コンピュータアーキテクチャⅡ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 コンピュータアーキテクチャⅡ
科目番号 0087 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合工学科(情報システムコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 コンピュータアーキテクチャ(坂井修一/コロナ社)、コンピュータの構成と設計(David Patterson 他/日経BP)
担当教員 井上 学,川戸 聡也

到達目標

1.コンピュータアーキテクチャにおける並列処理について理解し、説明することができる。
2.コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについて理解し、説明することができる。
3.ハードウェア記述言語による初歩的な回路設計について理解し、シミュレータやプログラマブルデバイスで動作検証することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータアーキテクチャにおける並列処理について理解し、説明することができる。コンピュータアーキテクチャにおける並列処理についておおむね理解し、説明することができる。コンピュータアーキテクチャにおける並列処理について理解しておらず、説明することができない。
評価項目2コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについて理解し、説明することができる。コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについておおむね理解し、説明することができる。コンピュータアーキテクチャにおけるプロセッサについて理解しておらず、説明することができない。
評価項目3ハードウェア記述言語による初歩的な回路設計について理解し、シミュレータやプログラマブルデバイスで動作検証することができる。ハードウェア記述言語による初歩的な回路設計について概ね理解し、シミュレータやプログラマブルデバイスで動作を確認することができる。ハードウェア記述言語による初歩的な回路設計について理解しておらず、シミュレータやプログラマブルデバイスで動作確認できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本科目は、本校の教育目標のうち「技術者としての基礎力」を養う科目であり、中間試験までの前半と中間試験後の後半で担当教員が異なるオムニバス形式により実施する。
 前半は、コンピュータにおける基本的な設計や構造(アーキテクチャ)について、並列処理と具体的なプロセッサ(CPU)を中心に学ぶ。
 後半は、ハードウェア記述言語(HDL)によるデジタル回路設計を行う。HDLとは、主にデジタル回路を設計するための言語で、旧来の回路図を描いた回路構成の表現方法を文章化したものである。文章化することで、回路構成や動作の把握、修正や仕様変更が容易になる。授業では、基本的な組み合わせ回路や順序回路の記述を題材にHDLでの表し方を学び、さらにシミュレーションやプログラマブルデバイスでの実機実装により設計した回路の動作確認を行う。座学で記述法のポイントを学び、その記述であらわす回路を演習にて設計・実装する。
授業の進め方・方法:
 前半の授業は講義を中心としつつ必要に応じて演習を行い、授業内容に関する課題を毎回提示する。また、以下のような自学自習を30時間以上行うこと。
 ・授業内容の理解を深めるため、予習や復習を行う。
 ・課題(レポート)に取り組む。
 ・定期試験の準備を行う。
 後半の授業はHDL演習となる。主な流れは、(1)プレゼンテーションツールでの説明、(2)例題の確認、(3)課題の記述・シミュレーション・実機検証、である。後述の自学自習時間に課題についてレポートにまとめ、追加課題に取り組むことで、理解を深めることができる。授業中はもちろんのこと、休憩時間や放課後などで積極的に質問し、不明な箇所をそのままにしないこと。質問は、研究室への来室でもTeamsチャットでも構わない。また、以下のような自学自習を30時間以上行うこと。
 ・前述の課題に取り組み、レポートにまとめる。
 ・追加で提示した課題のHDLを作成しシミュレーションにて動作確認する。
 ・授業内容をTeams上の資料で復習し、理解を深める。
 ・Teamsで提示される模擬問題なども活用して定期試験に向けた準備を行う。
注意点:
 前半では必ず教科書およびポータブルSSD(Raspberry Piの起動用)を持参する。また、3年生のコンピュータアーキテクチャⅠおよび4年生前期の情報システム実験実習Ⅰの「アセンブリ言語プログラミング」で学んだ基礎知識があることを前提として授業を進める。
 後半は5年前期にある電子制御設計への橋渡しのため、この科目を履修する学生は本科目を修得することを勧める。また、2・3年生のデジタル回路で習得した要素や回路が主題であり、その基礎知識があることが前提で授業を進める。
 成績評価は前半と後半で全体評価の50%ずつを担い、どちらも内訳は試験40%(全体の20%)、レポート60%(全体の30%)である。定期試験の再試験は行わない。課題は提出期限を厳守すること。課題に真摯に取組み模擬問題を活用して試験に取り組めば、自ずと結果が伴うはずである。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 全体および前半のガイダンス
コンピュータアーキテクチャの復習
授業の全体および前半の概要(シラバスの記載内容)を理解できる。
コンピュータアーキテクチャの基礎知識について復習し、理解および説明できる。
2週 コンピュータアーキテクチャにおける並列処理 コンピュータアーキテクチャにおける並列処理について理解し、説明できる。
3週 コンピュータアーキテクチャにおける並列処理 コンピュータアーキテクチャにおける並列処理について理解し、説明できる。
4週 コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサ コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについて理解し、説明できる。
5週 コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサ コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについて理解し、説明できる。
6週 コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサ コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについて理解し、説明できる。
7週 コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサ コンピュータアーキテクチャにおける具体的なプロセッサについて理解し、説明できる。
8週 中間試験 コンピュータアーキテクチャにおける並列処理と具体的なプロセッサについて理解しており、関連した問題に対応できる。
4thQ
9週 中間試験まで(前半)の復習
後半のガイダンス
中間試験(前半)までに学んだ内容について、自らの課題を認識および修正できる。
授業の後半の概要(シラバスの記載内容)を理解できる。
10週 HDLシミュレータおよび論理合成・実装ツールの導入と簡単な組み合わせ回路を題材にした動作確認 簡単な組合せ回路の記述方法を理解し、シミュレーションおよび実機にて動作確認できる。
11週 組合せ回路の設計・実装1 組合せ回路の記述方法を理解し、シミュレーションおよび実機にて動作確認できる。
12週 組合せ回路の設計・実装2 組合せ回路の記述方法を理解し、シミュレーションおよび実機にて動作確認できる。
13週 順序回路の設計・実装1 順序回路の記述方法を理解し、シミュレーションおよび実機にて動作確認できる。
14週 順序回路の設計・実装2 順序回路の記述方法を理解し、シミュレーションおよび実機にて動作確認できる。
15週 期末試験 組合せ回路や順序回路の基本的な記述について理解しており、関連した問題に対応できる。
16週 応用回路の設計・実装 応用回路を記述しシミュレーションおよび実機にて動作確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。3
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40000060100
基礎的能力0000000
専門的能力40000060100
分野横断的能力0000000