電子情報通信システム実験

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子情報通信システム実験
科目番号 0180 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電子通信システム系実験指導書、情報システム系実験指導書
担当教員 原田 徳彦,浦上 美佐子

到達目標

最終学年で,情報技術及び電子通信技術を包含する技術をすべての学生が受講する.各テーマに従って,設計・実装を行うことで総合的な実践技術を身につけることができる.
実験結果をわかりやすくプレゼンテーションするとともにレポートにまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子システム系電子通信システム系回路の動作を理解し、基本的な設計・製作ができる。電子通信システム系回路の動作を理解ている。電子通信システム系回路の動作を理解していない。
情報システム系情報システム実験課題の動作をよく理解するとともに、効率的な設計・実装ができる情報システム実験課題の動作について理解するとともに、設計・実装ができる情報システム実験課題についてわずかに理解している。なんらかの設計・実装を行うことができる
実験報告書実験結果を分析的に考察し,報告書にまとめることができる実験より得られた事実を報告書にまとめることができる実験より得られた事実を報告書にまとめることができない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 B 1 説明 閉じる
JABEE d-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
総合的な各テーマに従って,その設計・実装技術を習得する。さらに,個人またはグループによる問題解決能力,レポート作成能力,プレゼンテーション能力を身につけることができる。
授業の進め方・方法:
電子通信システム系実験:
OSOYOOロボットカー初心者キット,NI ELVIS および LabVIEW を用いて,電子通信システム系実験のテーマ「ライントレースカー」,「ディジタル温度計」、「オペアンプフィルタ」、「光無線通信」に対して、7週かけて実験を行う。実験で用いる専門用語および内容を事前に理解するために、実験指導書に記載している予習課題を実施する。
情報システム系実験:
ネットワーキングテクノロジーの包括的な教育・学習ソフトウェアを用いて,情報システム系実験のテーマ「ネットワークシステムの構築」に対して、7週かけて実験を行う。週ごとに実験内容は異なる。なお,1週目に内容説明等を行う。また、実験で用いる専門用語および内容を事前に理解するために、実験指導書に記載している予習課題を実施する。

授業時間:
各回の実験は240分で行う。ただし、時間割で実施日の最終時間に割り振りができなかった場合は、別に授業を行い時間を確保する。授業を欠席した場合は、担当教員と相談の上、日を改めて実験を行う。
注意点:
クラスを2つのグループに分ける。前半に「電子通信システム系実験」を行い,後半に「情報システム系実験」を行うグループと,前半に「情報システム系実験」を行い,後半に「電子通信システム系実験」を行うグループがある。

最終成績評価(100点評価):電子通信システム系実験(50点)+情報システム系実験(50点)
 電子通信システム系実験の最終評価=レポート70%+創作30%
 情報システム系実験の最終評価=レポート70%+課題30%(課題30%の評価は,配布するプレゼンテーション評価シートに従って行う)

※新型コロナ感染症対策の学生の登校制限に伴い,以下の修正を行う.
・情報システム系実験を前期,電子情報システム系実験を後期に実施した.
・情報システム系実験の評価を,(レポート50%+予習課題10%+復習課題10%+発表資料30%)に変更した.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ライントレースカーの概要説明:ライントレースカーのハードウェア,機体の状態(ライン曲率,オフセット,角度),制御のしくみ ベイズの定理,パーティクルフィルタの原理を説明できる。
2週 センサと状態
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
任意の状態に対するセンサの値を示すプログラムを作成できる。
3週 状態遷移
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
左右の回転や直進による状態遷移を予測するプログラムを作成できる。
4週 コントロール
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
センサの読み取り値に対する制御プログラムの作成と実走実験
5週 ディジタル温度計:NI ELVIS APIとLabVIEWの制御器と表示器を使用して,ディジタル温度計を構築する。
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
抵抗コンポーネント値の測定,サーミスタ回路の作成,ディジタル温度計の作成
6週 オペアンプフィルタ:NI ELVIS計測器スイートを使用してローパス,ハイパス,バンドパスフィルタの特性を測定する。
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
回路コンポーネント値の測定,基本オペアンプ回路の周波数応答,ハイパスフィルタ,ローパスフィルタ,バンドパスフィルタ
7週 光無線通信:赤外線光源を使用して,フォトトランジスタにデータを無線通信する。
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
フォトトランジスタ検出器,赤外線光源およびテスト回路,赤外線無線光リンク,振幅と周波数の変調
8週 ネットワークシステムの構築(1)
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
ネットワーク構築,Router・Hub・Switchの機能と通信経路探索,パケットの可視化
2ndQ
9週 ネットワークシステムの構築(2)
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
TCP, UDPプロトコルとPortの理解(1)
10週 ネットワークシステムの構築(3)
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
TCP, UDPプロトコルとPortの理解(2)
11週 ネットワークシステムの構築(4)
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
セキュリティ基礎の理解
12週 ネットワークシステムの構築(5)
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
ネットワークセキュリティ(非暗号化通信と暗号化通信)
13週 ネットワークシステムの構築(6)
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
サーバサイドセキュリティの理解
14週 ネットワークシステムの構築(7)
【事前事後学習の内容(2時間)】発表準備・レポート作成
プレゼンテーション
15週 レポート整理
【事前事後学習の内容(1時間)】レポート訂正
再実験やレポートの訂正を行う
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4
インターネットの概念を説明できる。4
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4
主要なサーバの構築方法を説明できる。4
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4

評価割合

レポート創作/課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力8010000090
分野横断的能力010000010