確率・統計

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 確率・統計
科目番号 0135 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 田代 嘉宏 著『工科系の数学 確率・統計』(森北出版) 参考図書:薩摩 順吉 「理工系の数学入門コース 7 確率・統計」(岩波書店) 白石 修二 Excelで学ぶ統計入門(森北出版) 野村 由司彦 図解 確率・統計入門(コロナ社)
担当教員 橋本 堅一

到達目標

確率・確率変数の意味を理解する。標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かを理解し、簡単な例について実行できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1確率・確率変数の意味を十分理解する。標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かを十分理解し、簡単な例について正確に実行できる。確率・確率変数の意味を理解する。標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かを理解し、簡単な例について実行できる。確率・確率変数の意味を理解していない。標本による母集団の統計的推定や統計的検定とは何かを理解しておらず、簡単な例について実行できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE c-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
統計学は大量生産技術の進展とともに品質管理等にも大いに用いられるようになった。また最近では社会科学の方面でも応用が進んでいる。このように応用と密着して発展してきた点で、確率・統計は他の数学の分野とは異なった側面を持っている。確率分野では、基本的な知識としての集合と場合の数や順列・組合せの数え方から出発して確率や確率変数を定義し、確率分布について学ぶ。統計分野では、多くの個体を含む集団から標本を取り出し、その標本をもとにして集団の分布に関する性質を推定することを学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学の講義を中心とするが、適宜学習シートを使用して問題演習を行い各自の理解度を確認したい。また、主要なテーマ毎に課題を提示する。この課題を処理するにあたっては、表計算ソフトを利用する事が望ましい。授業内容を理解するために予習復習が必須である。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 基本的事項、集合と場合の数 集合の基本的な事項について学び、場合の数の数え方について確認する。
2週 順列と組合せ、二項定理 順列や組合せの数の数え方と二項定理について確認する。
3週 確率の定義、確率の求め方 確率を数学的に定義し、具体的な例について確率を求める。
4週 確率の性質 具体的な例を引きながら確率の持つ性質を調べ、加法定理や乗法定理を導出する。
5週 条件付き確率 条件付き確率の考え方ならびに試行の独立を学ぶ。
6週 確率変数と確率分布関数 確率変数とは何か、またその分布を表す関数(確率分布関数)とは何かを学ぶ。
7週 期待値と分散 期待値や分散、標準偏差などの求め方について学ぶ。
8週 演習 今までの演習を行う。
4thQ
9週 二項分布 二項分布についてその性質を学ぶ。
10週 正規分布に関する確率の計算 正規分布について、その性質と確率の求め方を学ぶ。
11週 データの整理 整理法(ヒストグラムの作成、代表値等)について学ぶ。
12週 母集団と標本、標本平均の分布 母集団より標本を抽出する際に注意することや抽出した標本の整理法について学ぶ。また、標本として抽出された集団の統計量について学ぶ。
13週 標本による母集団の統計的推定 標本による母集団の統計的推定を簡単な例について行ってみる。
14週 標本による統計的検定 標本による母集団の統計的検定を簡単な例について行ってみる。
15週 期末試験 与えられたデータを整理し、必要な統計量を求めることができるか。母集団の統計的推定や統計的検定を簡単な例について行うことができるかを問う。
16週 答案返却など 期末試験の解答例と注意点の説明

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000