概要:
一年次に学習した物理基礎の内容をもとに一般的な物理現象に関する知識を深める。力学的エネルギーや円運動などを用いて一学年の頃には限定的であった運動についての解析をより広い範囲でおこなえるようにする。
後期には熱と波動についての講義を行う。熱や温度、音や光などの工業的に応用が広く行われうる範囲において最も根源的な物理法則についての理解を養う。
授業の進め方・方法:
シラバスに記載の内容に沿って授業を行う。方法としては座学を中心とする。進度については理解度の程度に応じて変更する可能性がある。
評価基準については「試験」に関しては中間と期末のテストの成績で評価する。また、単元毎にレポート課題を設定、提出をもって「演習・レポート」の評価とする。
注意点:
①授業及び学習について
授業をよく聞き、しっかりと自分の頭で考えることを必要とする。「問題が解ける」ことが重要なのではなく、「問題について考える」ことが重要なのである。
②評価について
成績は中間期末試験の点数が80点、途中で配布するレポートの点数が20点の計100点満点で評価をする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス, 物理基礎の振り返り |
・これから一年で学ぶ内容とその流れについて確認する。 ・一年次に勉強した力学について復習し、今後の物理Iの内容に対する準備を行う。
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2週 |
剛体のつり合い |
・『力のモーメント』について概念的に理解し、ルールに従って計算することができる ・「力のつり合い」と「力のモーメントのつり合い」を用いて、剛体のつり合い条件を計算することができる
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3週 |
剛体の転倒条件 |
・剛体の重心の特徴を理解し、公式を考えた上で計算することができる ・剛体の転倒を現象として理解し、数式を使って解析することができる
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4週 |
物理における仕事 |
・新たに学ぶ「仕事」の概念を理解し、公式を使って計算することができる ・仕事率について理解し、簡単な問題を解くことができる
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5週 |
力学的エネルギー : 運動エネルギー |
運動エネルギーについて公式を覚え、前回学んだ仕事との関係性を使って計算することができる
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6週 |
力学的エネルギー : 位置エネルギー |
・非保存力と保存力の違いについて説明することができる ・位置エネルギーと仕事の関係性について理解することができる。
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7週 |
力学的エネルギー保存則とエネルギー保存則 |
・非保存力が仕事をする場合としない場合の両方についてエネルギー保存則を立てることができる ・与えられた状態に対してエネルギー保存則を使って解析することができる
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8週 |
中間試験 |
1~7週の授業内容についての理解の確認を行う
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2ndQ |
9週 |
力積と運動量 |
・新たに学ぶ「力積」の概念を理解し、公式を使って計算することができる。 ・運動量及び運動量保存則を使って計算をすることができる
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10週 |
反発係数, 衝突の解析 |
・反発係数について理解し、簡単な問題を解くことができる ・物体の衝突について運動量保存則と反発係数の式を使って計算することができる。
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11週 |
等速円運動の物理 |
・角速度や向心力の概念を覚えることができる ・直線ではなく円周上を運動する物体について運動方程式を立てることができる
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12週 |
非慣性系の力学 |
・慣性力について説明することができる。 ・遠心力などの見掛けの力を考慮した場合について運動方程式を解いて現象を解析することができる
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13週 |
万有引力と天体の運動 |
・重力と万有引力の関係性を理解することができる ・万有引力が作る位置エネルギーを考えて計算することができる
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14週 |
単振動 |
往復運動する物体に関して位置、速度、加速度の間の関係を覚え、問題に応じて計算することができる
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15週 |
期末試験 |
9~14週の授業内容についての理解の確認を行う
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16週 |
答案返却など |
前期のまとめと振り返りを行う
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後期 |
3rdQ |
1週 |
温度と熱 |
・物理における「熱」と「温度」の概念を説明できる ・比熱と熱容量を使って簡単な計算を行うことができる
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2週 |
熱と仕事 |
・熱量保存則に基づいて物体から物体への熱の移動及び熱平衡状態の温度について理解することができる ・ジュールの法則に従って力学的エネルギーが熱エネルギーへと変換されることを理解する
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3週 |
気体の状態方程式 |
・気体の従う状態方程式を理解し、ボイルの法則やシャルルの法則を導くことができる ・気体分子の運動から気体全体の運動を計算することができる
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4週 |
熱力学第一法則 |
・熱力学における内部エネルギーの概念を理解する ・熱力学第一法則とエネルギー保存則の関係を理解する
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5週 |
物体の状態変化 |
定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化の4変化について熱力学第一法則を基に計算することができる
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6週 |
熱サイクルと熱効率 |
前回学んだ4つの変化を組み合わせた熱サイクルを考え、その熱効率を計算することができる。
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7週 |
波の性質 : 波動の式 |
・波が従う式を理解し、与えられた式から波の情報を抜き出すことができる ・縦波と横波について理解し、その違いについて説明できる
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8週 |
中間試験 |
17~22回の授業内容についての理解の確認を行う
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4thQ |
9週 |
波の性質 : 波の諸現象 |
反射、干渉、屈折、回折などの波特有の現象を説明することができる
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10週 |
音波: 楽器の音程 |
・音速や音の性質について理解できる ・弦及び気柱の振動により生じる音の高低について理解し、計算できる
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11週 |
音波 :ドップラー効果 |
ドップラー効果について理解し、観測者が動く場合や音源が動く場合など与えられた条件に応じて計算することができる。
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12週 |
光 : 光の屈折と反射 |
・光の屈折に関する公式(スネルの式)を使って屈折角を計算することができる ・光の全反射が起こる条件について理解し、簡単な計算を行うことができる
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13週 |
光 : 凹レンズと凸レンズ |
・凹レンズと凸レンズの性質について理解し、物理的な説明を行うことができる ・レンズに関する式を使って焦点距離や倍率を計算することができる
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14週 |
光 : 光路長と回折格子 |
・光の波長とスペクトルについて理解する ・光の光路長を理解し干渉を及び回折の現象について簡単な計算を行うことができる
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15週 |
期末試験 |
23,25~30回の授業内容についての理解の確認を行う
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16週 |
答案返却など |
1年間のまとめと振り返りを行う
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 慣性の法則について説明できる。 | 3 | 前12 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前7 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 前9 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 前10 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前10 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 前14 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 前14 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 前11 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 前13 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前13 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 前2 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 前3 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 後3 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 後1 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 後1 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 後2 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 後2 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 後3 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 後4 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 後5 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 後2 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 後5 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 後6 |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | 後7 |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | 後7 |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | 後9 |
波の独立性について説明できる。 | 3 | 後9 |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 後9 |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | 後8 |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | 後9 |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | 後9 |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | 後10 |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | 後10 |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | 後10 |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | 後11 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | 後12 |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 後12 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 後14 |
物理実験 | 物理実験 | 力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前16 |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後16 |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後16 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後16 |