到達目標
1.関係の概念について理解し、「関係がある」とはどういうことか説明できる。
2.いろいろな対応について理解し、写像とは何かが説明できる。
3.いろいろな証明方法を理解して、問題解決に適用できる。
4.問題を解決するために、グラフを活用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
関係 | 関係の概念を理解し、説明できる。 | 関係の概念を理解できているが、説明できない。 | 関係の概念が理解できない。 |
写像 | 写像について理解し、説明できる。 | 写像の概念が理解できるが、性質が説明できない。 | 写像の概念が理解できない。 |
証明 | いろいろな証明法方法を理解し、問題に適用できる。 | いろいろな証明方法を知っているが、問題に適用できない。 | 証明方法が理解できない。 |
グラフ理論 | グラフ理論の概念を、応用的な問題に適用し、問題を解決できる。 | グラフ理論の概念を、基本的な問題に適用し、問題を解決できる。 | 問題の解決にグラフを適用ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
コンピュータサイエンスに必要となる数学的な概念、記法、論法の基礎を学ぶ。
数学的な記号や図を用いて、考えていることを記述し、直観的なイメージを得たり、論理的に分析したり、説明する技法を身につける。それらの数学的な技法を電子情報通信分野の具体的な話題と関連させ、より理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義は座学で基礎的な事項を学んだ後、できるだけ多くの演習問題にあたる。
毎回、小テストを実施し、その日に学んだ基本的な事項が理解できているかを確認する。
また、学習単元の最後に理解度を確認するために、学習シートの問題を解く。授業の進捗状況によっては、レポートとすることがある。
注意点:
最終成績評価式=試験60%+小テスト20%+学習シート20%
集合と論理(2年)、数学IIB(2年)
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション 集合の復習、対応と直積 |
集合の復習および直積を理解する。
|
2週 |
関係(1)関係とは何か、関係の合成、逆関係 |
関係とは何かが説明でき、いろいろな方法で表現できる。 合成関係、逆関係を求めることができる。
|
3週 |
関係(2)同値関係
|
同値の意味が言える
|
4週 |
関係(3)同値関係 |
ある関係が同値関係かどうかが言える。
|
5週 |
演習 |
学習シート1を用いて、「関係」の理解度をはかる。
|
6週 |
写像(1)対応・部分写像・写像、逆写像、写像の合成 |
いろいろな対応があることを矢線図により理解する。写像とは何かを理解し、部分写像、逆写像、写像の合成が求められる。
|
7週 |
写像(2)写像の性質(単射、全射) |
写像の性質(単射、全射)が図で示せる。
|
8週 |
中間試験 演習
|
これまでの理解度をはかる。 または、学習シート2を用いて、「写像」の理解度をはかる。
|
2ndQ |
9週 |
論理と証明 |
いろいろな証明法を用いることができる。
|
10週 |
論理と証明(背理法) |
背理法を理解し、いろいろな証明法を用いて命題を証明することができる。
|
11週 |
帰納法と再帰
|
漸化式と帰納法の関係を理解し、証明できる。
|
12週 |
演習 |
いろいろな問題が証明できる。
|
13週 |
グラフ理論(1)グラフとは
|
単純グラフと多重グラフが描ける。グラフを隣接行列に表せる。
|
14週 |
グラフ理論(2)グラフの連結性、周遊可能性 |
周遊可能な連結なグラフの条件が説明できる。
|
15週 |
期末試験 |
9週以降の理解度をはかることができる。
|
16週 |
試験の返却・解説 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
グラフ理論(3)最短経路を求める |
ダイクストラ法により、グラフ上で最短経路を求めることができる。
|
2週 |
グラフ理論(4)いろいろなグラフ |
いろいろなグラフが描ける。
|
3週 |
グラフ理論(5)頂点彩色 |
グラフの頂点彩色ができる。
|
4週 |
グラフ理論(6)平面的グラフ |
平面的グラフとは何かを理解し、領域の次数を求める。
|
5週 |
グラフ理論(7)領域彩色 |
双対グラフが描け、元グラフの領域彩色ができる。
|
6週 |
演習 |
グラフの基本が理解できているかを確認できる。
|
7週 |
グラフ理論(8)木の性質、全域木 |
木とは何かを理解し、最小全域木を求めることができる。
|
8週 |
中間試験 |
後期6週目までの理解度をはかることができる。
|
4thQ |
9週 |
グラフ理論(9)ネットワークフロー |
流量増大法、最小切断を理解し、ネットワークの最大流量を求めることができる。
|
10週 |
代数系、2項演算 |
代数系の記号に慣れる。
|
11週 |
単位元、逆元 |
単位元、逆元を求めることができる。
|
12週 |
半群と群 |
半群、群の基礎を理解する。
|
13週 |
順序関係(1) |
半順序と全順序を理解し、ハッセ図に描ける。
|
14週 |
順序関係(2)
|
最大限元、最小元、極大元、極小元を求めることができる。
|
15週 |
期末試験 |
7週目(木の性質)および9週~14週の学習項目の理解度をはかることができる。
|
16週 |
試験の返却・解説 |
答案を返却し、解説を行う。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。 | 3 | 前4,前14 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 前2,前5 |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | 前2,前5 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 4 | 前1 |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 4 | 後5,後12,後13,後14 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | 学習シート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 20 | 20 | 100 |