知的財産権

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 知的財産権
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 阿部 忠人,大西 祥作,鈴木 厚行

到達目標

課題の把握と解決能力を身につけるとともに、知的財産権に関する基礎的な知識を習得して知的財産権の取得に必要な出願書類について簡単なものであれば作成できるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1知的財産権に関する深い考察が出来る知的財産権に関する基本的事項を説明できる知的財産権に関する基本的事項を説明できない
評価項目2発明に創出に必要な知的創造手法について自ら実践することが出来る発明に創出に必要な知的創造手法について助言を受けながら実践することが出来る発明に創出に必要な知的創造手法について全く実践することが出来ない
評価項目3自らのアイデアを発表し他人へ説明し聴衆の疑問を適切に解決することが出来る自らのアイデアを発表し他人へ説明することが出来る自らのアイデアを説明することが出来ない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 現代社会において益々重要度を増している知的財産権の創出と保護、そして活用の基礎について学習する。また、知的財産権の一つである特許権の保護客体となる発明の創出に必要な知的創造手法について実践的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
 毎回、講義と演習を行いながら学習を進めることを基本とする。また、3回に1度の頻度で学習シートにより講義内容を確認してもらうとともに、質問なども提出してもらい、コミュニケーションをとりながら学習を進める。さらに、与えられたテーマあるいは各自で考えたテーマに関して各自1つのアイディア(発明)を創出し、特許出願のための書類を作成する。
注意点:
中間試験の点数を30%、2回のプレゼンテーションレポートの点数を40%、演習プリント等の提出状況に基づく平常点を30%として総合的に評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 発明と特許 発明の定義を知ると同時に、身近な発明品を例に挙げ、発明の考え方と発明を特許として保護するための要件について学ぶ。
2週 知的財産権について 日常の生活に関係する身近な知的財産権を例にしながら、知的財産権全般について、権利の種類、内容、特徴を学ぶ。
3週 発明と特許要件 発明を保護客体とする特許権の表現(特許請求の範囲の記載)とその効力について学ぶ。
4週 知的創造手法の基礎 発明を創出するための知的創造手法の種類と基礎を学ぶ。
5週 出願書類の書き方 自分の発明を文章と図面で表現する方法を学ぶ。
6週 知的創造手法の実践(1) 発明創出プロセスの基本を知り、システマティックツリーを利用してアイデアから発明を創出する手法を学ぶ。また、KJ法を知り、KJ法を利用してアイデアから発明を創出する手法を学ぶ。
7週 知的創造手法の実践(2) 発明の展開手法を知り、発明展開のためのサポートテーブルを利用して発明を展開する手法を学ぶ。
8週 中間試験 知的財産権に関する基本的事項の確認
4thQ
9週 知的創造手法の実践(3) プレゼンテーションの資料を作成する。
10週 知的創造手法の実践(4) 演習テーマについてグループプレゼンテーションを行う。
11週 発明の進歩性と創造性(基礎と演習) 特許庁の審査における進歩性欠如とされた拒絶理由通知に対し反論することで進歩性の意味と創造性について学ぶ。
12週 発明の進歩性と創造性(演習) 実際の拒絶理由通知を題材に進歩性欠如について反論するためのストーリーを検討し、意見書を作成することで発明の創造性を表現する。
13週 特許権の抵触と侵害事件(基礎) 特許権の抵触に関する基本的な理論を知り、侵害事件に関する判例を題材にして抵触に関する理解を深める。
14週 権利の活用 自分の発明が権利化できたものと想定して、その特許発明を事業化することを考える。
15週 特許権の抵触と侵害事件(演習) 実際の侵害事件を題材に特許権の抵触性について判断する。
16週 演習テーマに対するプレゼンテーション 進歩性又は抵触性に関する演習テーマについてグループプレゼンテーションを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3

評価割合

中間試験プレゼン1プレゼン2演習プリント等平常点合計
総合評価割合30202030100
基礎的能力3000030
専門的能力0003030
分野横断的能力02020040