1. 道路計画にかかわる現状の分析と評価ができる
2. 道路計画案3ルートから経済性・社会的影響などを勘案して最適なルート選定ができる
3. 発表会において,道路計画の概要について効果的なプレゼンテーションができる
概要:
道路の計画から設計までの概略を演習形式で体験し,建設技術者に必要なエンジニアリングデザイン能力を養う科目である。道路建設において,自然環境を全く破壊せずに低コストで高規格の道路を計画することは困難であり,各種条件を把握した上で,実施可能な計画を立案して,地域住民や関連する事業者等に説明する必要がある。この演習では,実際に建設事業を行うことを想定して,少人数のチームで,実現可能なプロジェクトの計画を立案して,その計画案を図面に示すとともにパワーポイントによるプレゼンテーションにより,そのプロジェクトについて説明できるようにする。専門分野における持続可能な開発計画事例(道路の計画)にかかわる応用発展的事項に関する知識を身に付け,問題解決に活かすことができる。地域の特徴・道路のニーズを把握し,自然環境や周囲の住民等へ配慮した道路計画ができることをめざす。
この科目は,道路計画に関する実践的な演習形式で授業を行うものである。全16週のうち,6,9,11,13,14週を建設コンサルタントとして道路計画の実務経験を有する講師(大田)が演習指導を担当する。
授業の進め方・方法:
道路計画など関連する内容の講義をした後,6人程度のグループで道路の現状評価から計画・概略設計までを行う。本演習では,実務に近い内容での作業を通して,リーダーシップ,チーム内でのコミュニケーション,協調性,問題解決能力,計画的に作業をすすめる能力,成果の概要を説明する能力など,実際に仕事をするときに必要な様々な能力を身に付ける。
注意点:
高専5年間の学習の総仕上げとして,これまで学んできた科目等の知識をすべて使うとともに,実務で道路計画をする上でのバイブルである「道路構造令の解説と運用」の内容を確認しながら演習を進めます。
公務員を目指す学生はもちろん,民間企業へ就職する学生も道路計画・設計の概略を体験し,インフラ整備のプロジェクト全体の流れをつかむことは,有意義であると思います。
演習問題や概略設計図面の作成に必要ですので,各自,電卓・製図道具(製図用コンパス)・三角定規・三角スケールを持参すること。
新型コロナウイルスの影響により,授業内容を一部変更する可能性があります。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 等高線の性質とその利用について、説明できる。 | 4 | 前2,前8 |
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
環境 | 環境影響評価の目的を説明できる。 | 4 | 前1 |
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。 | 4 | 前1 |
計画 | 風景、景観と景観要素について、説明できる。 | 4 | |
都市の防災構造化を説明できる。 | 4 | |
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。 | 4 | 前1 |
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
製図 | 線と文字の種類を説明できる。 | 4 | 前7,前8 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 3 | |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 3 | |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 3 | |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | 前5 |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | 前5 |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | 前6 |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | 前7,前8 |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | 前9 |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |