材料力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料力学Ⅲ
科目番号 0081 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 黒木剛司郎著 材料力学第3版 森北出版
担当教員 矢壁 正樹

到達目標

3,4年生で習得した材料力学ⅠおよびⅡを基礎として以下の事項を到達目標とする。
(1)不静定はりの解法について理解し、種々のはりに応用できること。
(2)三次元弾性体の応力、ひずみおよびそれらの間の関係式が理解されること。
(3)組み合わせはり、非対称曲げについて理解されること。
(4)薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力と変形について理解されること。
(5)カスチリアノの定理、相反定理について理解されること。
(6)オイラーの座屈荷重の解法が理解でき、種々の柱に応用できること
(7)弾性破壊の法則について理解されること。
(8)静定トラスの図式解法について理解されること。
以上、これらによって、機械設計の基礎学力が養成されること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1不静定はりの解法について理解し、説明できる。不静定はりの解法についてある程度理解し、説明できる。不静定はりの解法について理解し、説明できない。
評価項目2三次元弾性体の応力、ひずみおよびそれらの間の関係式を理解し、説明できる。三次元弾性体の応力、ひずみおよびそれらの間の関係式をある程度理解し、説明できる。三次元弾性体の応力、ひずみおよびそれらの間の関係式を理解し、説明できない。
評価項目3組み合わせはり、非対称曲げについて理解し、説明できる。組み合わせはり、非対称曲げについてある程度理解し、説明できる。組み合わせはり、非対称曲げについて理解し、説明できない。
評価項目4薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力と変形について理解し、説明できる。薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力と変形についてある程度理解し、説明できる。薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力と変形について理解し、説明できない。
評価項目5カスチリアノの定理、相反定理について理解し、説明できる。カスチリアノの定理、相反定理についてある程度理解し、説明できる。カスチリアノの定理、相反定理について理解し、説明できない。
評価項目6オイラーの座屈荷重の解法を理解し、説明できる。オイラーの座屈荷重の解法をある程度理解し、説明できる。オイラーの座屈荷重の解法を理解し、説明できない。
評価項目7弾性破壊の法則について理解し、説明できる。弾性破壊の法則についてある程度理解し、説明できる。弾性破壊の法則について理解し、説明できない。
評価項目8静定トラスの図式解法について理解し説明できる。静定トラスの図式解法についてある程度理解し説明できる。静定トラスの図式解法について理解し説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3、4年で修得した材料力学1,2の基礎のうえに、より複雑な問題に取り組む。不静定問題、不安定現象を示す座屈の問題、厚肉円筒および回転円盤の応力,実際の設計に際して問題となる応力集中について取扱う。また、3年次の単軸応力、4年次の二軸応力について復習し、三次元弾性体についての理論を学び、その応用として、破壊の法則、軸対象問題についても議論する。本授業は、機械工学の基礎力を養う。
授業の進め方・方法:
教科書を基にして講義を進め,進捗状況に応じて演習を行なう。また,次のような自学自習を60時間以上行なうこと。
(1) 授業内容を理解するため,予め用意した教科書で予習する。
(2) 授業内容の理解を深めるため,復習を行なう。
(3) 適宜,課題を与えるので,レポートを作成する。
(4) 定期試験の準備を行なう。
注意点:
3,4年生次に習得した材料力学1および2の基礎知識はあるものとして授業を進める(復習は行うが)ので、十分な準備、復習が必要となる。選択科目ゆえ、少人数教育が期待される。したがって、学生諸君と一緒に授業を作り上げていくという姿勢で臨みたい。具体的には式の展開、理論の展開等、大いに学生諸君に説明してもらう機会を設けたい。疑問点、質問等あればその都度、研究室を訪ねること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 不静定問題の解法 不静定問題の解法について理解し,説明できる。
2週 不静定問題の解法・演習1 不静定問題の解法について程度理解し,説明できる。
3週 静定トラスの図式解法,同演習 静定トラスの図式解法について理解し,説明できる。
4週 組み合わせ応力・三次元応力 組み合わせ応力・三次元応力についてある程度理解し,説明できる。
5週 組み合わせ応力・三次元応力演習 組み合わせ応力・三次元応力について程度理解し,説明できる。
6週 薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力 薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力についてある程度理解し,説明できる。
7週 薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力 薄肉円筒、厚肉円筒および回転円盤の応力について理解し,説明できる。。
8週 前期中間試験 前期第7週までに学習した内容を理解する。
2ndQ
9週 カスチリアノの定理、相反定理 カスチリアノの定理、相反定理についてある程度理解し,説明できる。
10週 カスチリアノの定理、相反定理演習 カスチリアノの定理、相反定理についてある程度理解し,説明できる。
11週 組み合わせはり、非対称曲げ 組み合わせはり、非対称曲げついてある程度理解し,説明できる。
12週 組み合わせはり、非対称曲げ演習 組み合わせはり、非対称曲げついて理解し,説明できる。
13週 オイラーの座屈荷重 オイラーの座屈荷重について理解し,説明できる。
14週 座屈の実験公式演習 座屈の実験公式について理解し,説明できる。
15週 弾性破壊の法則 弾性破壊の法則について理解し,説明できる。
16週 前期期末試験 前期期末までに学習した内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力0000000
専門的能力50500000100
分野横断的能力0000000