到達目標
(1) 測定値の処理方法について理解する.
(2) SI単位と組立単位の成り立ちについて理解する.
(3) アナログ・ディジタルの違い,各形式への変換方法について理解する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 測定値の処理方法について正しく理解している. | 測定値の処理方法について理解している. | 測定値の処理方法について正しく理解していない. |
評価項目2 | SI単位と組立単位の成り立ちについて正しく理解している. | SI単位と組立単位の成り立ちについて理解している. | SI単位と組立単位の成り立ちについて理解していない. |
評価項目3 | アナログ・ディジタルの違い,各形式への変換方法について正しく理解している. | アナログ・ディジタルの違い,各形式への変換方法について理解している. | アナログ・ディジタルの違い,各形式への変換方法について理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
今日のハイテク技術は,電気・電子工学を利用した計測技術に負う所が大きい.計測が正しく行われなければ,思い通りの製品を作り出すことはできず,安全保証もできないためである.ゆえに,これらの技術の大切さや測定原理を技術者になろうとする学生は把握し,理解しておく必要がある.
本授業では主に,計測の意義や測定に用いられる誤差・精度の算出方法,雑音の種類,単位の成り立ち,およびアナログ・ディジタルの違いと変換方法について取り扱う.これらの単元を理解できるレベルにおいて,到達目標と評価を設定する.
授業の進め方・方法:
・到達目標(1)~(3)は中間試験と期末試験で評価する.
・評価の割合は,中間試験(50 %),期末試験(50 %)とし,60点以上(100点満点)を合格とする.再評価試験および追認試験は実施しない.
各回に対し,「最低でも」1時間の予習・復習を行うこと.
注意点:
授業は板書を書き写すためだけの時間ではない.教員の持つ話術の良い所を盗み取る時間であり,新しい内容をその場で理解できるようにするための聞く力を鍛える時間である.これらは受身で漠然と授業を受けるだけでは得られない.「自主性」を持ち,「主体的に学び取る」力を持つこと,これは自立した大人に成長する上で特に必要なことであると言える.
本授業は学習の自主性を尊重し,出席要件は無しにしているが,上記の力を得られるように全講義に出席することを要望する.
この分野に興味があり,本授業の内容を深めたい学生は,以下の本を読み,知識を深めるとよい.
(1) 岡野大祐, “教えて?わかった! 電気電子計測”, オーム社, 2011.
(2) 宮下收ら, “基本からわかる 電気電子計測講義ノート”, オーム社, 2015.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
計測の意義と測定法(pp.1-6) |
計測の意義,測定方法について理解する.
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2週 |
測定誤差,精度(pp.7-10) |
測定誤差,精度の定義について理解する.
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3週 |
測定データと測定誤差の統計的処理 / 利得(pp.11-15, 22-25) |
平均値,偏差平均,分散,標準偏差,ガウス分布,利得とデシベル表示について理解する.
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4週 |
最小二乗法(pp.15-19) |
測定値の処理法(最小二乗法)について理解する.
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5週 |
有効数字 / 雑音(pp.20-22, p.28) |
有効数字,デシベル表示について理解する.
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6週 |
雑音(pp.28-36) |
雑音の種類と雑音の統計処理について理解する.
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7週 |
学びあいの時間 |
学びあいを通して学習した内容を深める.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
SI単位と次元解析法(pp.38-40) |
SI単位系について,およびSI組立単位をSI単位系にする際に用いる次元解析法について理解する.
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10週 |
アナログ量の変換(pp.52-59) |
電圧・電流・周波数の変換について理解する.
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11週 |
ディジタル信号と通信(pp.61-66) |
アナログ信号とディジタル信号の違い,2進数,データ転送について理解する.
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12週 |
ディジタル信号と通信 / ディジタル変換(pp.61-67) |
水平垂直パリティ,標本化,量子化,符号化,標本化定理について理解する.
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13週 |
A / D,D / A変換(pp.67-72) |
アナログ量とディジタル量の変換方法について理解する
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14週 |
学びあいの時間 |
学びあいを通して学習した内容を深める.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 3 | |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 3 | |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 3 | |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 3 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 3 | |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 50 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |