概要:
電子回路は、微弱な信号の抽出・増幅・伝達に使われる半導体素子を組み込んだ回路のことであり、情報工学の電気電子通信システム分野に分類される科目の一つである。本科目では、半導体素子であるダイオードや接合型トランジスタ、電界効果型トランジスタやこれらを利用した基本的な増幅回路と、演算増幅器による基本的な増幅回路について習得する。
授業の進め方・方法:
授業は、Teamsで提供するオンデマンド教材による学習をベースに、不明点を受け付ける形をとる。
また、前の授業の理解度を確認するための小テストを実施する。テキストや自作のノート・プリントの持込みを認めるため、要点や重要な事項を整理しておくこと。
その他、Webを使った課題を提示し理解度を深める。Teamsでは、小テストや課題、追加の練習問題などの解答・解説を提供する。
授業中はもちろんのこと、休憩時間や放課後などで積極的に質問し、不明な箇所をそのままにしないこと。質問は、研究室への来室でもTeamsチャットでも構わない。
定期試験はTeamsで提示している内容しか出題しない。ただし、用語については問い方を変えたり、計算問題はパラメータを変えたりはする。また過去の問題も提示されているため参考にする。
注意点:
2年生までの数学、物理、電磁気学(回路理論)が基礎であり、習得していることが前提となる。
小テストについては、結果が芳しくないものは修正したものを受付け、加点する。
課題は、提出期限を過ぎると減点する。繰り返し取り組めるため、期限内に満点を取得してほしい。
成績評価は、4回の定期試験が70%、授業中の小テストが10%、課題20%の割合である。
なお、定期試験の再試験は行わない。小テストや課題に対して真摯に取組めば、成績が自ずと合格基準を超えるはずである。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、直流・交流の電圧・電流、電源、素子の表記 |
電圧・電流の定義と向きに応じた計算ができる。
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2週 |
直列・並列回路の計算、キルヒホッフの法則 |
分圧則・分流則など基礎理論やキルヒホッフの法則などの電気理論を説明・活用できる。
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3週 |
半導体とPN接合ダイオード |
半導体とPN接合ダイオードの構成や性質、特性・特徴などを説明できる。
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4週 |
ダイオードの近似特性と等価回路、ダイオードと直流回路 |
ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
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5週 |
トランジスタとバイポーラ・トランジスタ、バイポーラ・トランジスタの温度特性 |
トランジスタの種類について理解している。 バイポーラトランジスタの動作原理と温度特性について説明できる。
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6週 |
増幅回路の基礎 |
増幅回路の位置づけや等価回路について理解している。 電圧・電流・電力増幅度および利得、入出力インピーダンスについて理解している。
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7週 |
前期中間試験対策 |
基本的な電気理論を説明できる。 半導体やダイオード、バイポーラトランジスタの特徴を説明できる。 ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
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8週 |
前期中間試験 |
基本的な電気理論を説明できる。 半導体やダイオード、バイポーラトランジスタの特徴を説明できる。 ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
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2ndQ |
9週 |
試験返却・解答、直流等価回路と交流等価回路 |
試験を返却し解答を提示する。 直流および交流の等価回路変換について理解する。
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10週 |
バイポーラ・トランジスタのバイアス回路1 |
バイポーラトランジスタのバイアス回路の動作を説明し、バイアス値を計算することができる。
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11週 |
バイポーラ・トランジスタのバイアス回路2 |
バイポーラトランジスタのバイアス回路の動作を説明し、バイアス値を計算することができる。
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12週 |
エミッタ接地回路の動作点と負荷線 |
トランジスタによる増幅回路の動作量を特性図を活用し求めることができる。
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13週 |
hパラメータと等価回路、電流源の扱い |
等価回路を書き出し、利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。 電流源を電源とした回路の計算ができる。
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14週 |
前期期末試験対策 |
バイポーラトランジスタによる増幅回路について説明できる、バイアス回路の動作を説明でき、特性値や特性図を活用してバイアス値および増幅度の計算ができる。
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15週 |
前期期末試験 |
バイポーラトランジスタによる増幅回路について説明できる、バイアス回路の動作を説明でき、特性値や特性図を活用してバイアス値および増幅度の計算ができる。
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16週 |
試験返却・解答、等価回路による増幅回路の解析 |
試験を返却し解答を提示する。 等価回路をもとに、増幅度の計算ができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
増幅回路の周波数特性 |
増幅回路の周波数特性の基本事項を説明できる。
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2週 |
オペアンプの基礎 |
オペアンプ(演算増幅器)とその特徴について説明することができる。
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3週 |
オペアンプの基本回路1 |
オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
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4週 |
オペアンプの基本回路2 |
オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
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5週 |
オペアンプ回路と入出力信号 |
オペアンプの基本回路における入出力信号の関係について説明できる。
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6週 |
オペアンプ応用回路 |
オペアンプの基本回路にコンデンサを用いた微積分動作について説明、計算できる。
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7週 |
後期中間試験対策 |
バイポーラトランジスタの増幅回路について、等価回路をもとに増幅度や入出力インピーダンスなどを計算することができる。 オペアンプとその特徴について説明することができる。 オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
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8週 |
後期中間試験 |
バイポーラトランジスタの増幅回路について、等価回路をもとに増幅度や入出力インピーダンスなどを計算することができる。 オペアンプとその特徴について説明することができる。 オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
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4thQ |
9週 |
試験返却・解答、FETとFETの特性1 |
試験を返却し解答を提示する。 FETとその特性を説明できる。
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10週 |
FETとFETの特性2 |
FETとその特性を説明できる。
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11週 |
FETのバイアス回路 |
FETのバイアス回路の動作を説明し、バイアス値を計算することができる。
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12週 |
FET増幅回路の解析1 |
FETの特性や等価回路をもとに、動作量や利得などを計算することができる。
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13週 |
FET増幅回路の解析2 |
FETの特性や等価回路をもとに、動作量や利得などを計算することができる。
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14週 |
学年末試験対策 |
FETとその特性を説明できる。 FETの増幅回路について、バイアス回路の計算や等価回路による増幅度の計算などができる。
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15週 |
学年末試験 |
FETとその特性を説明できる。 FETの増幅回路について、バイアス回路の計算や等価回路による増幅度の計算などができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験を返却し解答を提示する。 1年間の総括を行う。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 2 | 前5,前6,前7,前8 |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 2 | 前9,前10,前13,前14,前15,前16,後4,後5,後6,後7,後8 |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 2 | 後9,後10,後13,後14,後15,後16 |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 2 | 前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後14,後15,後16 |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 2 | 前11,前12,前15,前16,後11,後12,後15,後16 |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 2 | |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 2 | |