流体力学特論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 流体力学特論
科目番号 0040 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム創成工学専攻(機械制御システムコース) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に無し.適宜,プリント配布する.
担当教員 坂本 雅彦

到達目標

 流体力学の基礎となる完全流体力学に関する知識を身に付けることを目標とする.特に,流体力学に関する種々の基礎式を正しく理解するとともに,これらを流れの物理現象と直接的に結び付けて理解できる力を養う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Navier-Stokes方程式を理解し、導出できる.Navier-Stokes方程式を理解できる.Navier-Stokes方程式を理解できない.
評価項目2二次元ポテンシャル流れを仮定して基礎的な流れの解析ができる.2次元ポテンシャル流れを理解できる.2次元ポテンシャル流れを理解できない.
評価項目3等角写像、Blasiusの公式、鏡像の原理などを用いて各種重要定理を証明することができる.等角写像、Blasiusの公式、鏡像の原理、各種重要定理を理解できる.等角写像、Blasiusの公式、鏡像の原理、各種重要定理を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
連続体の概念を説明し,それを理解するために最小限必要なベクトルやテンソル等の解説を行い,物質の力学的挙動を記述する支配方程式に関する理解を深める。その特別な近似として,非粘性であるとして完全流体の概念を導き,その体系についての知識を習得する.                                                                                                                                     ※実務との関係                                                                                            この科目は企業で設備の技術開発を担当していた教員が,その経験を活かし,流体力学に関する力学について講義形式で授業を行なうものである.
授業の進め方・方法:
履修にあたっては,数学の微分・積分,ベクトル解析,解析力学を多く活用する.目
注意点:
授業中は,活発に質問や問題提起を行うこと.配布された演習問題の解答に努力し,復習を怠らないこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 法線応力や摩擦応力とひずみ速度の関係 運動している流体中に働く力について理解できる.
2週 流れの基礎 運動の記述方法および流体粒子の運動について解説する。
3週 Eulerの運動方程式 慣性力、圧力による力、体積力の釣り合いから運動定式を導くことができる.
4週 Navier-Stokesの運動定式 Eulerの運動方程式に粘性力を加えNS方程式を導くことができる.
5週 NS方程式の厳密解(1) Rayleigh' problemについて理解できる.
6週 NS方程式の厳密解(2) Stokes近似、Oseen近似について理解できる.
7週 2次元の渦無し運動(1) 流れ関数、速度ポテンシャル、複素速度ポテンシャルについて理解できる.
8週 2次元の渦無し運動(2) 一様流れ、わき出し・吸い込み流れ、循環、二重わき出しなどの基礎的な流れを求めることができる.
2ndQ
9週 2次元の渦無し運動(3) 基礎的な流れを組み合わせて円柱周りの流れや半無限物体周りの流れを求めることができる.
10週 物体に働く力・モーメント Blasiusの第一公式、第二公式を理解し、物体に働く力を求めることができる.
11週 等角写像 等角写像について理解し、翼周りの流れや翼に働く力を求めることができる.
12週 渦運動 渦運動に関する諸定理について解説する。
13週 3次元の渦無し運動 3次元の流れについて理解できる.
14週 総合演習(1) 演習問題を解答することができる.
15週 総合演習(2) 演習問題を解答することができる.
16週 期末試験 60%以上解答できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合20000000200
基礎的能力10000000100
専門的能力600000060
分野横断的能力400000040