計測工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0088 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 田所嘉昭編著 新インターユニバーシティ「電気・電子計測」 オーム社   参考図書: 後閑哲也著 「基礎入門 センサ活用の素①、②」 技術評論社 等
担当教員 百田 正広

到達目標

1. 計測の分類法、計測精度や測定誤差の定義、単位の成り立ち名護、計測の基礎について説明できる。
2. 指示計測器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。
3. OPアンプと基本的なセンサ回路について説明できる。
4. A/D・D/A変換器の原理について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測の分類法、計測精度や測定誤差の定義、単位の成り立ちなど、計測の基礎について正しく説明でき、計算できる。計測の分類法、計測精度や測定誤差の定義、単位の成り立ちなど、計測の基礎について説明できる。計測の分類法、計測精度や測定誤差の定義、単位の成り立ちなど、計測の基礎について正しく説明できない。
評価項目2指示計測器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を正しく説明できる。指示計測器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法をある程度説明できる。指示計測器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できない。
評価項目3 OPアンプと基本的なセンサ回路について説明でき、複雑な回路で計算ができる。 OPアンプと基本的なセンサ回路について説明でき、簡単な回路で計算ができる。 OPアンプと基本的なセンサ回路について説明できない。
評価項目4A/D・D/A変換器の原理について正しく説明でき、複雑な回路で計算ができる。A/D・D/A変換器の原理について説明でき、簡単な回路で計算ができる。A/D・D/A変換器の原理について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 一般に計測とは、センサを用いて計測対象の状態を表す物理量を電気信号に変換して計算機に取り込み、人間や機械が計測対象の状態を把握できるデータに変換することである。本講義では、この一連の処理に用いられる各種センサの原理、センサ出力を計測するためのアナログ回路と計算機に取り込むためのA/D変換器、およびD/A変換器などに関して、具体例を示しながら学習する。
授業の進め方・方法:
 座学による講義を主体とし、適宜、レポートや学習シートにより理解度を確認する。
注意点:
 授業の進み具合によって計画が多少前後する。関連科目は、基礎電気回路(1年)、電気回路(2年)、アナログ回路(3年)、ディジタル回路(3年)、電子工学実験(3年)等である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の基礎 電気・電子計測の概要について説明できる。
2週 抵抗回路の性質 抵抗の直並列回路を含む回路解析ができる。
3週 直流電源の性質 内部抵抗を含む直流電源の性質について説明できる。
4週 測定の基礎1 計測方法とその特徴について説明できる。
5週 測定の基礎2 測定した値の評価方法、および単位系について説明できる。
6週 電気計測(直流計測)(1) 直流計測の基本は、電磁石と永久磁石との間に働く力を表示することである。可動コイル形電流計や分流器等の計測器について説明できる。
7週 電気計測(直流計測)(2) 直流計測の基本は、電磁石と永久磁石との間に働く力を表示することである。分圧器、電圧降下法、直流ブリッジ回路等の計測器について説明できる。
8週 前期中間試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
2ndQ
9週 電気計測(交流計測)(1) 交流用指示計器は、極性にかかわらず同じ方向に指針が振れるよう工夫されている。整流回路、可動鉄片形電流計等の計測器について説明できる。
10週 電気計測(交流計測)(2) 交流用指示計器は、極性にかかわらず同じ方向に指針が振れるよう工夫されている。交流電力、積算電力計、交流ブリッジ等の計測器について説明できる。
11週 オペアンプの基本回路(1) 反転増幅回路、非反転増幅回路、バッファアンプについて説明できる。
12週 オペアンプの基本回路(2) 差動増幅回路、2電源と単電源での使用方法、振幅の最大値、オフセットとドリフト等について説明できる。
13週 演習 交流計測、OPアンプに関する演習問題の説明・計算ができる。
14週 演習 交流計測、OPアンプに関する演習問題の説明・計算ができる。
15週 前期末試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
16週 答案返却など 答案の返却と解説から、再確認と修正ができる。
後期
3rdQ
1週 センサによる物理量の計測(1) 電気・磁気センサ等について説明でき、回路の計算ができる。
2週 センサによる物理量の計測(2) 光センサ、圧力センサ等について説明でき、回路の計算ができる。
3週 演習 演習問題を解くことで、理解度が確認できる。
4週 信号のフーリエ級数展開 任意の波形がフーリエ級数で表現できることを説明できる。
5週 信号の解析と合成 矩形波には、基本波や高調波が含まれること、又、基本波と高調波を合成すると種々の信号が得られることを説明できる。
6週 信号のディジタル化(1) 信号の表現、標本化定理について説明できる。
7週 信号のディジタル化(2) エイリアシング、量子化について説明できる。
8週 後期中間試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
4thQ
9週 A/D変換(1) サンプル&ホールド、二重積分型A/D変換器について説明ができる。
10週 A/D変換(2) 逐次比較型と並列比較型A/D変換器について説明できる。
11週 演習 演習問題を解くことで、理解度が確認できる。
12週 D/A変換(1) 重み付き加算、電流加算D/A変換機にてついて説明ができる。
13週 D/A変換(2) テブナンの定理について説明でき、はしご型D/A変換器が説明できる。
14週 演習 演習問題を解くことで、理解度が確認できる。
15週 後期末試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
16週 答案返却など 期末試験の解答と解説から、再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4

評価割合

試験演習レポート合計
総合評価割合9010100
基礎的能力701080
専門的能力20020
分野横断的能力000