確率・統計

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 確率・統計
科目番号 0122 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 田代 嘉宏 著『工科の数学 確率・統計』(森北出版)
担当教員 段下 剛志

到達目標

①確率の基礎を理解し、教科書と同等レベルの計算問題を60%以上正答できる。
②統計の基礎を理解し、教科書と同等レベルの計算問題を60%以上正答できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:確率確率・確率変数の意味を十分理解している(80点以上)。確率・確率変数の意味を理解している(70点以上)。確率・確率変数の意味を理解が不十分である(60%未満)。
評価項目2:統計標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かを十分理解し(80点以上)、簡単な例について正確に実行できる。標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かを理解し(70点以上)、簡単な例について実行できる。標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かの理解が不十分で(60%未満)、簡単な例についても実行できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE c-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
確率・統計は、大量生産技術の進展に伴う品質管理等への活用や、近年では社会科学の方面でも応用が進んでいることから、技術者にとっても必須の知識である。確率分野では、基本的な知識としての集合と場合の数や順列・組合せの数え方から出発して確率や確率変数を定義し、確率分布について学ぶ。統計分野では、多くの個体を含む集団から標本を取り出し、その標本をもとにして集団の分布に関する性質を推定することを学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って、講義と演習を中心に進める。
また、主要な単元ごとで理解度を確認するための演習課題を授業時間内に課し、その成果に基づいて成績を決定する。
なお、実施の有無を本人に委ねる任意課題を課す場合もあり、それを実施した学生に対しては、成績評価に加味する。
注意点:
所定の出席日数を満たした学生に対する最終成績は以下に基づいて決定する。
演習課題(合計100点満点)における獲得点数;60点以上で獲得で合格とする。ただし、任意課題を実施し、正答できている場合はこの限りではない。
演習課題を実施する場合は対象範囲等を事前に予告する。なお、演習課題の成績不良者に対しては、追試験等を課して理解を促し、それを最終成績を決定する際に加味する場合もある。
授業内容を理解するためには演習課題・任意課題だけを実施するだけではなく、予習復習をしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 順列と組み合わせ 順列および組み合わせを正しく計算できる。
2週 二項定理 パスカルの三角形を理解し、二項定理を用いて展開式を正しく計算できる。
3週 確率の定義と性質 確率の定義および基本的性質を理解し、簡単な事象に関する確率の計算ができる。
4週 条件付き確率 条件付き確率の考え方を理解し、簡単な事象に関する条件付き確率の計算ができる。
5週 確率変数と確率分布関数 簡単な試行に関する確率変数および確率分布関数を求めることができる。
6週 期待値と分散 簡単な現象に関する期待値と分散の計算ができる。
7週 二項分布 二項分布の性質を理解し、ヒストグラムを正しく作成することでできる。
8週 復習 1〜7週(確率分野)の内容に関する計算演習を通して、で学んだことを復習できる。
4thQ
9週 資料(データ)の整理 統計の意義について理解し、簡単な事例に関してヒストグラムの作成および代表値の計算ができる。
10週 母集団と標本 標本の抽出法や整理法について理解し、簡単な事例に関して統計量の計算ができる。
11週 2変量の解析 簡単な2変量の標本に関して、相関係数および回帰直線の計算ができる。
12週 正規分布 正規分布の性質を理解し、正規分布に従う簡単な事例に関する計算ができる。
13週 統計的推定 母集団が正規分布に従うの場合の簡単な事例について、統計的推定が実行できる。
14週 統計的検定 母集団が正規分布に従うの場合の簡単な事例について、統計的検定が実行できる。
15週 計算演習 本科目で学修した内容に関して、計算演習を通して理解度を確認できる。
16週 授業のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験演習レポート相互評価授業態度その他合計
総合評価割合080100100100
基礎的能力080100100100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000