①いずれの静定ばりでもせん断力図、曲げモーメント図が描け、たわみの計算ができる。②静定トラスの部材力を計算することができる。③いずれの図形でも図心を求めることができ、図心軸回りの断面2次モーメントを求めることができる。④応力、変形について理解する。①~④を学ぶことで、構造力学の基礎となるべきことを習得し、複合分野の基礎となる基本的素養を身に着けることを目標とする。
概要:
構造物を安全かつ経済的に設計するための力学の基礎となる一般原理を理解することを目的にしている。以下の項目について講義を行い、各項目について演習を行う。(1)せん断力図と曲げモーメント図 (2)平面図形の性質 (3)静定トラス (4)はりの影響線 (5)主応力とモールの応力円 (6)はりの曲げ応力 (7)はりのたわみとたわみ角 (8)簡単な不静定ばり
以上、(1)~(8)を理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
上記(1)~(8)の項目に対して、理論→演習の流れで理解する。また授業外の学習として、後期以降は学習シートを活用し、その課題から理解を深めていく。
成績については試験の他に課題,学習シートの全てを提出していることを前提として評価する
注意点:
2年生の時の基本がしっかりできていること。
最終成績=2回の期末試験の平均*0.7+課題点(前期中間課題/10+後期中間課題/10+学習シート)(最大30点)
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
構造力学基礎の内容説明 |
シラバスに基づいて授業内容を説明。
|
2週 |
せん断力図と曲げモーメント(1) |
微分方程式によるせん断力図、曲げモーメント図の描き方。単純ばり張り出しばりについて応用問題の解き方を理解する。
|
3週 |
せん断力図と曲げモーメント(2) |
片持ちばり、間接荷重ばり、ゲルバーばりについて解き方を理解する。
|
4週 |
せん断力図と曲げモーメント(3) |
主に静定ラーメンについて解き方を理解する。
|
5週 |
静定トラス(1) |
トラス構造の種類、静定トラス、トラス構造の解き方を理解する。
|
6週 |
静定トラス(2) |
トラス構造の解き方、節点法と断面法を理解する。
|
7週 |
平面図形の性質(1) |
断面1次モーメント、断面2次モーメントの定義。図心の求め方を理解する。
|
8週 |
まとめ |
理解が難しかったところなどを重点的に復習する
|
2ndQ |
9週 |
中間理解度確認課題 |
1~8週の内容の確認を行う
|
10週 |
平面図形の性質(2) |
図心まわりの断面2次モーメントの求め方を理解する。
|
11週 |
平面図形の性質(3) |
応用問題を理解する
|
12週 |
はりの曲げ応力(1) |
はりの曲げ応力度の公式の誘導を理解する。
|
13週 |
はりの曲げ応力(2) |
はりの曲げ応力度に関する問題の解き方を理解する。
|
14週 |
はりのせん断応力 |
はりのせん断応力度に関する問題の解き方を理解する。
|
15週 |
期末理解度確認課題 |
10~14週の内容の確認を行う。 (可能であれば、期末試験を行う可能性有)
|
16週 |
課題のチェック |
課題を返却して解説する。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
はりの影響線(1) |
はりの影響線の概念、および影響線の描き方について解説。主に単純ばりについて演習を行いその解き方を理解する。
|
2週 |
はりの影響線(2) |
さまざまなはりについて影響線の描き方の演習。最大曲げモーメント、絶対最大せん断力の求め方を理解する。
|
3週 |
トラスの影響線(1) |
平行弦トラスの影響線の描き方を理解する。
|
4週 |
トラスの影響線(2) |
さまざまなトラスの影響線の描き方を理解する。
|
5週 |
影響線についての総合演習 |
はりおよびトラスの影響線について総合演習を行う。
|
6週 |
主応力とモールの応力円(1) |
はりの主応力を求める式の誘導と解説を理解する。
|
7週 |
主応力とモールの応力円(2) |
モールの応力円の意味を示し簡単な演習を行う。
|
8週 |
中間試験 |
1~7週の内容
|
4thQ |
9週 |
はりのたわみとたわみ角(1) |
はりのたわみとたわみ角に関する微分方程式の誘導を理解する。
|
10週 |
はりのたわみとたわみ角(2) |
微分方程式を用いて解く方法を理解する。
|
11週 |
はりのたわみとたわみ角(3) |
モールの定理の誘導とたわみ、たわみ角の求め方。共役ばりを理解する。
|
12週 |
はりのたわみとたわみ角(4) |
モールの定理を用いて解く方法の演習。
|
13週 |
簡単な不静定ばり |
9~12週の応用で簡単な不静定ばりの解法を理解する。
|
14週 |
はりのたわみとたわみ角総合演習 |
理解が難しかったところなどを重点的に復習する
|
15週 |
期末試験 |
9~14週の内容
|
16週 |
答案返却など |
試験問題を返却して学生の解答を分析。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | |
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | |
自然科学 | 物理 | 力学 | 物体に作用する力を図示することができる。 | 4 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 4 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 前2,前3 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 前2,前3 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | 前7 |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 4 | 前10,前11 |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | 前5,前6 |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 4 | 前4 |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | 前12,前13 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 後9,後10 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 2 | |
建築系分野 | 構造 | 力の定義、単位、成分について説明できる。 | 4 | 前1 |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 4 | |
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | 前7 |
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 | 4 | |
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。 | 4 | 前12,前13 |
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。 | 4 | 前14 |
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。 | 4 | 前5,前6 |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 4 | 前2,前3 |
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 後9,後10 |
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。 | 4 | 後13 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 4 | 後13 |