電気数学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気数学
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報電子工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 柴田尚志著「電気回路I」コロナ社
担当教員 百田 正広

到達目標

複合分野の基礎となる基本的素養を身につけるため、回路計算の基礎となる複素数、フェーザ(ベクトル)についての基本的な知識を習得し、教科書の例題、練習問題、章末問題の回路計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フェーザ、複素数表示を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。フェーザ、複素数表示を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。フェーザ、複素数表示を説明できない。
評価項目2抵抗R、コイルL、コンデンサCにおける電圧と電流の関係を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。抵抗R、コイルL、コンデンサCにおける電圧と電流の関係を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。抵抗R、コイルL、コンデンサCにおける電圧と電流の関係を説明できない。
評価項目3交流電力と力率を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。交流電力と力率を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。交流電力と力率を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
交流回路を解析するのに必要な基礎電気数学を学ぶ。まず、三角関数を用いた方法、フェーザ(ベクトル)を用いた計算法を理解する。その後、複素数を用いると、電圧や電流の大きさと位相関係が同時に求まり、複雑な回路計算を容易に表すことができることを目標とする。
授業の進め方・方法:
座学の講義が主体であるが、演習問題による復習が成されていることを前提に講義を進める。学習シートにより、学習した事柄に関して理解度を確認する。
注意点:
回路系の科目の基礎であるので、回路系科目の全てが関連科目となる。授業の進み具合によって計画が多少前後する。
成績評価式=((後期中間試験+後期末試験)÷2)×0.9+課題(10点)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 直流回路の復習 直流回路の復習
2週 三角関数とフェーザ 三角関数、正弦波交流、直交座標とフェーザの関係を説明できる。
3週 複素数の表し方と四則演算 複素数の計算ができる。
4週 複素数の指数関数表示 複素平面、三角関数表示、極座標表示の互いの関係について説明でき、計算ができる。
5週 演習 複素数の四則演算、指数関数表示に関する演習問題の計算ができる。
6週 回路における複素数の意味 複素数を利用した位相の関係について説明できる。
7週 インピーダンスの複素数計算 複素インピーダンスの概念を、抵抗R、コイルL、コンデンサCの回路で説明でき、計算ができる。
8週 中間試験 指定範囲において、理解度が確認できる。
4thQ
9週 RLC直列回路の複素数計算 直列回路においてのインピーダンス、電圧、電流の計算ができる。
10週 RLC並列回路の複素数計算 並列回路においてのインピーダンス、電圧、電流の計算ができる。
11週 演習 直列・並列回路の複素数計算ができる。
12週 交流電力の複素数表示 直流電力の復習後、瞬時、有効、皮相、無効電力、力率について説明でき、計算ができる。
13週 複雑な回路での複素数計算 複雑な直並列回路においても複素数を利用して回路計算ができる。
14週 演習 複雑な回路計算ができる。
15週 期末試験 指定範囲について、理解度が確認できる。
16週 答案返却など 試験の解答、解説から、再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3後1
分数式の加減乗除の計算ができる。3後1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3後3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3後3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3後4
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後5
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後5
角を弧度法で表現することができる。3後2
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後12
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3後2
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後2
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3後2
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後2
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後5
自然科学物理電気クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3後2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後1
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3後1
ジュール熱や電力を求めることができる。3後12
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3後1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3後1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3後1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3後1
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3後1
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3後12
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3後2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後9,後10,後11
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4後14
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4後5
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4後7
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3後14
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3後9,後10,後11
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後9,後10,後11
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後12
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3後13,後14
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3後14
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3後14
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3後14

評価割合

試験(90%)課題(10%)相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力4010000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000