分子生物学

科目基礎情報

学校 和歌山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 分子生物学
科目番号 0080 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 1、ビジュアル・バイオテクノロジー
2、休み時間の分子生物学
3、生物学
担当教員 スティアマルガ デフィン

到達目標

1年生の総合理科、2年生の生物で学んだ地球上生命体の基本原理に加えて3年生に学んだ遺伝子を軸とした生体における主な高分子の構造と機能と生命や生命現象に関わる分子の働きやそのメカニズムを土台に、分子生物学の技術を応用した技術である分子バイオテクノロジーの勉強をする。4年生にはまず、分子生物学やバイオテクノロジーの歴史を通して分子生物学の基本原理の再確認を行う。次いで、クローニングやPCR、遺伝子組み換えなどバイオテクノロジーに用いられる基本技術及びその開発の背景や歴史を学ぶ。また、バイオテクノロジーを用いる産業やビジネスについても勉強する。
これらの勉強を通じて、科学的および討論のできる論理的思考を培い、生体高分子、特に遺伝子の構造と機能や生命や生命現象について理解する。

人間が消費するようなものの生産の過程や消費の過程で、用いられる・含まれる化学物質が人間そのものや周りの生き物の遺伝子や身体にどのような影響をもたらしてしまうかを検討するのに、生命体の動きを分子レベルで理解する分子生物学やバイオテクノロジーの知識が必要である。
分子生物学で修得した知識は,食品,医薬品製造などの品質管理や製品開発の業務で役立ちます。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
生命現象の仕組みと代謝生体分子と代謝の関連について、充分に理解している生体分子と代謝の関連について、ある程度理解している生体分子と代謝の関連について、理解していない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
授業導入期で生命とはなにかについて考察しながら、分子生物学はどんな学問なのかを学ぶ。次いで、生命現象のしくみを学び、DNA、RNA、タンパク質についての性質やその生体内合成について学ぶ。さらに、それぞれの高分子と細胞内代謝との関連について理解を深める。
授業の進め方・方法:
a. 授業ノートをしっかりとること。
b. 質問時間を設けるため、解らないことがあれば授業時間内にみんなのまえで質問すること。
c. 教科書以外の参考図書からのコピーや論文の別刷りなど、理解するのに便利な資料を適宜配布する。
d.  この科目は学修単位科目のため:
(1)レポートや課題や小テストを課する場合もある。
(2)毎回、最低120分間の、定期的な予習・復習を含む自習を行うことを想定して授業を進める。
e. 1、2年生の教科書(生物学)と3年生の教科書(休み時間の分子生物学)や過去に配られたプリントを必ず持ってくるように。また、それらを使って予習や復讐を必ず行うように。
注意点:
事前学習
a. 総合理科、生物学、生物化学、生命科学の復習を事前に行うこと。

事後学習
a. 授業中に取ったノートだけではなく、教科書や配布資料をしっかり復習すること。
b. 必要に応じて、インターネットや図書館を用いて授業で習ったことに関係する情報を調べること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス;分子生物学とバイオテクノロジー ガイダンスでは、授業の進み方の概要、授業に必要な心構えや守るべきルール、成績の付け方などについて説明する。
その後、分子生物学とバイオテクノロジーはどんな学問なのか、そして生命現象の研究においてのその位置づけについて理解する。
2週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(1) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。
3週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(2) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。
4週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(3) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。世界のバイオ産業の動きを理解する。
5週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(4) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。分子遺伝学に繋がるメンデル遺伝や総合説について理解する。
6週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(5) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。核酸や遺伝子の発見に繋がった実験や研究について理解する。
7週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(6) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。PCRやDNAの配列決定の発見に繋がった実験や研究について理解する。
8週 中間試験 今まで勉強したものについての理解度をテストする。試験時間が50分とする。残りの40分は、試験問題の解答やそれらについての授業・議論をする。
4thQ
9週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(7) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。分子生物学・遺伝子工学を基盤としたタンパク質工学について学ぶ。
10週 分子生物学とバイオテクノロジーの基本原理(8) 分子生物学とバイオテクノロジーのそれぞれの基本原理や基礎知識について、その発見や発明などの歴史から学習し、理解する。分子生物学と分子遺伝学はどのような学問領域なのかを理解する。また、古典的なバイオテクノロジーと分子バイオテクノロジーの違いについて理解する。分子生物学・遺伝子工学を基盤としたゲノム工学について学ぶ。
11週 現代社会とバイオテクノロジー(1) 分子生物学とバイオテクノロジーの技術やそこから生まれたプロダクトがどのようにして現代社会に役立つかについて理解する。
12週 分子生物学と現代バイオテクノロジー:マルチオミクス 近年の技術の進歩によってできた解析技術であるトランスクリプトーム ・プロテオーム・ゲノム・フェノームなどのマルチオミクスの解析について学ぶ。
13週 分子生物学と現代バイオテクノロジー:バイオインフォーマティクス マルチオミクスから得られた分子生物学的なビッグデータの解析について学ぶ。
14週 現代社会とバイオテクノロジー(2) 分子生物学とバイオテクノロジーの技術やそこから生まれたプロダクトを基盤となる産業について学ぶ。
15週 期末試験 今まで勉強したものについての理解度をテストする。試験時間が50分とする。
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学ヌクレオチドの構造を説明できる。4後1,後2
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後3,後4
DNAの半保存的複製を説明できる。4後5,後6

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力301040
分野横断的能力101020