これから建設関係に携わる学生が、建設マネジメントとはどのような学問であるかを把握し、建設事業の新しい管理の方法及び方向性を見つける基礎的な知識を身につけることを到達目標とする。
概要:
建設事業は、さまざまな要素で構成されており、複雑多岐にわたっている。古くから建設事業を運営管理する方法として、建設マネジメント手法が用いられてきた。日本ではそれを学問として学んでいるところはそれほど多くない。この講義では、建設マネジメントの重要性と歴史、基本的な考え方、建設事業の実体及び建設事業の重要な課題について学び、さらに建設事業をより合理的に進めるための方法として、建設マネジメント技術を習得する。
授業の進め方・方法:
授業はテキストを中心に講義するが、補足資料として、講師各々の経験談を基にした実際の事例を多く取り入れる。理解度の確認方法として、小テストを数回行い、効果の確認を行う。まとめとして、中間試験、学期末試験を行う。また、本講義の内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
建設マネジメント概論 |
シラバスの説明を行う。建設マネジメントの定義や性質を学習し、建設マネジメントの全体像を把握する。
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2週 |
建設産業と国土交通行政 |
建設産業の特徴を学習し国土交通省白書の主要な内容について学ぶ。
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3週 |
建設技術とマネジメント |
建設技術の性格を学習し、マネジメントの関連について考える。
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4週 |
建設事業の基本 |
建設事業及びマネジメントの歴史について学習する。
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5週 |
建設マネジメントと技術経営 |
建設マネジメントの基本的事項と経営学の基本的事項について学習し、その関連について考える。
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6週 |
マネジメントシステム及び価値工学等の概論 |
品質マネジメントシステム、環境マネジメントシステム及び価値工学について学習する。
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7週 |
建設事業の仕組み |
建設事業の流れを説明し、建設業とはいかなるものか学習する。
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8週 |
中間試験 |
初回から7回までの講義内容について試験を行う。
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4thQ |
9週 |
建設事業の企画、計画、調査及び設計 |
建設事業の企画と計画との関係、そのための調査及び設計による具体化について学習する。
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10週 |
建設工事の施工計画 |
建設工事の施工計画を事例を踏まえて学習する。
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11週 |
見積り、入札及び契約 |
見積りの方法、入札の仕組み及び契約管理について学習する。
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12週 |
施工、施工管理及び工事監理 |
施工、施工管理及び工事監理を事例を踏まえて学習する。
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13週 |
リニューアル、維持管理及び廃棄 |
建設物のリニューアル及び将来の維持管理の重要性並びに廃棄について学習する。
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14週 |
建設事業の国際化及び重要な課題 |
建設事業の国際化及び建設事業の現在の重要な課題について学習する
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15週 |
期末試験 |
中間試験以降を中心に、学期末試験を行う。
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16週 |
答案返却など |
試験の解説及び講義全体を通してのまとめを行う。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |