知的財産論

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 知的財産論
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 小川勝男ほか:「技術者のための特許実践講座」森北出版(2016),特許庁:「産業財産権標準テキスト」(特許編・意匠編),文化庁:「著作権テキスト」(2019)
担当教員 髙山 泰博

到達目標

産業財産権、著作権とは何かを理解し自分で説明でき,活用できる。特許の作成に必要な知識を身につけて実際に特許文書を作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
産業財産権産業財産権の考え方を活用できる。産業財産権の重要性が理解できる。産業財産権の重要性が理解できない。
著作権著作権の考え方を活用できる。著作権の重要性が理解できる。著作権の重要性が理解できない。
特許特許文書を作成できる。特許の重要性が理解できる。特許の重要性が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
知的財産権は、主に産業財産権と著作権からなる。授業では3つのことを学ぶ。
 (1)特許権や商標権などの産業財産権に関して、技術者として必要な知識を習得する。
 (2)著作権は日常生活や学校生活(レポート・論文作成)など身近に関わる、著作権の基本事項を学ぶ。
 (3)特許出願を想定し、アイデアの創出、類似技術の調査、特許明細書・図面を作成の一連の流れを学ぶ。
この科目は,企業で実際に技術契約や特許作成に関わる実務を担当していた教員が,その経験を生かして、知的財産についての講義形式や特許作成に関する演習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 講義を2部に分ける。後期中間試験までの第1部は、講義を主体に授業を進める。板書や配布資料の内容を自分でまとめる復習が必須である。試験以後の第2部は、特許出願を想定して、アイデアを練り、明細書を作成する演習を行い、創造演習(4年次)・創造製作(5年次)の準備を行う。
 事前事後学習として,前半では,各回の授業の復習を授業まとめノートの形で作成(計約7時間),特許作成演習レポートの演習(計約8時間)を行う。
注意点:
成績評価式:試験点(60点満点) + 課題点(10点満点) + 演習点(30点満点); ここで, 試験点= 0.6×(中間試験点(百点満点)+期末試験点(百点満点)) ÷ 2 とする。ただし,小数点以下は四捨五入して計算する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 知的財産権とは
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
知的財産権の概要、必要性について理解できる。
2週 特許権、実用新案権
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
特許制度などの産業財産権、その保護期間などについて理解できる。
3週 意匠権、商標権
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
特許に関連する権利として意匠(デザイン)や商標(ブランド)などの権利について理解できる。
4週 著作権の基礎(1 )
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
著作権制度の概要、著作物・二次著作物などについて理解できる。
5週 著作権の基礎(2)
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
著作権制度の概要、著作物・二次著作物などについて理解できる。
6週 身近な生活と著作権
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
著作権の制限、私的利用について理解できる。
7週 ITと知的財産権
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
フリーソフトウェア、オープンソフトウェア、ライセンスの種類(GPLなど)について理解できる。
8週 中間試験 知的財産権、著作権についての理解度を確認する。
4thQ
9週 特許演習(1)
【事前事後学習の内容(1時間)】アイデア出しメモ作成
アイデア創出法などの特許作成のための準備が行える。
10週 企業と特許
【事前事後学習の内容(1時間)】まとめノート作成
企業等における特許の重要性について学ぶ。
11週 特許演習(2)
【事前事後学習の内容(1時間)】アイデアシート作成
グループ単位でアイデアを練り、独自のアイデアシートを作成できる。
12週 特許演習(3)
【事前事後学習の内容(1時間)】調査レポート作成
創出したアイデアについて類似技術や特許等の調査ができる。
13週 特許演習(4)
【事前事後学習の内容(1時間)】図面作成準備
システム構成図、機能構成図、動作の流れ図が作成できる。
14週 特許演習(5)
【事前事後学習の内容(1時間)】図面作成
特許明細書および図面を作成できる。
15週 特許演習(6)
【事前事後学習の内容(1時間)】明細書作成
特許明細書、図面が適切に書かれているかを自分で確認できる。
16週 完成レポート作成など
【事前学習の内容(1時間)】提出レポート作成
特許明細書、図面の書類を一式提出する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。2後2,後4,後6
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。2
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。2
社会における技術者の役割と責任を説明できる。2
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3後6,後10
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3後6,後10
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3後6
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後7
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3後1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3後15
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3後10
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後7
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後10
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3後10
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。2
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。2
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。3後11
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後13
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後14,後15
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。1
企業には社会的責任があることを認識している。1
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。1
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。1
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。1
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。1
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。1
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。1

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合601030000100
基礎的能力505000055
専門的能力1051000025
分野横断的能力002000020