電子工学実験

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子工学実験
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:「電子工学実験指導書」(徳山高専情報電子工学科) 必須の参考書:既修得科目や3年次修得科目の教科書
担当教員 百田 正広,原田 徳彦,杉村 敦彦,室谷 英彰,増井 詠一郎

到達目標

1. 受動・能動素子の原理を調べ、特性を観測する。
2. アナログ・ディジタル回路の原理を調べ、動作を観測する。
3. マイコン制御の原理を調べ、動作を確認する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
受動・能動素子の観測受動・能動素子の原理を理解し、観測結果を説明できる。受動・能動素子の実験結果を報告できる。受動・能動素子の実験結果を報告できていない。
アナログ・ディジタル回路の観測アナログ・ディジタル回路の原理を理解し、観測結果を説明できる。アナログ・ディジタル回路の実験結果を報告できる。アナログ・ディジタル回路の実験結果を報告できていない。
マイコン制御の実験マイコン制御の原理を理解し、目的に適う機能を実現できる。マイコン制御の実験結果を報告できる。マイコン制御の実験結果を報告できていない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 B 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種素子の特性、電子回路の動作および電算回路の基本的な動作を実験によって十分に理解する。各講義で学んだ理論を実験を通して実証し、あわせて測定装置の理解と測定技術を習得する。また、実験と理論の関係づけを検討・考察し、さらに、研究課題によって関連技術の理解を深める。
授業の進め方・方法:
前期では、主に、回路素子の特性、回路の動作、計測装置を用いた測定方法の実験を行う。後期では、さらに、回路の設計および部分的な製作を含む電子回路の動作特性を測定する。また、マイコンの操作方法および入出力による制御方法を学ぶ。前期、後期において、以下に示すそれぞれのテーマについて3~4人の班編成により実験を行う。下記24テーマ(24週分)以外の時間は、実験に関するガイダンスやレポート指導などを行う。前期は、全ての班が同じテーマの実験を行い、基本的な実験に対する能力を段階的に養う。後期は、前期で学習した能力を基に、下記のテーマを班別にローテーションでテーマを変えて実験を行う。
注意点:
前期は、各実験ごとに評価シートを提出すること。この評価シートで得た得点を平均したものを最終評価とする。評価シートで評価する内容は、到達目標にある予習態度・実験態度・レポート作成とする。評価シートの様式や使用法は、[工学実験指導書]に添付する。後期は、教員によるレポートの採点で評価を行う。参考として、皆さんの前期のレポートを教員が採点すると何割程度の得点になるかを後期授業開始までに通知する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験の心得やレポートの書き方を理解する。
2週 講義 実験内容を理解する。
3週 オシロスコープの使い方
オシロスコープの使い方が理解できる。
4週 電子部品1(抵抗の基礎実験) 電子部品(抵抗)の材料や製法、用途について理解できる。
5週 電子部品2(コンデンサとコイルの基礎実験)
電子部品(コンデンサ、コイル)について材質、耐圧、精度などを理解できる。
6週 コンデンサの特性測定(RC直列回路)
 
コンデンサの特性(RC直列回路)が理解できる。
7週 RC回路のパルス応答と周波数応答 RC回路のパルス応答および周波数応答が理解できる。
8週 オシロスコープの操作の テスト 各種信号波形をオシロスコープ上で正確に測定できる。
2ndQ
9週 レポート指導 レポートを分かりやすくまとめる。
10週 ダイオードの静特性 各種ダイオードの特性を実験を通して理解できる。
11週 トランジスタ、FETの直流特性 バイポーラトランジスタとMOSFETの基本増幅回路を制作し動作を理解できる。
12週 ダイオード、トランジスタを用いた論理回路 ダイオード、トランジスタを用いた基本論理素子の回路を制作しその動作が理解できる。
13週 ICによる論理回路 ICによる論理回路の動作を理解できる。
14週 小信号増幅回路 トランジスタを用いた増幅回路の原理を実験通して理解できる。
15週 オペアンプの基礎実験 オペアンプを用いた基本回路について動作原理を理解できる。
16週 自己採点確認 自己評価の得点を教員と確認する。
後期
3rdQ
1週 講義 実験内容を理解する。
2週 講義 実験内容を理解する。
3週 回路網 回路網の定理について実験を通して確認理解できる。
4週 共振回路 LとCを含む直列、並列共振回路の性質を理解する。
5週 電源回路 電源回路について整流、平滑回路の原理を理解できる。
6週 発振回路 LC発振回路の測定を行い、発振原理、発振条件を理解できる。
7週 マルチバイブレータ 無安定マルチバイブレータ、単安定マルチバイブレータの動作を理解できる。
8週 マルチバイブレータに関するまとめ
無安定マルチバイブレータ、単安定マルチバイブレータの動作を理解できる。
4thQ
9週 マルチバイブレータの理解度チェックインタビュー 無安定マルチバイブレータ、単安定マルチバイブレータの動作を理解できる。
10週 レポート指導 レポートを分かりやすくまとめる。
11週 カウンタ回路 カウンタIC回路を用いて24時間時計を制作しカウンタ回路の動作を理解できる。
12週 ワンボードマイコンの操作法および入出力方法 ワンボードマイコンの使用法について基本的な操作法が理解できる。
13週 マイコンによるステッピング・モーター制御 ワンボードマイコンを用いてステッピングモータの制御の原理が理解できる。
14週 ワンボードマイコンによるLED表示 ワンボードマイコンによりLED表示の制御方法が理解できる。
15週 PICを用いたフルカラーLED制御 PICを用いたLED制御方法が理解できる。
16週 レポート指導 レポートを分かりやすくまとめる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3
FETの特徴と等価回路を説明できる。3
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3
演算増幅器の特性を説明できる。3
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3
発振回路の特性、動作原理を説明できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。2
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。2
電力量の測定原理を説明できる。2
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4
共振について、実験結果を考察できる。4
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。4
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力100000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000