創造演習(構造デザイン系)

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 創造演習(構造デザイン系)
科目番号 0126 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 デザコンホームページ http://デザコン.com/ ※過去の大会へのリンクあり
担当教員 海田 辰将,劉 懋

到達目標

複合分野にわたる知識を有機的に結びつける設計能力を身に付けるため、以下①~③を到達目標とする。
① 自身の得意分野や個性を活かし、他のメンバーと協同した仕事(作業)ができる。
② 独自性のある明確なコンセプトを持った作品を設計・製作・アピールできる。
③ 技術的な課題をクリアするために、専門知識を活かした議論ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目①到達目標①について十分協働できる。到達目標①について協働できる。到達目標①について協働できない。
評価項目②到達目標②について十分に設計・製作・アピールできる。到達目標②について設計・製作・アピールできる。到達目標②について設計・製作・アピールできない。
評価項目③到達目標③について十分議論できる。到達目標③について議論できる。到達目標③について議論できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-3 説明 閉じる
JABEE e 説明 閉じる
JABEE g 説明 閉じる
JABEE i 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では、これまでに学んだ力学・材料・情報処理・製図・実験などの知識を応用して複数人で1つの構造模型を製作し、プレゼンテーションおよび載荷実験を行って性能を評価する。製作する模型および載荷条件等は、全国高等専門学校デザインコンペティション(通称:デザコン)の構造デザイン部門における課題を反映したものを設定する。優秀な作品を製作したチームについては、当該年度に開催されるデザコンの校内予選に参戦し、本選を目指すことも視野に入れている。本授業では、単に作品を作ればよいというわけではなく、作品完成に至るまでの一連の作業において、1人1人の得意分野と個性を発揮し、チーム内で何度も議論を繰り返しながら作品を作り上げていく『過程』を重要視する。そうすることで他人と協同して技術的課題をクリアするための基本的なコミュニケーション能力と総合的なデザイン能力を身につける。計画→設計→製作→評価の過程を通じ、多くの「どうしていいか分からない」の壁に突き当たると思われるが、これまでに学んだ力学知識に加えてCAD、Word、Excel等の電子ツールを活用し、最終的には自分たちでクリアしていくことに期待する。
授業の進め方・方法:
本授業では、デザコンに馴染みのない学生が大半であることから、課題が公表されるまでは過去のデザコン課題や入賞作品の解説、材料の構造部材としての性質、接合法の基本といった共通事項を講義形式で解説する。課題発表後は、チーム内で作品のイメージを出し合い、仕様を確認しつつ必要な情報を調査して議論を繰り返し、CADによる設計図・部材計算表等を添えてコンセプト案を提出する。そして授業の中盤~後半では実際に桧木材等の材料を使って作品を製作し、作品に関するプレゼンと載荷試験を実施する。最終的な成果物として、プレゼン資料・設計図面・部材計算表等の資料を提出する。なお、チーム編成後の授業については、各チームで計画立てて自主的に作業を進めるスタイル(演習形式)を基本とするが、本授業内容を確実に身に付けるため、予習復習を必ず行うこと。予習は、構造力学や工学デザインで学んだ設計製図の内容を参考にし、復習のために教員や班員と議論した内容は記録しておくこと。
注意点:
この授業は、CA4,5の学年縦断型であり、各チームも2学年の混成チームとなる。予め決めた各自の役割分担を責任持って果たすとともに、メンバー相互のコミュニケーションを密に図ることで、限りある時間、人、場所、道具などを譲り合ってプロジェクトを進めること。この授業を通じて、年齢の異なるメンバーと協同すること、互いに尊重し合うこと、合意形成などを総合的に学ぶとともに、学科内での新しい縦の繋がりを築くことに期待する。

成績評価:期限内に作品を完成し、プレゼン・載荷実験まで完了することで成績評価の対象とする。
※ コンセプト案(10%)、1/2モデル(10%)、プレゼン・設計資料(30%)、耐荷性能価(30%)、貢献度(20%)
※ 貢献度については、自身の役割分担をふまえた積極性・主体性・チームワークの観点から担当教員が総合的に評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。
再試験:未完成等によりプレゼン・載荷実験が期限内にできなかった場合には、それらの完遂を以って再試験とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 希望分野の選択、チーム決め、概説 自身の役割や目標を理解できる。
2週 コンセプト案の作成&概略設計 自身のコンセプト案を理解し、アピールできる。
チームのメンバーと設計の方針について議論できる。
3週 コンセプト案の作成&概略設計
【コンセプト案の提出】
自身のコンセプト案を理解し、アピールできる。
チームのメンバーと設計の方針について議論できる。
4週 1/2スケールモデルの製作・評価&フルスケールモデルの計画・設計 作品イメージをメンバー全員で共有するとともに製作上の問題点や技術的課題を理解し、概略設計の議論ができる。
5週 1/2スケールモデルの製作・評価&フルスケールモデルの計画・設計 作品イメージをメンバー全員で共有するとともに製作上の問題点や技術的課題を理解し、概略設計の議論ができる。
6週 1/2スケールモデルの製作・評価&フルスケールモデルの計画・設計 作品イメージをメンバー全員で共有するとともに製作上の問題点や技術的課題を理解し、詳細設計の議論ができる。
7週 1/2スケールモデルの製作・評価&フルスケールモデルの計画・設計 作品イメージをメンバー全員で共有するとともに製作上の問題点や技術的課題を理解し、詳細設計の議論ができる。
8週 1/2スケールモデルの製作・評価&フルスケールモデルの計画・設計
【1/2スケールモデルの提出】
作品イメージをメンバー全員で共有するとともに製作上の問題点や技術的課題を理解し、詳細設計の議論ができる。
2ndQ
9週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
10週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
11週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
12週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
13週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
14週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
15週 フルスケールモデルの製作 作品のディテールを理解し、メンバーと協働してフルスケールモデルの製作ができる。
16週 プレゼンテーション+載荷実験
【設計資料の提出】
自分たちの作品の構造的特徴を理解し、適切な表現方法による効果的なプレゼンができる。競技規定に基づいた載荷実験を行い、耐荷力や壊れ方から作品の構造性能を力学的に考察するとともに、正しく理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
複数の情報を整理・構造化できる。4
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて計画ができる。4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4

評価割合

コンセプト案1/2モデルプレゼン・設計資料耐荷性能貢献度合計
総合評価割合1010303020100
基礎的能力000000
専門的能力1010030050
分野横断的能力003002050