到達目標
1. 電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解に役立てられる
2. 金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を説明できる
3. 情報システムに使用されている電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性を説明できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解に十分役立てられる | 電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解にある程度役立てられる | 電子デバイス材料を構成する電子や原子などの基本的性質を学び、金属や半導体の物性の理解に役立てられない |
評価項目2 | 金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を十分説明できる | 金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理をある程度説明できる | 金属や半導体の物性の理解を基に、pn接合、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を説明できない |
評価項目3 | 電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性を十分説明できる | 電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性をある程度説明できる | 電子制御工学における電子デバイスの位置づけを確認し、科目を学ぶ意義・重要性を説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
「電子デバイス」では、もはや我々の生活になくてはならないトランジスタ、発光ダイオードや太陽電池などの半導体部品内部において電子などの電気伝導の担い手がどのように振る舞うか、それによって半導体部品の各機能がどのように発現しているのかを学ぶ。本授業はあらゆる情報システムに用いられているコンピューターの基本素子であるトランジスタや光通信用半導体に用いられている半導体レーザーに関連するpn接合ダイオードの動作原理を理解するためにある。
本科目で扱う内容は主に物理I、II、化学I、II、微分積分、電磁気学I、電子回路の基礎の上に成り立っており、受講初期段階において各科目を習熟していることが期待される。また、応用物理II(電子物理)については本授業と先行あるいは並行して学ぶ内容となるので、本授業でその基礎的内容を含めて扱う。
授業の進め方・方法:
・おもにスライドによる授業を行う。スライドを印刷した講義プリントを配布する。
・授業中は質問を投げかけながら授業を進める。
分からない場合も勇気を出して“分からない”と発言し、分からない点を自覚してほしい。
分からないことが何なのか分かったことは大きな前進なので、すぐにでも復習に取りかかるべきである。
・学習内容における重要点(試験に出題する内容)は授業中にその都度強調するので、メモなどしっかり取って復習に役立ててほしい。
また,次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・授業内容を理解するため、予め配布したプリントや教科書で予習する
・授業内容の理解を深めるため、復習を行う
・課題を与えるので、レポートを作成する
・定期試験の準備を行う
質問は随時受け付けるので、ノートと教科書を持って質問しに来ること。
なお、事前にコンタクトしておくと良い。
注意点:
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業のガイダンス、電子デバイスを学ぶ意義の確認、電子・原子の基本的性質、電子のエネルギー準位 |
授業のガイダンスを受け、電子デバイスを学ぶ意義の確認ができる。また、電子・原子の基本的性質、電子のエネルギー準位を説明できる
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2週 |
電子デバイスに関係する元素とその電子配置、パウリの排他律 |
電子デバイスに関係する元素とその電子配置、パウリの排他律を説明できる
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3週 |
結晶、エネルギーバンドの形成、金属・半導体・絶縁体のエネルギーバンド構造の違い |
結晶、エネルギーバンドの形成、金属・半導体・絶縁体のエネルギーバンド構造の違いを説明できる
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4週 |
半導体のキャリア、真性半導体、外因性(不純物)半導体と電気伝導 |
半導体のキャリア、真性半導体、外因性(不純物)半導体と電気伝導を説明できる
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5週 |
キャリア密度とフェルミ準位、状態密度とフェルミ・ディラック分布関数 |
キャリア密度とフェルミ準位、状態密度とフェルミ・ディラック分布関数を説明できる
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6週 |
電気伝導、移動度、導電率、抵抗率、半導体におけるオームの法則 |
電気伝導、移動度、導電率、抵抗率、半導体におけるオームの法則を説明できる
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7週 |
中間試験 |
到達目標の自己確認ができる
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8週 |
接合について、pn接合の電気的役割(整流)、構造 |
接合について、pn接合の電気的役割(整流)、構造を説明できる
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4thQ |
9週 |
pn接合の動作原理とエネルギーバンド図 |
pn接合の動作原理とエネルギーバンド図を説明できる
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10週 |
電流ー電圧特性、バイアスの極性と電流の大きさ |
電流ー電圧特性、バイアスの極性と電流の大きさを説明できる
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11週 |
バイポーラトランジスタの歴史、バイポーラトランジスタの電気的役割(増幅)、構造 |
バイポーラトランジスタの歴史、バイポーラトランジスタの電気的役割(増幅)、構造を説明できる
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12週 |
バイポーラトランジスタの動作原理、静特性 |
バイポーラトランジスタの動作原理、静特性を説明できる
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13週 |
電界効果トランジスタの歴史、電界効果トランジスタの電気的役割(増幅)、構造 |
電界効果トランジスタの歴史、電界効果トランジスタの電気的役割(増幅)、構造を説明できる
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14週 |
電界効果トランジスタの動作原理、静特性 |
電界効果トランジスタの動作原理、静特性を説明できる
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15週 |
期末試験 |
到達目標の自己確認ができる
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16週 |
試験返却・講評・復習 |
到達目標の自己確認ができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 3 | 後2,後3,後8,後16 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後8,後16 |
原子の構造を説明できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後8,後16 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 3 | 後3,後4,後8,後16 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 後4,後5,後6,後8,後16 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 3 | 後7,後8,後16 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 3 | 後5,後8,後16 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 後4,後5,後8,後16 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後16 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 3 | 後12,後13,後16 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 3 | 後14,後15,後16 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |