機械設計論Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械設計論Ⅰ
科目番号 0114 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 専門基礎ライブラリー「機械設計」(実教出版)
担当教員 西村 太志

到達目標

機械電気工学分野の基礎となる基本的素養を身につけるため、
1.機械設計の基礎を理解し、説明できる。
2.材料に作用する力を理解し、部材に生じる応力が計算できる。
3.機械要素の種類と用途を理解し、設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
設計の基礎機械設計の基礎を完全に理解し、確実に説明できる。機械設計の基礎を理解し、説明できる。機械設計の基礎を理解できず、説明できない。
力と応力部材に生じる応力を完全に計算できる。部材に生じる応力を計算できる。部材に生じる応力を計算できない。
機械要素の設計機械要素の種類と用途を完全に理解し、確実に設計ができる。機械要素の種類と用途を理解し、設計ができる。機械要素の種類と用途を理解できず、設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械設計は、機械工学の知識を活用して新しい機械製品を創りだす活動として重要であり、設計目標を達成する解を見出し、それが正しく機能することを確認する一連の知的作業である。本科目では機構、材料、加工法を始めとする工学の基礎を総合して機械設計の基本的な考え方を理解することをめざす。
授業の進め方・方法:
授業はおおむね教科書に沿って講義形式で進めるが、教科書だけでは説明不足の箇所に関しては適宜プリントを配布して説明するので、各自で確認すること。
注意点:
この科目は学修単位科目のため、以下のような自学自修を行う必要がある。
 事前学習として教科書の該当ページの予習 毎回30分(計12時間)
 事後学習として、理解不足として指摘した箇所の復習 毎回30分(計12時間)
 レポート作成 3時間×2回(計6時間)
最終成績=(前期中間+前期末+後期中間+後期末)/4×0.8+前期課題(10点満点)+後期課題(10点満点)
新型コロナウイルス感染症の影響により、評価方法を以下のように変更した。
最終成績=各授業における課題の平均(70%)+定期試験(30%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーションおよび機械設計の基礎 機械設計論を学ぶ目的を理解し、機械設計の基本的な立場が説明できる。
2週 標準規格
【事前・事後学習(各30分)】 教科書8〜13ページ
標準規格の必要性を説明できる。
3週 サイズ公差、幾何公差および表面性状
【事前・事後学習(各30分)】 教科書14〜26ページ
サイズ公差、幾何公差、表面性状の意味を説明できる。
4週 材料と加工法
【事前・事後学習(各30分)】 教科書28〜47ページ
代表的な機械材料および機械加工について説明できる。
5週 材料に作用する力および材料の引張・圧縮強さ、曲げ強さ
【事前・事後学習(各30分)】 教科書76〜82ページ
材料に加わる荷重の種類を説明でき、部材に生じる引張、圧縮応力が計算できる。
6週 材料の曲げ強さ
【事前・事後学習(各30分)】 教科書83〜96ページ
部材に生じる曲げ応力が計算できる。
7週 材料のねじり強さおよび材料の破壊と強さ
【事前・事後学習(各30分)】 教科書96〜105ページ
部材に生じるねじり応力が計算でき、許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。
8週 中間試験 前期中間までに学習した基本的な事項が理解できているか確認できる。
2ndQ
9週 前期課題
【レポート作成3時間】
リスク低減のための安全設計を理解し、レポートにまとめることができる。
10週 ねじの種類と基本およびねじの力学
【事前・事後学習(各30分)】 教科書107〜116ページ
ねじの種類、特徴、用途、規格を理解し、ねじに働く力や強度が計算できる。
11週 締結用機械要素
【事前・事後学習(各30分)】 教科書117〜135ページ
ボルトナット、リベット継手の種類と用途を理解し、強度計算ができる。
12週 軸1
【事前・事後学習(各30分)】 教科書136〜146ページ
軸の種類と用途が説明できる。
13週 軸2
【事前・事後学習(各30分)】 教科書136〜146ページ
軸の設計法を理解し、軸の強度、変形、危険速度を計算できる。
14週 キー、ピン
【事前・事後学習(各30分)】 教科書146〜154ページ
キーとピンの種類と用途を理解し、キーの強度を計算できる。
15週 期末試験 前期末までに学習した基本的な事項が理解できているか確認できる。
16週 答案返却など
【前期課題(レポート作成3時間】
期末試験問題の解答と今後の対策について。
前期の復習として課題を課す。
後期
3rdQ
1週 軸継手
【事前・事後学習(各30分)】 教科書154〜159ページ
軸継手の種類と用途を理解し、軸継手の強度を計算できる。
2週 クラッチ
【事前・事後学習(各30分)】 教科書159〜161ページ
クラッチの原理と種類を理解し、クラッチの強度を計算できる。
3週 滑り軸受
【事前・事後学習(各30分)】 教科書163〜172ページ
軸受の基礎事項を理解し、滑り軸受の強度を計算できる。
4週 転がり軸受
【事前・事後学習(各30分)】 教科書172〜181ページ
転がり軸受の強度が計算でき、潤滑法を説明できる。
5週 歯車の基礎
【事前・事後学習(各30分)】 教科書183〜210ページ
歯車の種類および基礎事項が説明できる。
6週 平歯車の強さ
【事前・事後学習(各30分)】 教科書183〜210ページ
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。
7週 歯車列、歯車伝動装置
【事前・事後学習(各30分)】 教科書183〜210ページ
歯車列および歯車伝動装置の種類が説明でき、速度伝達比を計算できる。
8週 中間試験 後期中間までに学習した基本的な事項が理解できているか確認できる。
4thQ
9週 後期課題
【レポート作成3時間】
差動歯車装置の原理と用途を理解し、レポートにまとめることができる。
10週 平ベルト伝動
【事前・事後学習(各30分)】 教科書212〜219ページ
平ベルトの基礎事項を理解し、平ベルト伝動装置の設計ができる。
11週 Vベルト伝動
【事前・事後学習(各30分)】 教科書219〜221ページ
Vベルトの基礎事項を理解し、Vベルト伝動装置の設計ができる。
12週 歯付ベルト伝動
【事前・事後学習(各30分)】 教科書222〜223ページ
歯付ベルトの基礎事項を理解し、歯付ベルト伝動装置の設計ができる。
13週 チェーン伝動
【事前・事後学習(各30分)】 教科書223〜226ページ
チェーンの基礎事項を理解し、チェーン伝動装置の設計ができる。
14週 ブレーキ
【事前・事後学習(各30分)】 教科書232〜242ページ
ブレーキの原理と種類を理解し、ブレーキ容量の計算ができる。
15週 期末試験 後期末までに学習した基本的な事項が理解できているか確認できる。
16週 答案返却など 後期末試験の解答をする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4前2
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4前6
標準規格を機械設計に適用できる。4
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4前7
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4前8
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4前8
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4前10
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4前11
キーの強度を計算できる。4前12
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4前13
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4後1
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4後2
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4後3
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4後3
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4後3
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4後4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後5
力学周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前6
動力の意味を理解し、計算できる。4前6
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前5
応力とひずみを説明できる。4前5
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前5
許容応力と安全率を説明できる。4前5
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。3前6
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。3前6
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。3前6
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3前5
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3前5
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3前5
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3前5
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3前5
材料疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4

評価割合

定期試験各授業における課題合計
総合評価割合30700000100
基礎的能力0000000
専門的能力30700000100
分野横断的能力0000000