概要:
熱を動力に変換することによって人類は巨大な工業社会を形成し、生活を豊かにしてきた。熱力学の講義では、熱・動力変換装置としてのサイクルやその変換効率を学ぶことを主たる目的とする。まず熱や仕事に関する基礎概念やエネルギー保存則を学び、次に完全ガスをはじめとする作動物質の性質と状態変化を学び、サイクルの熱効率の導き方を学ぶ。次に工業的に重要な蒸気と蒸気サイクルについて学ぶ。さらにエントロピー概念とエクセルギー概念からエネルギーの有効利用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
各授業の初めに、その講義の概要の簡単な説明を行った後60分程度の講義を行い、20分程度で関連する問題の演習などを学習シートとして行う。また自学自習として，各講義で学習した範囲についてテキストの章末演習問題を60分程度かけて解き提出してもらう。
注意点:
その内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。
総合評価(100%)＝各テスト評価(40%)＋学習シート演習評価(32%)＋教科書章末問題レポート評価(28%)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 前期 |
| 1stQ |
| 1週 |
熱力学で用いる物理量(1) |
熱学的概念である温度、熱量、様々な状態量について理解し、˚C→Kなどの温度が換算できる。（学習シート01）
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| 2週 |
熱力学で用いる物理量(2) |
熱学的概念である比熱、顕熱・潜熱について理解し、熱平衡計算が出来る。（学習シート02）
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| 3週 |
熱力学で用いる物理量(3) |
圧力と絶対仕事，工業仕事について理解し、絶対仕事と工業仕事が計算できる。（学習シート03）
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| 4週 |
熱力学の第一法則(1) |
熱力学の第一法則の概念について理解し、エネルギ保存の計算が出来る。学習シート04）
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| 5週 |
熱力学の第一法則(2) |
熱力学の第一法則の基礎式について理解し、熱量と仕事量の計算が出来る。（学習シート05）
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| 6週 |
熱力学の第一法則(3) |
流れを伴う場合の熱力学の第一法則をエンタルピを用いて理解し、エンタルピの計算が出来る。（学習シート06）
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| 7週 |
熱力学の第一法則(4) |
熱力学の第一法則を学ぶことによって解くことのできる様々な演習問題を解くことができる。（学習シート07）
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| 8週 |
前期中間試験 |
熱力学で用いる物理量、熱力学の第一法則に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義内容の理解度を確認する。なお、年間行事の関係で授業中に実施することもある。
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| 2ndQ |
| 9週 |
完全ガスの持つ性質(1) |
完全ガスと実在ガス、および完全ガスの状態方程式について理解し、モルの計算ができる。（学習シート08）
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| 10週 |
完全ガスの持つ性質(2) |
ガスの比熱，混合ガスの分圧について理解し、混合ガスの容積などが計算できる。（学習シート09）
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| 11週 |
完全ガスの持つ性質(3) |
気体の分子運動論について理解し、ガスの圧力やぶんし速度が計算できる。（学習シート10）
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| 12週 |
完全ガスの状態変化(1) |
等圧変化、等容変化、等温変化について理解し、熱の出入り量や仕事量が計算できる。（学習シート11）
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| 13週 |
完全ガスの状態変化(2) |
断熱変化、ポリトロープ変化について理解し、熱の出入り量や仕事量が計算できる。（学習シート12）
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| 14週 |
完全ガスの状態変化(3) |
各状態変化の組み合わせを行うことによる装置の動作について理解し、仕事量などが計算できる。（学習シート13）
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| 15週 |
熱力学の第一法則と完全ガスの状態変化 |
ガスのする仕事と熱の出入りの関係を熱力学の第一法則と完全ガスの性質，状態変化から理解し、様々な値の計算ができる。（学習シート14）
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| 16週 |
前期末試験 |
完全ガスの持つ性質完全ガスの状態変化、熱力学の第二法則に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義内容の理解度を確認する。
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| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
熱力学の第二法則(1) |
熱力学の第二法則、永久機関について理解し、その説明ができる。（学習シート15）
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| 2週 |
熱力学の第二法則(2) |
サイクルと熱効率、カルノーサイクルについて理解し、その熱効率が計算できる。（学習シート16）
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| 3週 |
熱力学の第二法則(3) |
熱力学的温度とエントロピについて理解し、熱現象におけるエントロピの計算ができる。（学習シート17）
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| 4週 |
熱力学の第二法則(4) |
完全ガスの状態変化とエントロピの増減の関係について理解し、状態変化時のエントロピ変化量を計算できる。（学習シート18）
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| 5週 |
熱力学の第二法則(5) |
エクセルギとアネルギについて理解し、それぞれの値が計算できる。（学習シート19）
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| 6週 |
蒸気(1) |
水の状態変化について理解し臨界などの現象を説明できる。（学習シート20）
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| 7週 |
蒸気(2) |
湿り飽和蒸気について理解し、かわき度などが計算できる。（学習シート21）
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| 8週 |
後期中間試験 |
熱力学の第二法則および蒸気の特性に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義の理解度を確認する。
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| 4thQ |
| 9週 |
蒸気(3) |
蒸気表とその使い方について理解し、蒸気表を使って各状態量の計算ができる。（学習シート22）
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| 10週 |
蒸気(4) |
蒸気線図とその見方について理解し、蒸気線図を使ってかく状態量を見つけることができる。（学習シート23）
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| 11週 |
蒸気機関サイクル |
蒸気を動作流体としたランキンサイクルについて理解し、その熱効率が計算できる。（学習シート24）
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| 12週 |
冷凍サイクル(1) |
冷凍サイクルや熱ポンプの性能に関する指標である成績係数について理解し、各機関の成績係数が計算できる。（学習シート25）
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| 13週 |
冷凍サイクル(2) |
冷凍サイクルや熱ポンプで用いる動作流体である冷媒について理解し、環境問題の観点などから説明できる。（学習シート26）
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| 14週 |
湿り空気 |
大気における，温度と湿度の関係について理解し相対湿度や全体湿度の計算ができる。（学習シート27）
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| 15週 |
後期末試験 |
蒸気機関、冷凍サイクル、エネルギ変換に関する語句説明問題、計算問題を出題しこれまで行った講義の理解度を確認する。
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| 16週 |
まとめ |
この1年間で学修した内容について確認を行う。
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| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 4 | |
| 閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 4 | |
| 熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | |
| 閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
| 閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 4 | |
| 理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 4 | |
| 定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 4 | |
| 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | |
| 等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | |
| 熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | |
| サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | |
| カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | |
| エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | |
| サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | |