地盤工学基礎

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 地盤工学基礎
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】環境・都市システム系教科書シリーズ3 土質工学、コロナ社、赤木知之・吉村優治・上俊二・小堀慈久・伊藤孝/【参考書】土木技術検定試験 問題で学ぶ体系的知識 改訂版、ぎょうせい、土木技術体系化研究会
担当教員 荒木 功平

到達目標

地盤工学基礎では、まず①土の基本的な物理的性質を理解すること。その上で、②土の水理特性、③土の変形特性、④土の強度特性を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目①到達目標①について十分に理解できる。到達目標①について概ね理解できる。到達目標①について理解できない。
評価項目②到達目標②について十分に理解できる。到達目標②について概ね理解できる。到達目標②について理解できない。
評価項目③到達目標③について十分に理解できる。到達目標③について概ね理解できる。到達目標③について理解できない。
評価項目④到達目標④について十分に理解できる。到達目標④について概ね理解できる。到達目標④について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木建築に携わる者は、土壌汚染や地盤沈下などの公害、地震による地盤の液状化、大雨による斜面崩壊など、多くの様々な社会的問題に見舞われる。本講義では、地盤環境を守り、地盤災害を防ぐために、地盤調査・土質試験の結果を適切に理解し、地盤の構造、材料、強度、変形、水理特性などに基づいて、地盤及び土構造物(堤防、盛土、基礎、擁壁など)等への影響を科学的に予知する技術を身に着ける。科学的に安全性が示されることによって初めて、人々の安心が得られるのである。
授業の進め方・方法:
スライドあるいは板書による講義を行い、レポート課題を与える。授業内容を理解するためには、教員への質問、教科書・参考書や図書館、インターネット、Teamsなど様々な手段を活用し、自ら積極的に情報収集・予習・復習を行わなければならない。
注意点:
1.成績評価:試験成績80%、レポート20%とする。2.合格基準:60点以上を合格とする。3.再試験:実施する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論:地盤の生成と調査・試験、地盤地震工学、地盤環境 岩石の風化と土の生成、地質・断層、原位置調査・物理探査、トンネル、廃棄物最終処分場、典型7公害(土壌汚染、地下水汚染、地盤沈下など)を理解できる。
2週 土の基本的な性質:土の構成・物理量 試験で直接測定できる物理量、間接的に求まる物理量、各物理量相互の関係、単位体積重量を理解できる。
3週 土の基本的な性質:粒径と粒度分布、土粒子の形と土の構造 土の有効径、平均粒径、均等係数、曲率係数、細粒分含有率、粒形、土の骨格構造などを理解できる。
4週 土の基本的な性質:土のコンシステンシー、土の工学的分類 コンシステンシー限界、コンシステンシーの測定法、土の工学的分類などを理解できる。
5週 土の締固め 締固め試験と締固め特性、締固め土の工学的性質、相対密度、締固めの管理を理解できる。
6週 地盤内の水の流れ:飽和地盤内の水の流れ、流線網と浸潤線 浸透流、ダルシーの法則と透水係数、透水係数の求め方、透水係数に影響する要因、流線網の性質、流線網の描き方と浸透水量の求め方を理解できる。
7週 演習および解説 演習問題により復習する。
8週 要点整理と中間評価 要点整理を行うとともに、学習内容を確認するために筆記試験を行う。
2ndQ
9週 地盤内の水の流れ:土中水の分類、不飽和地盤の水の流れ、浸透流と浸透水圧 土中の毛管現象とサクション、土の凍上現象、浸透水圧と有効応力、クイックサンド、ボイリング、パイピングおよびヒービングを理解できる。
10週 地盤内の応力:地盤内応力の定義、上載荷重による地盤内応力、構造物基礎の接地圧 鉛直応力、集中荷重・帯状荷重・盛土荷重による応力、剛性基礎の接地圧分布を理解できる。
11週 土のせん断強さ:土の破壊と強さ、土のせん断試験、
斜面の安定:半無限斜面の安定解析
クーロンの破壊規準、直接せん断試験、斜面の破壊形態と安定性の評価方法、粘着力のない土の場合、粘着力のある土の場合、自然斜面の崩壊を理解できる。
12週 基礎地盤の支持力 地盤の支持力、基礎の形式、浅い基礎の支持力、深い基礎の支持力を理解できる。
13週 演習 演習問題により復習する。
14週 解説 演習問題を解説する。
15週 期末試験 学習内容を確認するために筆記試験を行う。
16週 答案返却など 答案を返却し解説する。
後期
3rdQ
1週 地盤内の応力:主応力とモールの応力円、
土のせん断強さ:土の破壊と強さ、土のせん断試験
最大、最小主応力、主応力面、モールの破壊包絡線、モール・クーロンの破壊規準、三軸圧縮せん断試験を理解できる。
2週 地盤内の応力:地盤内応力の定義、
土圧:構造物に作用する土圧、ランキン土圧、クーロン土圧、静止土圧
水平応力、地表面が水平な砂質地盤の場合、地表面が傾斜している場合、主働土圧、受働土圧を理解できる。
3週 圧密と地盤沈下:圧縮と圧密、土の圧密現象、圧密の時間的経過とその理論、圧密試験と整理法 飽和粘土の圧密現象の概念、土の圧縮特性、テルツァギの一次元圧密理論、一次元圧密方程式の解、圧密度、試験方法、試験結果の整理を理解できる。
4週 土のせん断強さ:粘性土のせん断特性 非圧密非排水、圧密非排水、圧密排水せん断特性、圧密圧力と土のせん断強さ、一軸圧縮試験を理解できる。
5週 土のせん断強さ:砂質土のせん断特性 砂のダイレイタンシー、限界間隙比、飽和砂の液状化現象を理解できる。
6週 軟弱地盤対策 軟弱地盤の判定と主な軟弱地盤対策工法(地盤改良工法や液状化対策工法)を理解できる。
7週 演習および解説 演習問題により復習する。
8週 要点整理と中間評価 要点整理を行うとともに、学習内容を確認するために筆記試験を行う。
4thQ
9週 圧密と地盤沈下:地盤の圧密沈下量および圧密沈下時間の算定 圧密沈下量の計算、圧密沈下時間の算定を理解できる。
10週 土のせん断強さ:土の動的特性 土の動的荷重、地盤の動的解析法を理解できる。
11週 土圧:地震時の土圧、土圧論の応用例 擁壁の安定計算、矢板の安定計算を理解できる。
12週 斜面の安定:円弧すべり面による安定解析 分割法、簡易ビショップ法、安定係数法を理解できる。
13週 演習 演習問題により復習する。
14週 解説 演習問題を解説する。
15週 期末試験 学習内容を確認するために筆記試験を行う。
16週 答案返却など 答案を返却し解説する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。4前1,前2
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。4前3,前4
土の締固め特性を説明できる。4前5
ダルシーの法則を説明できる。4前6
透水係数と透水試験について、説明できる。4前6
透水力による浸透破壊現象を説明できる。4前9
土のせん断試験を説明できる。4前11,後1,後4,後5,後10
土のせん断特性を説明できる。4前11,後1,後4,後5,後10
土の破壊規準を説明できる。4前11,後1,後4,後5,後10,後12
地盤内応力を説明できる。4前10,後1,後2,後3,後9,後10,後11
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。4後3,後9
圧密沈下の計算を説明できる。4後3,後9
有効応力の原理を説明できる。4後3,後9
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。4後2,後11
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。4前12
斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。4前11,後12
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。4後5
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。4後6
地盤調査の分類と内容について、説明できる。4前1

評価割合

試験その他(レポート等)合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100