概要:
実践的技術者を育成するうえで、重要な実務にすぐに役立つ技術やJIS規格にある重要な実験方法などを修得するとともに講義内容を体験的に理解する。またレポートの作成により、技術者として最も必要な考察能力を養う。また、建設系企業で施工管理等を担当されていた教員が入り、その経験を生かした実験指導を行うテーマを設定している。
授業の進め方・方法:
基礎工学実験は材料実験、土質実験の二つに分けて行い、材料実験は通年、土質実験は後期開講の半期である。その授業形態として、材料実験は5人/班で行い、前期と後期でテーマを二つに分ける。二つに分けたテーマの中に前・後期それぞれ5つの課題を設ける。前期は主にコンクリートの性質及びその材料の特性について、後期は主に鉄筋及びコンクリートの強度・変形特性について実験を進める。前・後期の5つの課題に対して、すべてレポートを作成し、前・後期の各テーマ終了後にはまとめとして、前・後期の各課題について学んだ事もしくは疑問に思った事を各班で検討し、プレゼンテーションを行う。また、欠席したものについては、原則として補講を行う。
後期から開講の土質実験は4人/班で行い、1~5のテーマをローテーションを組んで行う。実験終了後は、実験で得られた結果を考察し、レポートとしてまとめる。全てのテーマ終了後は、一つの実験テーマに関して、全ての班の実験データをまとめ、プレゼンテーションを行う。また、欠席したものについては、原則として補講を行う。
以上は、基本的な通常の進め方であるが、今年度は前期において遠隔授業のため、遠隔授業に適合できるようにその都度変更、修正、改善し授業を進める。
注意点:
・レポートの提出期限を守る。また全てのレポートを提出することで評価の対象となる。よって未提出レポートが一つでもあると単位取得はできない。
・得られた実験データについて分析し、考察が述べられるようになること。
最終成績=材料実験成績*0.7+土質実験成績*0.3
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(20名)
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実験に対する注意事項、取り組み方について学ぶ
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2週 |
テーマ1:細骨材の密度および吸水率試験 |
JIS規格で定められた手法に則り、細骨材の材料特性を把握する。
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3週 |
テーマ2:粗骨材の密度および吸水率試験 |
JIS規格で定められた手法に則り、粗骨材の材料特性を把握する。
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4週 |
テーマ3:セメントの密度試験 |
JIS規格に則り、セメントの密度試験方法と原理的に異なるセメントの密度試験方法を学び、セメントの材料特性を把握する。
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5週 |
テーマ4:骨材のふるい分け試験 |
骨材のふるい分け試験方法を学び、細骨材及び粗骨材の違いを把握し、両骨材の粒度特性を把握する。
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6週 |
テーマ5:コンクリートの配合設計 |
目標強度、目標スランプを設定し、セメント、骨材、水、空気がどれだけ必要かを計算し、配合設計の手順を理解する。
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7週 |
プレゼンテーション準備 |
上記1~5の課題に対して、疑問に思った事、学んだ事などを各班でテーマを決めて、後期に発表を行うための準備をする。
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8週 |
プレゼンテーション準備 |
上記1~5の課題に対して、疑問に思った事、学んだ事などを各班でテーマを決めて、後期に発表を行うための準備をする。
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2ndQ |
9週 |
ガイダンス(20名) |
実験に対する注意事項、取り組み方について学ぶ
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10週 |
テーマ1:細骨材の密度および吸水率試験 |
JIS規格で定められた手法に則り、細骨材の材料特性を把握する。
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11週 |
テーマ2:粗骨材の密度および吸水率試験 |
JIS規格で定められた手法に則り、粗骨材の材料特性を把握する。
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12週 |
テーマ3:セメントの密度試験 |
JIS規格に則り、セメントの密度試験方法と原理的に異なるセメントの密度試験方法を学び、セメントの材料特性を把握する。
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13週 |
テーマ4:骨材のふるい分け試験 |
骨材のふるい分け試験方法を学び、細骨材及び粗骨材の違いを把握し、両骨材の粒度特性を把握する。
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14週 |
テーマ5:コンクリートの配合設計 |
目標強度、目標スランプを設定し、セメント、骨材、水、空気がどれだけ必要かを計算し、配合設計の手順を理解する。
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15週 |
プレゼンテーション準備 |
上記1~5の課題に対して、疑問に思った事、学んだ事などを各班でテーマを決めて、後期に発表を行うための準備をする。
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16週 |
プレゼンテーション準備 |
上記1~5の課題に対して、疑問に思った事、学んだ事などを各班でテーマを決めて、後期に発表を行うための準備をする。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
発表 |
前期準備したプレゼンテーションの内容について発表する
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2週 |
テーマ6:コンクリートの打設 |
テーマ5で計算した量を用いて、実際にコンクリートを作製し、コンクリートの打ち込み作業を把握する。
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3週 |
テーマ7:鉄筋の引張試験 |
鉄筋として用いる鋼材はJISに適合する引張強さ、降伏点及び伸びを持たなければならないため、それを知るための試験方法を把握する。
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4週 |
テーマ8:鉄筋の応力-ひずみ試験 |
鉄筋の引張力に対する強度・変形特性を知り、コンクリートの補強材として用いられる鉄筋の材料特性を把握する。
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5週 |
テーマ9:コンクリートの応力-ひずみ試験(演習) |
コンクリートの応力-ひずみ試験結果をもとに、弾性係数、ポアソン比の計算方法を理解する。
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6週 |
テーマ10:コンクリートの強度試験 |
テーマ6で作製したコンクリートを用いて、コンクリートの強度特性を把握する
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7週 |
プレゼンテーション準備 |
これまでのレポートチェックや上記6~10の課題に対して、疑問に思った事、学んだ事などを各班でテーマを決めて、発表を行うための準備をする。
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8週 |
プレゼンテーション |
プレゼンを行い、発表能力を養う。
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4thQ |
9週 |
土質実験 テーマ1:密度試験 |
土の最も基本的な物理量である土粒子の密度を求める方法と、その原理を学ぶ。
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10週 |
土質実験 テーマ2:粒度試験 |
土を構成する土粒子径の分布状態を調べるための、ふるい分析と沈降分析の試験方法を学ぶ。
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11週 |
土質実験 テーマ3:液塑性試験 |
土の液性限界、塑性限界および塑性指数を求める方法を学び、含水比と土の状態を把握する。
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12週 |
土質実験 テーマ4:透水試験 |
定水位透水試験と変水位透水試験を行い、土の透水係数を求める方法を学ぶ。
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13週 |
土質実験 テーマ5:締固め試験 |
締固め施工管理時に必要な最適含水比と最大乾燥密度を求める方法を学び、含水比と土の締固め状態を把握する。
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14週 |
プレゼンテーション準備 |
一番最初に行った実験テーマに関して、他の班の実験データをまとめ、プレゼンテーションを行う。発表は15分/班を目安とし、パソコンによりプレゼンテーションソフトを用いて1人1画面は必ず発表し発表能力を養う。
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15週 |
プレゼンテーション準備 |
一番最初に行った実験テーマに関して、他の班の実験データをまとめ、プレゼンテーションを行う。発表は15分/班を目安とし、パソコンによりプレゼンテーションソフトを用いて1人1画面は必ず発表し発表能力を養う。
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16週 |
プレゼンテーション |
プレゼンを行い、発表能力を養う。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 4 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 4 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 4 | |
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後4 |
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前3,前4,前11,前12 |
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前2,前10 |
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前2,前10 |
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前5,前13 |
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後9 |
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後11 |
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後10 |
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | |
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 後13 |
建築系分野【実験・実習能力】 | 建築系【実験実習】 | 実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | 前5,前13 |
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。 | 4 | 前5,前13 |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | 前5,前13 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |