構造計画

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 構造計画
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 寺本隆幸「建築構造の計画」森北出版、日本建築学会「構造用教材」技法堂
担当教員 稲田 祐二

到達目標

 建築構造計画の目標は、以下の事項とします。
(1)建築構造計画の流れを理解できる。
(2)建築物の各種構造種別を、使用されている建築構造材料の特性と関連づけて理解できる。
(3)建築物の各種構造形式を力学原理に基づいて理解できる。
(4)計画された建築空間に対して,最適な構造種別と構造形式を選択できる。
(5)過去の震害の概要と耐震設計の歴史を理解できる。
(6)耐震診断の概要と補強の方法の概要を理解できる。
(7)構造計画と最新の施工技術との関連を理解できる。
(8)建築構造に関するクレームの概要を理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)建築構造計画の流れをよく理解できている。建築構造計画の流れを理解できる。建築構造計画の流れを理解できない。
評価項目(2)建築物の各種構造種別を、使用されている建築構造材料の特性と関連づけてよく理解できている。建築物の各種構造種別を、使用されている建築構造材料の特性と関連づけて理解できている。建築物の各種構造種別を、使用されている建築構造材料の特性と関連づけて理解していない。
評価項目(3)建築物の各種構造形式を力学原理に基づいてよく理解している。建築物の各種構造形式を力学原理に基づいて理解している。建築物の各種構造形式を力学原理に基づいて理解していない。
評価項目(4)計画された建築空間に対して,適切に最適な構造種別と構造形式を選択できる。計画された建築空間に対して,最適な構造種別と構造形式を選択できる。計画された建築空間に対して,最適な構造種別と構造形式を選択できない。
評価項目(5)過去の震害の概要と耐震設計の歴史をよく理解している。過去の震害の概要と耐震設計の歴史を理解している。過去の震害の概要と耐震設計の歴史を理解していない。
評価項目(6)耐震診断の概要と補強の方法の概要をよく理解している。耐震診断の概要と補強の方法の概要を理解している。耐震診断の概要と補強の方法の概要を理解していない。
評価項目’(7)構造計画と最新の施工技術との関連をよく理解している。構造計画と最新の施工技術との関連を理解している。構造計画と最新の施工技術との関連を理解していない。
評価項目(8)建築構造に関するクレームの概要をよく理解している。建築構造に関するクレームの概要を理解している。建築構造に関するクレームの概要を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる
JABEE d07 説明 閉じる
JABEE d08 説明 閉じる
JABEE d15 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造計画を建築の企画、設計、完成、維持監理される過程の中でとらえ、その手法を学びます。特に,構造計算,構造設計のもとになる構造計画の重要性を学びます。また、建築計画、設備計画、施工計画との関連および建築コスト、クレームや事故との関連にも言及します。
この科目は企業で建築構造設計を担当していた教員が、その経験を活かし、建築構造物の構造計画について講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
 実例を多く紹介する座学を中心に進めますが、建物を見たときに、目に見えてない躯体はどうなっているのだろうか?どのようにして造ったのだろうか?なぜそのようになっているのか?・・・このような疑問を抱くのが先ず先決です。建築計画や施工の分野と関係する部分も多いので、関連を理解するよう心がけること。
 質問は、昼休みおよび会議の無い日の放課後(17:00まで)稲田研究室で受け付ける。また、メールでも随時受け付る(E-mail:inada@yonago-k.ac.jp)。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・シラバスを参照しテキストを用いて予習をする。
・授業終了後、テキストや配布資料を用いて復習する。
・授業で課題が出た場合、レポートを作成し提出する。
・定期試験に備えて自己学習をする。
注意点:
座学中心の授業であるが、関連する構造力学系の教科の理解が前提となる。理解が充分でない場合は、その都度復習することが肝要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 構造計画の流れ 建築構造計画の流れを理解できる.
2週 設計用荷重(1) 設計用荷重を理解できる.
3週 設計用荷重(2) 設計用荷重を理解できる.
4週 構造種別 建築構造種別を理解できる.
5週 構造形式 建築構造形式を理解できる.
6週 耐震設計の歴史 耐震設計の歴史が理解できる.
7週 構造設計手法 構造設計法の体系が理解できる.
8週 中間試験 到達度の確認
4thQ
9週 基礎構造 基礎構造の概要が理解できる.
10週 耐震構造・制振構造・免震構造 耐震構造・免震構造・制震構造が理解できる.
11週 既存建物の耐震性と耐震診断・改修・実例 既存建物の耐震性と耐震診断・改修が理解できる.
12週 構造計画からみた有名建築 建築構造家とその作品が理解できる.
13週 構造計画と建設技術,構造計画と施工計画,クレーム 構造計画と最新の関連技術,クレームとの関連を理解している.
14週 期末試験 到達度の確認.
15週 振返り(期末試験までの復習) 試験結果を踏まえ学習した内容について自らの課題を認識し修正する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。4
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。4
力の定義、単位、成分について説明できる。3
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。3
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。3
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3
木構造の特徴・構造形式について説明できる。3
木材の接合について説明できる。3
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。3
S造の特徴・構造形式について説明できる。3
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。3
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。3
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。3
曲げ材の設計の計算ができる。3
継手の設計・計算ができる。3
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3
溶接接合の種類と設計法について説明できる。3
仕口の設計方法について説明ができる。3
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。3
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。3
構造計算の設計ルートについて説明できる。4
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。4
断面内の応力の分布について説明できる。3
許容曲げモーメントを計算できる。3
主筋の算定ができる。3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3
中立軸の算定ができる。3
許容せん断力を計算できる。3
せん断補強筋の算定ができる。3
終局曲げモーメントについて説明できる。3
終局剪断力について説明できる。3
断面内の応力の分布について説明できる。3
許容曲げモーメントを計算できる。3
MNインターラクションカーブについて説明できる。3
主筋の算定ができる。3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3
中立軸の算定ができる。3
許容せん断力を計算できる。3
せん断補強筋の算定ができる。3
終局曲げモーメントについて説明できる。3
終局剪断力について説明できる。3
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。3
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。3
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。4
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。4

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力4001000050
専門的能力4001000050
分野横断的能力0000000