オペレーティングシステムⅠ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 オペレーティングシステムⅠ
科目番号 0127 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:重村哲至「オペレーティングシステム」(https://github.com/tctsigemura/OSTextBook)、参考書:前川守「オペレーティングシステム」岩波書店、参考書:タネンバウム「モダンオペレーティングシステム」株ピアソン・エデュケーション、参考書:A.Silberschatz他「オペレーティングシステムの概念」共立出版、参考書:M.McKusick他「The Design and Implemetation of the 4.4BSD Operating System」Addison-Wesley
担当教員 重村 哲至

到達目標

1. オペレーティングシステムの役割について説明できる。
2. プロセスの統合問題について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. オペレーティングシステムの役割について説明できる。特にCPU仮想化、排他制御を実装を念頭に説明できる。特にCPU仮想化、排他制御を説明できる。CPU仮想化、排他制御等を説明できる。
2. プロセスの統合問題について説明できる。プロセスの統合問題について例を示して説明できる。プロセスの統合問題について簡単に説明できる。プロセスの統合問題について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
5年のオペレーティングシステムIIと併せて1年間でオペレーティングシステムの核技術をその基本概念をもふまえながら学習する。この核技術は基本的にはコンピュータの各種の資源、すなわち、CPU、主記憶、入出力制御機器、入出力機器などを多数のユーザで効率よく、かつ矛盾なく使用することと、ファイルに代表される情報を、矛盾なく共有するための技術であり、並列処理とその制御が基本となっている。
授業の進め方・方法:
座学講義が主体である。講義では教科書の内容を紹介するに留まる場合も多い。一回の講義に付き1時間以上の教科書を使用した予習復習が必須である。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オペレーティングシステムの役割 1. オペレーティングシステムの歴史を簡単に説明できる。
2. オペレーティングシステムの目的と構成、コンピュータの処理形態について簡単に説明できる。
2週 前提知識1(一般的なハードウェア構成・カーネルの構造) 1. 対象となるコンピュータのハードウェアの構成を説明できる。
2. カーネルの構造・構成方法を説明できる。
3週 前提知識2(TaCのハードウェア構成・TacOSの構造)
前提知識3(ハイパバイザによる仮想化)
1. TaCのハードウェアとTacOSの構造について概要を説明できる。
2. ハイパバイザによる仮想化とオペレーティングシステムによる仮想化の違いを説明できる。
4週 CPU仮想化(時分割多重、プロセスの状態、コンテキストスイッチ) 1. 時分割多重のためのプロセス切換え手順が説明できる。
2. プロセスの状態と状態遷移が説明できる。
5週 CPU仮想化の実際(PCBの構造と管理、TacOSの実例) 1. PCBに記録されるべき情報を列挙できる。
2. PCBの待ち行列の実態を説明できる。
3. TacOSのPCBと待ち行列の構造を説明できる。
6週 スレッド 1. スレッドとプロセスの違いを説明できる。
2. pthreadを用いるサンプルプログラムを説明できる。
7週 CPUスケジューリング 1. 数種類のCPUスケジューリング方式について、ある条件下でのトレースができる。
2. TacOSのスケジューラの概要が説明できる。
8週 中間試験 これまでに学んだ内容に関する質問に答えることができる。
4thQ
9週 競合と排他制御 1. 機械語レベルで競合の例を示すことができる。
2. 低レベルの排他制御方法を、シングルプロセッサ、マルチプロセッサについて幾つか説明できる。
10週 セマフォ 1. P命令、V命令の役割が説明できる。
2. セマフォを用いた基本的なプロセス統合問題の解を説明できる。
11週 セマフォの実装 1. P命令、V命令の実装の概要が説明できる。
2. TacOSのセマフォ実装例が理解できる。
12週 プロセス間通信(共有メモリとメッセージ通信) 1. UNIXの共有メモリとメッセージ使用例プログラムを説明できる。
2. TacOSのメッセージ通信機構を理解できる。
13週 OR条件とAND条件 1. OR条件を必要とするプロセス統合問題の例について簡単に説明できる。
2. AND条件を必要とするプロセス統合問題の例について簡単に説明できる。
14週 コンカレントプログラミング 1. モニタ機構を用いた高級言語プログラムについて簡単に説明できる。
15週 期末試験 プロセスの統合問題に関する質問に答えることができる。
16週 答案返却など 期末試験の解答を行い、試験結果から必要な箇所の復習を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4後1,後9
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13,後14
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000