スペクトル・錯体の磁気モーメント
14週 同上 錯体の安定度・錯体の反応
15週 学年末試験 復習
16週 テスト返却 復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
配位結合の形成について説明できる。4
水素結合について説明できる。4
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4
錯体の命名法の基本を説明できる。4
配位数と構造について説明できる。4
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力300000030
分野横断的能力400000040