地域学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 地域学
科目番号 0078 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 上島 智史

到達目標

1.東アジアの地域性を自然環境と社会環境の両面から考察できる。
2.現代の東アジア情勢について、戦後史を踏まえて考察できる。
3.科学技術の発展とともに薄れてゆく自然観について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1東アジアの地域性を自然環境と社会環境の両面から考察できる。東アジアの地域性を自然環境もしくは社会環境から考察できる。東アジアの地域性を自然環境と社会環境の両面から考察できない。
評価項目2現代の東アジア情勢について、戦後史を踏まえて考察できる。現代の東アジア情勢について理解できる。現代の東アジア情勢について、戦後史を踏まえて理解できない。
評価項目3科学技術の発展とともに薄れてゆく自然観について理解できる。科学技術の発展について理解できる。科学技術の発展について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
“地域”とは、人間社会がつくりだした一定の空間を指す用語である。“地域”の指す空間は大陸別・州別・国別などスケールは様々だが、それぞれの“地域”の特色は、そこでみられる自然環境(地形・気候など)と社会環境(言語・宗教など)の両面からアプローチしなければ見えてこない。また、1つの“地域”だけの閉鎖的な見方でも、“地域”の特色は理解できない。本講義では、日本という“地域”を深く理解するため、東アジア諸国における日本、日本国内の地域区分をとりあげる。
授業の進め方・方法:
“地域”の特徴を理解するには、①自然環境と社会環境の両面から“地域”を考察する、②他の“地域”と比較し、共通点および差異することが必要となる。①については、それぞれの“地域”を地理学・歴史学・文化人類学・社会学・政治学など多角的な視点からアプローチしてみる。②については、日本という“地域”を深く理解するために、同じ東アジアに含まれる韓国(朝鮮半島)・中国(中国大陸)と比較してみる。過去から現代につながる“地域”をとりあげるため、現在の世界情勢への理解も深まることが期待できる。
注意点:
関連科目:地理・歴史・公共・政治経済
学習指針:自然環境と社会環境の両面から、東アジアの地域性を考察できることを目指す。
事前学習:あらかじめ講義内容に該当する部分について、1~3年で用いた教科書(地理・歴史・政治経済)を読み、これまで学習してきた内容は事前に確認しておくこと。
事後学習:課題プリントを配布するので、図書・新聞・インターネットなどを利用して各自でまとめ、次の授業時に提出すること。

学修単位の履修上の注意

本講義は東アジア世界を対象とするため、これまでに学習した地理・歴史・政治経済の広い基礎知識が必要となる。そのため、あらかじめ講義内容に関する部分について、地理・歴史・政治経済の教科書を読み直すなどの事前学習が必要である。また、講義でそれぞれの授業内容に沿った課題プリントを配布する。図書・新聞・インターネットなどを利用して各自でまとめ、次の授業時に提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 講義の目的・概要・評価方法について理解できる。
2週 朝鮮半島① 自然環境と伝統的な食文化 朝鮮半島の固有の文化を理解し、それが育まれた環境(自然・社会)について考察できる。
3週 朝鮮半島② 朝鮮戦争と分断国家 朝鮮半島が南北に分断された背景・経緯について、理解することができる。
4週 朝鮮半島③ 高度経済成長と民主化運動 韓国における高度経済成長と同時期に広がった民主化運動について、理解することができる。
5週 朝鮮半島④ 現代韓国が抱える問題 現代の韓国社会が抱える問題点を、各種統計データから考察することができる。
6週 中国大陸① 自然環境と南船北馬 中国大陸の南北で異なる自然環境を理解し、それが歴史に与えた影響を考察できる。
7週 中国大陸② 台湾の対立 戦後、中国の歩みについて整理し、台湾と対立していった背景を理解できる。
8週 中国大陸③ 大躍進政策と文化大革命 大躍進政策とその後の中国社会の変容について理解できる。
4thQ
9週 中国大陸④ 改革開放と天安門事件 改革開放を経て、現在の中国に至る流れを理解できる。
10週 日本列島① 地域区分と地域文化 日本の地域区分を理解し、食文化・方言などの地域文化について分布とその要因を考察できる。
11週 日本列島② 高度経済成長と国土開発 高度経済成長と電力開発の関係について、ダム建設を事例に理解できる。
12週 日本列島③ もののけと神々の住処 高度経済成長とともに喪失した神々の森と日本人の信仰について、考察できる。
13週 日本列島④ 昭和ブームにみる現代社会 平成に起きた昭和ブームを事例に、昭和から現在に至る日本の姿について理解できる。
14週 日中韓比較文化 東アジアの地域性について、共通点・差異を見出し、その要因を自然環境・社会環境の両面から考察できる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験(学年末)授業への取り組み(提出課題の完成度)合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100