機械工学実験実習Ⅳ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械工学実験実習Ⅳ
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:別途配布する実験実習指導書  参考書:基礎及び関連科目の教科書,報告書作成の手引き(津山高専機械工学科)
担当教員 塩田 祐久,加藤 学

到達目標

学習目的:実験と解析を通じて機械工学の基礎技術の理解を深化させる。報告書を作成することにより,結果と考察を簡潔に表現,報告する能力を養う。

到達目標
◎実験及び解析結果を分析,整理でき,結果の精度を評価できる。
◎実験装置を理解し,実験の過程及び結果を説明できる。
◎必要な文献調査,考察が行え,適切かつ簡潔な報告書の作成が行える。
◎共同実験者との議論・協議による結論の導出,報告書作成および口頭試問等を通じてコミュニケーション能力を習得する。

ルーブリック

不可
評価項目1実験及び解析結果を分析,整理でき,結果の精度とともに総合的に評価できる.実験及び解析結果を分析,整理でき,結果の精度を評価できる.実験及び解析結果を分析,整理できる。左記に達していない。
評価項目2実験装置を理解し,実験の過程,結果及び考察を説明できる.実験装置を理解し,実験の過程及び結果を説明できる.実験装置を理解し,実験の過程及び結果の大部分を理解している。左記に達していない。
評価項目3必要な文献調査,考察が行 え, 適切かつ簡潔な報告書 の作成が自ら行える.必要な文献調査,考察が行 え,適切かつ簡潔な報告書 の作成ができる.必要な文献調査,考察が行 え,報告書の作成がほぼで きる.左記に達していない。
評価項目4共同実験者との議論・協議による結論の導出,報告書作成ができ,口頭試問等を通じてそれらを説明できる .指導教員に質問しながら結論の導出,報告書作成ができ,口頭試問等を通じてそれらを説明できる.指導教員に質問しながら結論の導出,報告書作成がほぼでき,口頭試問等を通じてそれらの大部分を説明できる.左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門  学習の分野:実験・実習

必修・履修・履修選択・選択の別:必修

基礎となる学問分野:工学/機械工学

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(3) 設計製図,実験・実習の体験的学習等を通じて,知識理解を深化させると同時に,実験の遂行能力,データの解析能力および考察能力を身につける」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-3:実験・実習をとおして,技術に関する基礎知識の理解を深めるとともに,関連した技能や手法を修得し,説明できること」であるが,付随的には「C-2,D-1,F-1」にも関与する。

授業の概要:本科目では,座学で学んだ専門科目の知識を実験的及び解析的に確認する。実験装置の準備・操作,データ収集・整理,解析・考察,討論,報告書の作成など,一連のプロセスを行い各テーマの内容を理解する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:クラスを4班に分け,4テーマ(工作実験,材料実験,電気工学実験,工学解析)を巡回して実施する。テーマごとに報告書の提出を課す。

成績評価方法:各テーマにおいて報告書(70%),口頭試問(30%)とし,4テーマの平均により成績評価を行う。ただし,全報告書の提出を必須とする。報告書の提出期限は特別の指示がない限り,各テーマが終了した2週間後とする。遅刻の成績への反映は,各テーマのガイダンスで説明する。
注意点:
履修上の注意:本科目は実技を主とする科目であるので,学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業の5分の1以下)・修得が必須である。

履修のアドバイス:座学による専門科目との関連を意識して実験実習に臨むこと。

基礎科目:工業材料(2年),機械工作法Ⅰ(2),工業力学(3),材料力学Ⅰ,Ⅱ(3),電気工学(3),機械工学実験実習Ⅰ~Ⅲ(1~3)

関連科目:機械工作法Ⅱ(4年),材料力学Ⅲ(4),電気磁気学(4),計測工学(5),機械工学実験実習Ⅴ(5),卒業研究(5)

受講上のアドバイス:実技を伴う科目であるので遅刻や欠課をしないこと。座学での学習内容と本科目の実験内容との関係を意識して,実験および報告書作成を行うこと。結果の記述のみで考察が不足する報告書は必ず再提出になるので,担当教員の中間チェックを受けること。報告書の提出期限を厳守すること。授業開始より10分を超えて遅刻した場合には欠課とする。
この科目の単位数は3単位である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス〔日程,心構え,注意事項など(全班共通)〕
2週 レポート作成の事前指導(全班共通) 実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。
3週 レポート作成の事前指導(全班共通) 実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。
4週 第1班の場合
【工学解析】
・片持ちはりの例題解析
応力とひずみを説明できる。
5週 ・両端固定はりの解析 曲げについて説明できる。
6週 ・分割したはりの解析 はりの曲げについて説明できる。
7週 ・材料力学の例題を選択し解析 はりの曲げについて説明できる。
8週 ・材料力学の例題を選択し解析 はりの曲げについて説明できる。
2ndQ
9週 ・レポート作成 応力とひずみを説明できる。
はりの曲げについて説明できる。
10週 インターンシップ、工場見学などの事前指導(全班共通)
11週 【工作実験】
・切削抵抗の測定
切削加工について説明できる。
工具について説明できる。
12週 ・工作機械の精度検査 切削加工について説明できる。
工具について説明できる。
13週 ・データ整理・レポート作成 切削加工について説明できる。
工具について説明できる。
14週 ・振動実験1 振動の基礎について説明できる。
15週 ・振動実験2 振動の基礎について説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 ・データ整理・レポート作成 振動の基礎について説明できる。
2週 【材料実験】
・たわみ試験のひずみ測定
金属材料の組織と力学特性について説明できる。
3週 ・たわみ試験のひずみ測定 金属材料の組織と力学特性について説明できる。
4週 ・データ整理・レポート作成 金属材料の組織と力学特性について説明できる。
5週 ・引張試験 金属材料の組織と力学特性について説明できる。
6週 ・衝撃試験 金属材料の組織と力学特性について説明できる。
7週 ・データ整理・レポート作成 金属材料の組織と力学特性について説明できる。
8週 【電気工学実験】
・リレーシーケンス制御
電気工学の基礎事項について説明できる。
4thQ
9週 ・メカトロラボ実験 電気工学の基礎事項について説明できる。
10週 ・データ整理・レポート作成 電気工学の基礎事項について説明できる。
11週 ・キルヒホッフの法則の検証 電気工学の基礎事項について説明できる。
12週 ・ホイートストンブリッジの組立と抵抗測定 電気工学の基礎事項について説明できる。
13週 ・データ整理・レポート作成 電気工学の基礎事項について説明できる。
14週 データ、レポートの整理(全班共通) 報告書をまとめることができる。
15週 データ、レポートの整理(全班共通) 報告書をまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9
応力とひずみを説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9
許容応力と安全率を説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4
塑性変形の起り方を説明できる。4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4前11,前12,前13,前14,前15
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4前11,前12,前13,前14,前15
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4前11,前12,前13,前14,前15
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4前11,前12,前13,前14,前15
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価自己評価報告書小テスト合計
総合評価割合30000700100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力30000700100