弾塑性論

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 弾塑性論
科目番号 0162 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 久池井茂ほか:「Professional Engineer Library 材料力学」(実教出版)
担当教員 西村 太志

到達目標

機械電気工学分野における設計能力を身につけるため、
1.軸荷重、曲げ、ねじりに対するひずみエネルギーを計算できる。
2.カスティリアノの定理を用いて基本的問題を解くことができる。
3.降伏条件を理解し、許容応力に基づいた強度計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ひずみエネルギーエネルギー原理による解法を理解し、軸荷重、曲げ、ねじりに対するひずみエネルギーを確実に求めることができる。軸荷重、曲げ、ねじりに対するひずみエネルギーを求めることができる。軸荷重、曲げ、ねじりに対するひずみエネルギーを求めることができない。
カスティリアノの定理カスティリアノの定理を適切に理解し、基本的な問題を確実に解くことができる。カスティリアノの定理を理解し、基本的な問題を解くことができる。カスティリアノが理解できず、基本的な問題を解くことができない。
降伏条件降伏条件を適切に理解し、許容応力に基づいた強度計算が確実にできる。降伏条件を理解し、許容応力に基づいた強度計算ができる。降伏条件を理解できず、許容応力に基づいた強度計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械や構造物は一般に三次元応力下にあり、作用応力が降伏点を越えると機能しなくなるものが多い。弾塑性論では、そのような複雑な応力下における弾性域の応力とひずみの関係ならびに降伏条件の定め方について、基本的な考え方を養う。
授業の進め方・方法:
コンピュータの発達により、複雑な計算も有限要素法などにより容易に解くことができるようになったことから、ここではくらいテリオンを理解し、問題を解く力を確実に身につけられるよう、ポイントを明確にした説明を行う。
注意点:
この科目は学修単位科目のため、以下のような自学自修を必要とする。
 事前・事後学習として教科書の該当ページの予習・復習 毎回各40分(計16時間)
最終成績=(中間試験+期末試験)/2
新型コロナウイルス感染症の影響により、評価方法を以下のように変更した。
最終成績=各授業における課題の平均(70%)+期末課題(30%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション及び材料力学の復習 弾塑性論を学ぶ目的を理解し、材料力学で学習した基本的な問題を解くことができる。
2週 ひずみエネルギー1
【事前・事後学習(各40分)】 教科書139〜142ページ
エネルギー原理による解法を理解し、引張圧縮及びせん断を受ける場合のひずみエネルギーが計算できる。
3週 ひずみエネルギー2
【事前・事後学習(各40分)】 教科書142〜146ページ
曲げ及びねじりを受ける場合のひずみエネルギーが計算できる。
4週 衝撃荷重による応力と変形
【事前・事後学習(各40分)】 教科書146〜148ページ
ひずみエネルギーを用いて、衝撃荷重を受ける軸やはりに生じる応力と変形を求めることができる。
5週 カスティリアノの定理
【事前・事後学習(各40分)】 教科書151〜156ページ
カスティリアノの定理を理解し、軸荷重、曲げ、ねじりを受ける部材の変位やたわみを求めることができる。
6週 カスティリアノの定理と応用1
【事前・事後学習(各40分)】 教科書156〜158ページ
カスティリアの定理を曲がりはりの問題に適用できる。
7週 カスティリアノの定理と応用2
【事前・事後学習(各40分)】 教科書158ページ
最小仕事の原理を理解し、カスティリアの定理を不静定問題に適用できる。
8週 中間試験 ひずみエネルギが計算でき、カスティリアノの定理が理解できているかを問う。
2ndQ
9週 相反定理
【事前・事後学習(各40分)】 教科書159〜160ページ
ひずみエネルギーが荷重の順序に無関係であり、最終の荷重状態により決まるという相反定理が理解できる。
10週 仮想仕事の原理
【事前・事後学習(各40分)】 教科書160〜161ページ
仮想変位に対して外力のなす仕事と仮想変位によるひずみエネルギーの変化が等しいという、仮想仕事の原理が理解できる。
11週 材料力学と設計基準
【事前・事後学習(各40分)】 教科書189〜191ページ
許容応力について理解し、単純応力の場合の強度計算ができる。
12週 降伏条件
【事前・事後学習(各40分)】 教科書192〜193ページ
最大主応力説、最大せん断応力説、せん断ひずみエネルギー説の降伏条件を説明できる。
13週 実用軸の強度設計1
【事前・事後学習(各40分)】 教科書193〜194ページ
曲げ、ねじり、軸力を受ける軸の組合せ応力を計算することができる。
14週 実用軸の強度設計2
【事前・事後学習(各40分)】 教科書195〜197ページ
動荷重を受ける軸のせん断方力、曲げ応力を計算することができる。
15週 期末試験
降伏条件を理解し、実用軸の強度計算ができるかを問う。
16週 答案返却など 試験問題を解説し、理解度の不十分なところを詳述する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前1
応力とひずみを説明できる。4前1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前1
許容応力と安全率を説明できる。4前1
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4前1,前3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前1
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前1
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前1
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前1
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前1,前3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前1,前3,前4,前5,前6
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4前1
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前1
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前1
多軸応力の意味を説明できる。4前10,前13
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前12
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4前3,前4,前5,前6,前8
工作降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4

評価割合

期末課題各授業での課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合30700000100
基礎的能力0000000
専門的能力30700000100
分野横断的能力0000000