環境・建設工学実験4

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 環境・建設工学実験4
科目番号 0058 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境・建設工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 環境工学実験指導書,水理実験指導書
担当教員 広瀬 望,武邊 勝道,荒尾 慎司,山口 剛士

到達目標

授業を通じて達成が期待される事項は,以下の通りである.
・水理学実験:水圧,流速,流量の基本的計測方法を知り,流れの様々な分類とその基本的特性について理解し,説明できる。(3-1,3-2)
・環境工学実験:水質分析,気象解析の手法の基礎を理解し,説明できる。(3-1,3-2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安環境工学実験では,簡単な水の化学分
評価項目1環境工学実験では,簡単な水の化学分析,室内環境計測を通じて環境工学の理解と水処理・建築環境の解析方法を正しく理解し、説明できる。環境工学実験では,簡単な水の化学分析,室内環境計測を通じて環境工学の理解と水処理・建築環境の解析方法を正しく理解し、説明できる。構造実験では土木構造物に関する力学上の現象や理論を,実験を通じて理解し、説明できない。
評価項目2水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,正しく理解し、説明できる。水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,理解し、説明できる。水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,理解し、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・構造実験、水理実験および環境工学実験により構成される。
・構造実験では土木構造物に関する力学上の現象や理論を,実験を通じて理解する。
・水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,より深い理解をうながす。
・環境工学実験では,簡単な水の化学分析,室内環境計測を通じて環境工学の理解と水処理・建築環境の解析方法を理解する。
 自らの手で実験器具を使用して現象を再現し,計測し,まとめて発表できる技術者の育成が求められており,本授業はこのような社会の要求に合致した内容と水準である.

授業の進め方・方法:
・原則として全ての出席および全てのレポートの提出をもって合格の必要条件とする.
・レポートの評価項目:未完成のレポートは再提出を要求し,提出期限に遅れたものは減点する。基本的な評価基準は以下に定めるが,実験項目毎に到達目標に従って項目を設定し評価を行う.
レポート(100%)で評価を行う.内訳は,構造実験 20%,水理学実験 40%,環境工学実験 40%(水質分析35%,微生物実験5%)とする.満点の60%以上を合格とする.
注意点:
1テーマのレポートの作成には,おおむね,1時間以上かかります.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①実験内容のガイダンス及び安全教育
②建設分野における情報セキュリティ教育
実験を行う上での注意事項を理解する.
2週 H4:常流と射流(1) H4:常流・射流:開水路内に堰を設置し,水路下流端のゲート操作により跳水を発生させることができる.
3週 H4:常流と射流(2) H4:堰の上流側と下流側で発生する常流と射流を比較し,それぞれの特性を理解する.
4週 H5:等流と不等流(1) H5:等流と不等流は,水の流れの重要な分類の一つである.流れには重力によって流下しようとする力と,流れに抵抗する水路の壁面からの力があり,この両者が釣り合った時に水深が一様になって等流が形成される.
5週 H5:等流と不等流(2) H5:不等流は,水路断面や勾配などに変化があって,等流と異なり水深や流速が変化する流れである.この流れの性質と平均流速公式をはじめとする公式 を理解する.
6週 H6:開水路の流速分布(1) H6:開水路における流速の鉛直・横断方向の流速分布曲線を描き,その特性を理解する.
7週 H6:開水路の流速分布(2)
H6:平均流速を算出し流量を求め,流れの流速分布を理解する.細長い造波水槽を使い,造波板を振動させて,波の波速,波長,周期,水粒子回転運動および水深との関係を調べる.理論式による計算と比較して,波の基本的特性を理解する.
8週 H7:管路 H7:路に置ける摩擦損失を計測し,基本原理を理解する.
2ndQ
9週 S5:CODの測定(1) S5:環境基準の一つである被酸化物質量を測定できる.
10週 S5:CODの測定(2) S5:環境基準の一つである被酸化物質量を測定できる
11週 S6:窒素濃度の比色分析(1) S6:富栄養化の原因物質である.硝酸性窒素,亜硝酸性窒素,アンモニア性窒素を吸光光度方で分析し,測定の原理を学び,水質の評価を行う.
12週 S7:イオンクロマトグラフィを用いた水質分析 S7:イオンクロマトグラフィを用いた測定の原理を理解する.
13週 S8:MgとCaのキレート滴定 S8:キレート滴定の原理を学び,それを用いてMgとCaを測定できる.
14週 S10:野外採水および水質分析 S10:野外の河川で実際に水理計測を行うとともに,採水し,持ち帰って,各班で選択した項目の水質分析を行う.
15週 S10:野外採水および水質分析 S10:野外の河川で実際に水理計測を行うとともに,採水し,持ち帰って,各班で選択した項目の水質分析を行う.
16週 レポート確認を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。3
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。3
環境騒音の発生源と現状について、説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。3
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。3
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合0100100
基礎的能力000
専門的能力0100100
分野横断的能力000