輸送現象論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 輸送現象論
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 システム創成工学専攻(機械制御システムコース) 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自作プリントを使用する
担当教員 島岡 三義

目的・到達目標

1 ) 拡散現象に関する基本的な事項が理解でき、物質拡散、運動量拡散および熱拡散のアナロジを理解でき,説明できること。
2 ) 非定常熱伝導方程式(直交、円筒、球座標系)の導出法が理解でき、境界条件式とその取扱いが理解でき,さらに説明できること。
3 ) 1次元定常熱伝導(多層平板,多層円筒,フィンなど)に関する具体的現象が理解でき,説明できること。
4 ) 変数分離法による定常、非定常方程式の解法,熱伝導方程式の無次元化とラプラス変換法による解法が理解できること。
5 ) 相変化を伴う場合の潜熱の取扱、 熱伝導方程式の近似解法(解析的、数値的)とその適用限界を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1拡散現象に関する基本的な事項が理解できること。物質拡散、運動量拡散および熱拡散のアナロジを理解できること。さらに説明できる。拡散現象に関する基本的な事項が理解できること。物質拡散、運動量拡散および熱拡散のアナロジを理解できる。拡散現象に関する基本的な事項が理解できず,物質拡散、運動量拡散および熱拡散のアナロジも理解できない。
評価項目2非定常熱伝導方程式(直交、円筒、球座標系)の導出法が理解でき、境界条件式とその取扱いが理解でき,さらに説明できる。非定常熱伝導方程式(直交、円筒、球座標系)の導出法が理解でき、境界条件式とその取扱いが理解できる。非定常熱伝導方程式(直交、円筒、球座標系)の導出法が理解できず、境界条件式とその取扱いが理解できない。
評価項目31次元定常熱伝導(多層平板,多層円筒,フィンなど)に関する具体的現象が理解でき,説明できる。1次元定常熱伝導(多層平板,多層円筒,フィンなど)に関する具体的現象が理解できる。。1次元定常熱伝導(多層平板,多層円筒,フィンなど)に関する具体的現象が理解できない。
評価項目4変数分離法による定常、非定常方程式の解法,熱伝導方程式の無次元化とラプラス変換法による解法が理解できる。変数分離法による定常、非定常方程式の解法,熱伝導方程式の無次元化は理解できるが,ラプラス変換法による解法の理解が十分ではない。変数分離法による定常、非定常方程式の解法,熱伝導方程式の無次元化、ラプラス変換法による解法のいずれも理解できない。
評価項目5相変化を伴う場合の潜熱の取扱、 熱伝導方程式の近似解法(解析的、数値的)とその適用限界を理解できる。相変化を伴う場合の潜熱の取扱、 熱伝導方程式の近似解法(解析的)を理解できる。相変化を伴う場合の潜熱の取扱、 熱伝導方程式の近似解法(解析的)のいずれをも理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 熱、運動量、物質の輸送(移動)現象は相似性があり、数学的取扱いは全く同じである。熱、運動量、物質の移動現象は基本的に非定常問題であり、熱力学や流体静力学とは異質である。また、現象を支配する基礎方程式を解くことにより、現象の変化過程を伺い知ることができ、より現実的な対応ができて輸送現象の理解が深められる。現象を支配する基礎方程式とその解法を中心に解説する。
授業の進め方と授業内容・方法:
 熱、運動量、物質の移動現象は視覚的にとらえにくいものであるが、固体内の熱伝導を主体にして、現象の支配方程式の導出とその解法,特に数式展開を詳細に解説し、自然科学・現象の理解だけではなく、数学力の向上を図り基礎工学力が育成されるようにする。また、支配方程式は解析的に解けない場合が多いことから、数値的に解く方法も解説し、情報技術の注意点も述べて、熱輸送現象の問題設定・解決能力を高められるようにする。講義が主体になるが,若干の演習も行う。
事前学習:受講前に配付プリントの授業に関連する部分を良く読んでおくこと。特に,数式展開が理解できるか確認しておくこと。
事後展開学習:授業に関連する資料と課題を出すので,指定された期日までに提出する。
注意点:
 いろいろな事象の解説をするが、各自十分な予習また復習をすることが大切である。さらに、詳細な資料を配付するので、ノートをとるのは最小限にして授業中に理解するように心がけ、活発な質問・討論を期待する。

学修単位の履修上の注意

授業に関連する課題を自分で解いたかをレポートで確認し,自学自習の取り組みを成績評価に反映させる。

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 輸送現象論とは(総論) 輸送現象とはどのようなものか、また、熱、運動量、物質の輸送現象の相似性とはどのようなことかを考察する。
2週 熱移動現象の支配方程式
熱移動のフーリエの法則、熱エネルギ収支式に基く熱移動現象の支配方程式、円筒座標系や球座標系の場合の支配方程式について考察する。
3週 定常熱伝導 2次元定常熱伝導方程式の変数分離法による解析解の導出について考察する。
4週 非定常熱伝導 1次元非定常熱伝導方程式の変数分離法による解析解の導出について考察する。
5週 熱伝導方程式の無次元化 熱輸送現象における重要な無次元数(フーリエ数、ビオー数など)について考察する。
6週 半無限体の熱伝導(1) ラプラス変換法により支配方程式を解く方法について考察する。
7週 半無限体の熱伝導(2) 対流境界熱伝達条件等の場合の温度分布の解析解の導出方法について考察する。
8週 1次元熱伝導(1) 多層平板、多層円筒の熱通過率について考察する。
4thQ
9週 1次元熱伝導(2) 矩形フィンのフィン効率の求め方および他の形状のフィンのフィン効率について考察する。
10週 相変化を伴う熱伝導 凝固過程での凝固潜熱の取扱い方について考察する。
11週 近似解法(1) 物体内の温度分布をあらかじめ、ある関数形に近似し、境界条件等により関数形を確定する、プロファイル法について考察し、2物体を接触させた場合の熱移動についても考察する。
12週 近似解法(2) 多次元非定常熱伝導問題では解析解の導出は極めて困難である。コンピュータを使用して、支配方程式を差分化して解く方法に関して、微係数の差分表示と陽解法・陰解法について考察する。
13週 熱輸送現象が関係する装置・システム 原子力発電システム並びに原子力発電システムと熱輸送現象の関連について考察する。
14週 筆記試験 これまでの学習内容に関する筆記試験を実施する。
15週 レポート作成 いくつかの熱移動現象に関する課題を課す。そのレポート作成の時間とする。
16週 総括 学習した熱移動現象を総括的に振り返り、技術者として果たすべき役割とどう結びつけていくか各人で考察する。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40000600100
基礎的能力1000010020
専門的能力2000030050
分野横断的能力1000020030