電子制御基礎1

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子制御基礎1
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じて配布
担当教員 中西 大輔,外谷 昭洋

到達目標

・機械、電気・電子、情報の各工学分野の概要を通じて電子制御工学科の学習内容を把握できる
・工具の使用法を理解し安全に使用することができる
・論理的な記述により実験・実習内容を論述することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械、電気・電子、情報の各工学分野の概要を通じて電子制御工学科の学習内容を十分に把握する機械、電気・電子、情報の各工学分野の概要を通じて電子制御工学科の学習内容を把握する機械、電気・電子、情報の各工学分野の概要を通じて電子制御工学科の学習内容を把握できない
工具の使用法を十分に理解し安全に使用することが十分にできる工具の使用法を理解し安全に使用することができる工具の使用法を理解し安全に使用することができない
論理的な記述により実験・実習内容を論述することが十分にできる論理的な記述により実験・実習内容を論述することができる論理的な記述により実験・実習内容を論述することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D1 説明 閉じる
電子制御工学科教育目標 D1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子制御工学科は、もの造りに必要なエレクトロニクスやメカニズム,コンピュータの知識を幅広く学びそれらを制御系科目で統合する「総合的な学科」であることを理解しその学習へのスムーズな導入を目的とする.前期前半においては座学を中心に電子制御工学科を構成する工学領域を幅広く紹介する.前期後半から設計製図や実際のもの作りを行いながらエンジニアとしての心構えや問題解決能力の養成に努める.
高専と中学で最大の違いは「自ら学ぶ」姿勢が勉強に不可避であることにある.この授業を通して「高専での勉強」を充分に身につけてほしい.
授業の進め方・方法:
授業への取り組み姿勢(態度等)(10%)
製作物の動作状況(20%)
半田付け審査の成績(20%)
レポートの成績(50%)
を総合して評価する.無届け欠席,提出遅れ.未提出などに対しては大幅に減点するので注意すること.50点以上を合格とする.
注意点:
授業内容にはなじみ易い表現で講義内容が書かれているが,入学して初めての専門授業であるので気を抜かずに講義を受けること.実際にもの作りを主体に授業を行うので服装や持参物品の用意,作業後の清掃などエンジニアとしての心がけをしっかり身につけること.また作業時の注意事項など指導員からの情報を逃したりしないように注意を払い,疑問点は直ちに質問するなど基本的な授業への取り組み姿勢を身につけること.また,評価においてはレポートと成果(プログラムの動作状況や発表等)を重視するので主体的に取り組んでほしい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子制御工学科で学ぶこと
電子制御工学科で何を学んでいくのか、そして電子制御基礎でまず何を知っていくのかを学ぶ
2週 工具の扱い方
工作実習に際しての注意点、工具の扱い方に関する知識を学ぶ
3週 半田付けをしてみよう
電子回路では必須技術である半田付け作業の練習を行う。
4週 電子回路を組み立てるには?
テスターキットを利用して電子回路装置の組み立てについて学ぶ。ここでは製作に先立つ準備に関する注意点などについて学ぶ
5週 電子回路の組み立て方
テスターキットを実際に組み立てる。作業時に注意する点などについて学ぶ。
6週 電子回路の組み立て方
テスターキットを実際に組み立てる。作業時に注意する点などについて学ぶ。
7週 正しく組み立てられたか動作を確認しよう
組み立てたテスターが正しく動作するか確認を行う。またテスターの使用方法についても学ぶ。
8週 正しく組み立てられたか動作を確認しよう
組み立てたテスターが正しく動作するか確認を行う。またテスターの使用方法についても学ぶ。
2ndQ
9週 電気回路の試作と測定
ブレッドボードの使い方とLEDについて学ぶ
10週 電気回路の実験
LEDについて電気特性の測定実験を行う
11週 マイコン実験①
マイコンの使い方を学び、LEDの点滅実験を行う,複数のLEDの点滅について実験を行う
12週 プログラム演習①
発表会に向けてオリジナルのLED点滅プログラムを作る
13週 プログラム演習②
発表会に向けてオリジナルのLED点滅プログラムを作る
14週 プログラム発表会
作ったプログラムについて発表を行う
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御測定値の誤差、精度、不確かさ及び単位系などの計測の基礎を理解し、代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2前7
電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧、電力の関係を理解し、回路の計算に用いることができる。2前7
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、回路の計算ができる。2前7
キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、回路の電圧や電流、電力を計算できる。1前7
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2前4
情報系分野プログラミングプログラミングの基本的な構造を理解し、プログラムを記述できる。2前11
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。2前11
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測できる。2前11
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムを実行できる。2前11
ソフトウェアアルゴリズムの概念を理解し、与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。1前11
計算機工学整数・小数を二進数、十進数、十六進数で表現でき、それぞれの間で相互に変換できる。2前11
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2前11
分野別の工学実験・実習能力機械系分野(実験・実習能力)機械系分野(実験・実習能力)各種計測機器の使い方を理解し、計測できる。2前7
機械工学に関する実験を行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。2前3
電気・電子系分野(実験・実習能力)電気・電子系分野(実験・実習能力)実験装置・器具・情報機器等を利用して直流や交流の電気的特性を測定できる。2前7
実験装置・器具・情報機器等を安全に正しく利用できる。2前3
直流回路の電気諸量を測定し、結果を考察できる。2前4
マイコンやPCを用いた制御回路の使用法を習得する。2前9
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル他者の考えや主張を理解するために、相手を尊重し配慮する態度をとることができる。2前7
目的に応じた適切な方法で自分の考えや主張を伝えることができる。2前7
多様な他者との間で良好な人間関係を形成するための行動ができる。2前7
チームワークとリーダーシップチームワークとリーダーシップチーム活動において意見の相違や対立を踏まえて合意形成に向けて行動できる。2前7
チームの協働関係の形成、維持、向上を促すための行動ができる。2前7
チーム活動の目標共有を図り、目標達成に向けた行動を実践し、また、チームの協働を促進するための行動ができる。2前7
思考力思考力複合的な事象や出来事を分析できる。2前11
情報や主張を批判的に検証できる。2前11
情報や主張を説得的に提示するための方法を考えることができる。2前11
課題発見力・問題解決力課題発見力・問題解決力直面している事象や出来事を分析して、対応すべき問題を特定できる。2前3
現状を分析した上で、実現すべき理想との乖離(ギャップ)の中に含まれる課題を把握できる。2前3
問題の解決、理想の実現のために達成すべき目標を設定し、また、具体的な行動案を検討できる。2前3
基盤的資質・能力自己理解自己理解自分の経験や活動を振り返り、自分の考え方や価値観などを認知できる。2前3
自己理解に基づき必要な対応や行動を検討できる。2前3
主体性主体性自分が果たすべき役割や行動について認識できる。2前7
自分が果たすべき役割や行動を実践できる。2前7
自己管理と責任ある行動自己管理と責任ある行動自分に求められる役割や行動を把握し、確認できる。2前7
やるべきことを実行するための具体的行動や計画を考えることができる。2前7
自分に求められる役割や行動を実践し、その過程や結果の振り返りができる。2前7
倫理観倫理観自分の判断や行動、及びそれらがもたらす結果や影響について、倫理的観点から検討、評価できる。2前7
自分の判断や行動の基盤となる倫理観を振り返り、表現できる。2前7
キャリアデザインキャリアデザイン自分の体験や行動を振り返り、自分の特性や強みを把握できる。1前1
将来のキャリアについて計画を立てることができる。1前1
社会や環境、人々に対する影響などを踏まえた上で、専門職(エンジニアなど)に求められる役割について考えることができる。1前1
専門職(エンジニアなど)の業務内容について説明できる。1前1
様々な業種、職種、企業の社会的意義や責任について説明できる。1前1
継続的な学習と学びの目的継続的な学習と学びの目的学習状況、学習成果を把握し、それぞれの特性、必要、目的に応じて学習計画を考えることができる。2前3
主体的、継続的な学習の実現に向けて自分の学習活動や学習内容を点検し、改善を検討できる。2前3
創造性・デザイン能力創造性創造性専門分野以外の多様なものの捉え方や視点の重要性を認識し、受け入れることができる。1前1
多角的な視点から事象を分析し、対応すべき問題を定義できる。1前1
様々な知識を統合的に活用しながら、あらかじめ答えが与えられていない問題に対する解決方法を考えることができる。1前1
エンジニアリングデザイン能力エンジニアリングデザイン能力クライアントやユーザの要求や実装すべき機能などを把握し、工学的な要件として把握できる。2前11
種々の制約条件の下で、複数の解決方法について検討し、工学的視点から判断した最適解を提示できる。2前11
工学的問題解決方法を実現するためのプロセスを具体的に考え、進捗を把握しながら、実践できる。2前4

評価割合

取り組み態度動作状況半田付けレポート合計
総合評価割合10202050100
基礎的能力00000
専門的能力10202050100
分野横断的能力00000