到達目標
地盤工学基礎では、まず①土の基本的な物理的性質を理解すること。その上で、②土の水理特性、③土の変形特性、④土の強度特性を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目① | 到達目標①について十分に理解できる。 | 到達目標①について概ね理解できる。 | 到達目標①について理解できない。 |
評価項目② | 到達目標②について十分に理解できる。 | 到達目標②について概ね理解できる。 | 到達目標②について理解できない。 |
評価項目③ | 到達目標③について十分に理解できる。 | 到達目標③について概ね理解できる。 | 到達目標③について理解できない。 |
評価項目④ | 到達目標④について十分に理解できる。 | 到達目標④について概ね理解できる。 | 到達目標④について理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
土木建築に携わる者は、土壌汚染や地盤沈下などの公害、地震による地盤の液状化、大雨による斜面崩壊など、多くの様々な社会的問題に見舞われる。本講義では、地盤環境を守り、地盤災害を防ぐために、地盤調査・土質試験の結果を適切に理解し、地盤の構造、材料、強度、変形、水理特性などに基づいて、地盤及び土構造物(堤防、盛土、基礎、擁壁など)等への影響を科学的に予知する技術を身に着ける。科学的に安全性が示されることによって初めて、人々の安心が得られるのである。
授業の進め方・方法:
スライドあるいは板書による講義を行い、レポート課題を与える。授業内容を理解するためには、教員への質問、教科書・参考書や図書館、インターネット、Teamsなど様々な手段を活用し、自ら積極的に情報収集・予習・復習を行わなければならない。
注意点:
1.成績評価:試験成績80%、レポート20%とする。2.合格基準:60点以上を合格とする。3.再試験:実施する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
序論:地盤の生成と調査・試験、地盤地震工学、地盤環境 |
岩石の風化と土の生成、地質・断層、原位置調査・物理探査、トンネル、廃棄物最終処分場、典型7公害(土壌汚染、地下水汚染、地盤沈下など)を理解できる。
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2週 |
土の基本的な性質:土の構成・物理量 |
試験で直接測定できる物理量、間接的に求まる物理量、各物理量相互の関係、単位体積重量を理解できる。
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3週 |
土の基本的な性質:粒径と粒度分布、土粒子の形と土の構造 |
土の有効径、平均粒径、均等係数、曲率係数、細粒分含有率、粒形、土の骨格構造などを理解できる。
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4週 |
土の基本的な性質:土のコンシステンシー、土の工学的分類 |
コンシステンシー限界、コンシステンシーの測定法、土の工学的分類などを理解できる。
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5週 |
土の締固め |
締固め試験と締固め特性、締固め土の工学的性質、相対密度、締固めの管理を理解できる。
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6週 |
地盤内の水の流れ:飽和地盤内の水の流れ、流線網と浸潤線 |
浸透流、ダルシーの法則と透水係数、透水係数の求め方、透水係数に影響する要因、流線網の性質、流線網の描き方と浸透水量の求め方を理解できる。
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7週 |
演習および解説 |
演習問題により復習する。
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8週 |
要点整理と中間評価 |
要点整理を行うとともに、学習内容を確認するために筆記試験を行う。
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2ndQ |
9週 |
地盤内の水の流れ:土中水の分類、不飽和地盤の水の流れ、浸透流と浸透水圧 |
土中の毛管現象とサクション、土の凍上現象、浸透水圧と有効応力、クイックサンド、ボイリング、パイピングおよびヒービングを理解できる。
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10週 |
地盤内の応力:地盤内応力の定義、上載荷重による地盤内応力、構造物基礎の接地圧 |
鉛直応力、集中荷重・帯状荷重・盛土荷重による応力、剛性基礎の接地圧分布を理解できる。
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11週 |
土のせん断強さ:土の破壊と強さ、土のせん断試験、 斜面の安定:半無限斜面の安定解析 |
クーロンの破壊規準、直接せん断試験、斜面の破壊形態と安定性の評価方法、粘着力のない土の場合、粘着力のある土の場合、自然斜面の崩壊を理解できる。
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12週 |
基礎地盤の支持力 |
地盤の支持力、基礎の形式、浅い基礎の支持力、深い基礎の支持力を理解できる。
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13週 |
演習 |
演習問題により復習する。
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14週 |
解説 |
演習問題を解説する。
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15週 |
期末試験 |
学習内容を確認するために筆記試験を行う。
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16週 |
答案返却など |
答案を返却し解説する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
地盤内の応力:主応力とモールの応力円、 土のせん断強さ:土の破壊と強さ、土のせん断試験 |
最大、最小主応力、主応力面、モールの破壊包絡線、モール・クーロンの破壊規準、三軸圧縮せん断試験を理解できる。
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2週 |
地盤内の応力:地盤内応力の定義、 土圧:構造物に作用する土圧、ランキン土圧、クーロン土圧、静止土圧 |
水平応力、地表面が水平な砂質地盤の場合、地表面が傾斜している場合、主働土圧、受働土圧を理解できる。
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3週 |
圧密と地盤沈下:圧縮と圧密、土の圧密現象、圧密の時間的経過とその理論、圧密試験と整理法 |
飽和粘土の圧密現象の概念、土の圧縮特性、テルツァギの一次元圧密理論、一次元圧密方程式の解、圧密度、試験方法、試験結果の整理を理解できる。
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4週 |
土のせん断強さ:粘性土のせん断特性 |
非圧密非排水、圧密非排水、圧密排水せん断特性、圧密圧力と土のせん断強さ、一軸圧縮試験を理解できる。
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5週 |
土のせん断強さ:砂質土のせん断特性 |
砂のダイレイタンシー、限界間隙比、飽和砂の液状化現象を理解できる。
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6週 |
軟弱地盤対策 |
軟弱地盤の判定と主な軟弱地盤対策工法(地盤改良工法や液状化対策工法)を理解できる。
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7週 |
演習および解説 |
演習問題により復習する。
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8週 |
要点整理と中間評価 |
要点整理を行うとともに、学習内容を確認するために筆記試験を行う。
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4thQ |
9週 |
圧密と地盤沈下:地盤の圧密沈下量および圧密沈下時間の算定 |
圧密沈下量の計算、圧密沈下時間の算定を理解できる。
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10週 |
土のせん断強さ:土の動的特性 |
土の動的荷重、地盤の動的解析法を理解できる。
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11週 |
土圧:地震時の土圧、土圧論の応用例 |
擁壁の安定計算、矢板の安定計算を理解できる。
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12週 |
斜面の安定:円弧すべり面による安定解析 |
分割法、簡易ビショップ法、安定係数法を理解できる。
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13週 |
演習 |
演習問題により復習する。
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14週 |
解説 |
演習問題を解説する。
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15週 |
期末試験 |
学習内容を確認するために筆記試験を行う。
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16週 |
答案返却など |
答案を返却し解説する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 地盤 | 土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。 | 4 | 前3,前4 |
土の締固め特性を説明できる。 | 4 | 前5 |
ダルシーの法則を説明できる。 | 4 | 前6 |
透水係数と透水試験について、説明できる。 | 4 | 前6 |
透水力による浸透破壊現象を説明できる。 | 4 | 前9 |
土のせん断試験を説明できる。 | 4 | 前11,後1,後4,後5,後10 |
土のせん断特性を説明できる。 | 4 | 前11,後1,後4,後5,後10 |
土の破壊規準を説明できる。 | 4 | 前11,後1,後4,後5,後10,後12 |
地盤内応力を説明できる。 | 4 | 前10,後1,後2,後3,後9,後10,後11 |
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。 | 4 | 後3,後9 |
圧密沈下の計算を説明できる。 | 4 | 後3,後9 |
有効応力の原理を説明できる。 | 4 | 後3,後9 |
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。 | 4 | 後2,後11 |
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。 | 4 | 前12 |
斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。 | 4 | 前11,後12 |
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。 | 4 | 後5 |
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。 | 4 | 後6 |
地盤調査の分類と内容について、説明できる。 | 4 | 前1 |
評価割合
| 試験 | その他(レポート等) | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |