建築構造設計演習

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 建築構造設計演習
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 建築学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 日本建築学会;鋼構造計算規準
担当教員 稲田 祐二

到達目標

 許容応力度計算法により構造物の構造設計・評価ができること。具体的には以下の目標を設定する。
1)設計用荷重を計算できる。
2)設計用応力を計算できる。
3)部材の設計・評価ができる。
4)接合部の設計・評価ができる。
5)基礎の設計・評価ができる。
6)構造図が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)設計用荷重を適切に 計算できる。設計用荷重を計算できる。設計用荷重を計算できない。
評価項目(2)設計用応力を適切に計算できる。設計用応力を計算できる。設計用応力を計算できない。
評価項目(3)部材の設計・評価が適切にできる。部材の設計・評価ができる。部材の設計・評価ができない。
評価項目(4)接合部の設計・評価が適切にできる。接合部の設計・評価ができる。接合部の設計・評価ができない。
評価項目(5)基礎の設計・評価が適切にできる。基礎の設計・評価ができる。基礎の設計・評価ができない。
評価項目(6)構造図が適切に理解できる。構造図が理解できる。構造図が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる
JABEE d1-d4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築構造系科目の集大成として建築構造物の構造設計・評価の演習を行う。構造計算は手計算による許容応力度法とし、1次設計を基本とする。また、計算・評価をするうえで建築構造図の読解も行う。
授業の進め方・方法:
 本科および専攻科の構造系科目で学習した事項を基礎として、鋼構造の建築構造物の構造設計・評価ができることを目標としている。従って、これまでに学習した内容を充分に復習し、理解しておくことが重要である。また、力学の基礎知識も重要なので、構造力学、構造計画、基礎構造、耐震構造論で学習した事項を復習しておくこと。日々の演習の積み上げが重要な教科である。
 本科目は、演習科目なので自学自習を30時間以上行うこと。
 自学自習時間は、授業内容に従い構造計算を実施すること。
 なお、質問は,昼休みおよび会議の無い日の放課後(17:00まで)稲田研究室で受け付ける.また,メールでも随時受け付ける(E-mail:inada@yonago-k.ac.jp)。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:課題説明/建物概要、設計方針概要、使用材料の許容応力度 設計用荷重を計算できる。
2週 伏図、架構図/仮定荷重 設計用荷重を計算できる。
3週 部材断面の読み取り/C,Mo,Qoの算定 設計用荷重を計算できる。
4週 風圧力の設定 設計用応力を計算できる。
5週 自重の設定 設計用応力を計算できる。
6週 風による応力の設定/地震時応力の設定 設計用応力を計算できる。
7週 応力図の設定 設計用応力を計算できる。
8週 断面算定 部材設計・評価ができる。
2ndQ
9週 断面算定 部材設計・評価ができる。
10週 断面算定 部材設計・評価ができる。
11週 接合部の算定 接合部設計・評価ができる。
12週 接合部の設定 接合部設計・評価ができる。
13週 基礎の算定 基礎設計・評価ができる。
14週 まとめ 計算結果から全体の設計・評価ができる。
15週 まとめ
課題提出
計算結果から全体の設計・評価ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。4
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。4
力の定義、単位、成分について説明できる。5
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。5
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。5
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。5
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。5
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。5
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。5
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。5
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。5
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。5
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。5
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。5
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。5
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。5
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。5
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。5
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。5
ラーメンやその種類について説明できる。5
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。5
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。5
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。5
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。5
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。5
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。5
木構造の特徴・構造形式について説明できる。4
木材の接合について説明できる。4
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。4
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。4
S造の特徴・構造形式について説明できる。4
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。4
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。4
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。4
曲げ材の設計の計算ができる。4
継手の設計・計算ができる。4
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。4
溶接接合の種類と設計法について説明できる。4
仕口の設計方法について説明ができる。4
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。4
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。5
構造計算の設計ルートについて説明できる。5
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。5
断面内の応力の分布について説明できる。5
許容曲げモーメントを計算できる。5
主筋の算定ができる。5
釣合い鉄筋比について説明ができる。5
中立軸の算定ができる。5
許容せん断力を計算できる。5
せん断補強筋の算定ができる。5
終局曲げモーメントについて説明できる。5
終局剪断力について説明できる。5
断面内の応力の分布について説明できる。5
許容曲げモーメントを計算できる。5
MNインターラクションカーブについて説明できる。5
主筋の算定ができる。5
釣合い鉄筋比について説明ができる。5
中立軸の算定ができる。5
許容せん断力を計算できる。5
せん断補強筋の算定ができる。5
終局曲げモーメントについて説明できる。5
終局剪断力について説明できる。5
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。4
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。5
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。4
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。4

評価割合

試験課題(計算書)課題(報告書)スケジュールポートフォリオその他合計
総合評価割合050401000100
基礎的能力0252050050
専門的能力0252050050
分野横断的能力0000000