鉄筋コンクリート工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 鉄筋コンクリート工学
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 コンクリート構造工学第5版
担当教員 温品 達也

到達目標

・終局限界状態設計の概要を説明できる
・コンクリートはりの曲げ照査ができる
・コンクリートはりのせん断照査ができる
・コンクリート部材の曲げ+軸力における応力および耐力計算ができる
・コンクリート構造物の耐久性について説明できる
・コンクリート構造物の設計にあたり,コンクリートの基本的知識や施工方法を理解している

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
曲げ応力・耐力の算定曲げ応力・耐力の算定が正確に計算し,手順を説明できる。曲げ応力・耐力が算定できる。曲げ応力・耐力が算定できない。
せん断応力・耐力の算定せん断応力・耐力の算定が正確に計算し,手順を説明できる。せん断応力・耐力の算定ができる。せん断応力・耐力の算定ができない。
曲げ+軸力の算定曲げ+軸力の応力・耐力の算定が正確に計算し,手順を説明できる。曲げ+軸力の応力・耐力の算定ができる。曲げ+軸力の応力・耐力の算定ができない。
コンクリートの耐久性コンクリートの耐久性を正確に理解し,説明できる。コンクリートの耐久性を理解している。コンクリートの耐久性を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンクリート構造物の基本的設計手法について,耐久性に関する知識を踏まえた上で理解し,正確に設計できることも目的とする。終局限界状態設計について理解し,コンクリートはりの曲げ・せん断・曲げ+軸力における応力および耐力計算ができる。
この科目では,企業で施工管理・技術開発業務に従事していた教員が,その経験を活かして講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
PPTや学習シートを補助的に使用し,学生による主体的な思考を目指す。
注意点:
授業中に設ける演習時間を集中して取り組み,時間を有効活用して知識や技術を習得する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄筋コンクリート概論 鉄筋コンクリート概論を説明できる
2週 コンクリートの組成 コンクリートの組成を説明できる
3週 耐久性照査 耐久性照査を説明できる
4週 施工方法 施工方法を説明できる
5週 寒中・暑中施工 寒中・暑中施工を説明できる
6週 ひび割れ ひび割れを説明できる
7週 配合設計 表面水補正を考慮した配合設計を説明できる
8週 中間試験 コンクリートの耐久性とその照査方法,対策について説明できる。
2ndQ
9週 設計の基本事項 設計の基本事項を説明できる。
10週 荷重と構造解析 荷重と構造解析を説明できる。
11週 曲げモーメント 曲げモーメントを説明できる。
12週 単鉄筋の曲げモーメント 単鉄筋の曲げモーメントを説明できる。
13週 複鉄筋の曲げモーメント 複鉄筋の曲げモーメントを説明できる。
14週 T形断面の曲げモーメント T形断面の曲げモーメントを説明できる。
15週 期末試験 各種曲げ耐力を計算できる。
16週 曲げ部材の応力 曲げ部材の応力の基本を理解する。
後期
3rdQ
1週 曲げ部材の応力 曲げ部材の応力を説明できる。
2週 せん断破壊 せん断破壊を説明できる
3週 補強鉄筋を有しない梁のせん断耐力 補強鉄筋を有しない梁のせん断耐力を説明できる
4週 補強鉄筋を有する梁のせん断耐力 補強鉄筋を有する梁のせん断耐力を説明できる
5週 せん断耐力算定演習 各種断面のせん断耐力を算定できる
6週 曲げとせん断耐力の同時算定 曲げとせん断耐力の同時算定ができる。
7週 曲げとせん断耐力の同時算定 曲げおよびせん断耐力計算を説明できる。
8週 中間試験 曲げおよびせん断耐力計算を説明でき,正確に設計できる。
4thQ
9週 コンクリート柱の設計(基礎) コンクリート柱の設計を理解する。
10週 軸力における柱の設計(計算) 軸力における柱の設計を説明できる
11週 軸力演習 短コンクリート柱の設計計算ができる
12週 曲げと軸力の概論 軸力演習3を算定できる
13週 曲げと軸力の演習1 曲げと軸力の演習1を算定できる
14週 曲げと軸力の演習2 曲げと軸力の演習2を算定できる
15週 期末試験 曲げと軸力を受ける柱の耐力計算ができる
16週 総括 コンクリートの設計手法と耐久性についてリンクして説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前12,前13,前14
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前14,後5
分数式の加減乗除の計算ができる。3前14,後5
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前12,後5
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。4前12,後5
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前14,後6
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。4前11,前12,後12
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4後12,後13,後14
簡単な連立方程式を解くことができる。4前11,後12
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3後5
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3後5
恒等式と方程式の違いを区別できる。3後5
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3後6
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後7
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3後12
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4後12
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後12
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後13,後14
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4後12,後13,後14
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4後13,後14
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後13,後14
角を弧度法で表現することができる。3後12
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前14
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前14
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前14
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3前14
一般角の三角関数の値を求めることができる。3前14
2点間の距離を求めることができる。4前11
内分点の座標を求めることができる。3前11
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3前11
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3前11
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。2前11
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。2後7
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4前11
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前11
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前11
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前11
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4前11
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前11
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4前11
自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。4前9
力の合成と分解をすることができる。4前9
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4前9
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4前9
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4前9
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4前9
最大摩擦力に関する計算ができる。3前9
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4前10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4前10
重心に関する計算ができる。4前10
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4前1,前2
鋼材の種類、形状を説明できる。4前1
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4前1,前9,前10,前11
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。4前1,前2
各種セメントの特徴、用途を説明できる。4前1,前2
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。4前1,前2
骨材の種類、特徴について、説明できる。4前1,前2
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。4前1,前2
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4前1,前2
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4前1,前2
配合設計の手順を理解し、計算できる。4前7
非破壊試験の基礎を説明できる。4前3,前5
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前7
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。4前1,前3,前6,前9,前10,前11
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。4前3
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。3後12
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。2後13,後14
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。4前3,前6
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。3前3,前6
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。4前9,前10
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。4前9,前10
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。4前11,前12,前13,前14
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。4前16,後1
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。4後2,後3,後4,後5
建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。3前1
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。3前1
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。4前1,前2
セメントの種類・特徴について説明できる。4前1,前2
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。4前1,前2
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。4前1,前2
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。4前7
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4前2,前3
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4前9
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。4前5
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。4前4
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4前3
構造力の定義、単位、成分について説明できる。4前9
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。4前9
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前16
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4後12
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4前16,後1
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4前16,後1
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4後3,後4
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4後4
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4後4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4前11
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4後6,後7
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4前11
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4前11
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。4後12
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。4前9
構造計算の設計ルートについて説明できる。4前9
断面内の応力の分布について説明できる。4前11
許容曲げモーメントを計算できる。4前16,後1
主筋の算定ができる。4後5
釣合い鉄筋比について説明ができる。4前11,前12,前13,前14
中立軸の算定ができる。4前11,前12,前13,前14
許容せん断力を計算できる。4後2,後3,後4
せん断補強筋の算定ができる。4後4
終局曲げモーメントについて説明できる。4前11,前12
終局剪断力について説明できる。4後2,後3,後4,後5
断面内の応力の分布について説明できる。4後9,後10,後11
許容曲げモーメントを計算できる。4後9,後10,後11
MNインターラクションカーブについて説明できる。4後12
主筋の算定ができる。4後13
釣合い鉄筋比について説明ができる。4後14
中立軸の算定ができる。4後14
許容せん断力を計算できる。4後5
せん断補強筋の算定ができる。4後6
終局曲げモーメントについて説明できる。4後6
終局剪断力について説明できる。4後6

評価割合

試験学習シート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力205000025
専門的能力705000075
分野横断的能力0000000