概要:
本授業の前半では、鋼とコンクリートを用いた代表的な橋梁形式である合成桁橋の断面設計を行うための基礎理論と設計法について学習する。授業は主に講義形式で実施するが、中間試験前に1~2回の設計演習を取り入れ、実践的知識を身につける。授業の後半では、橋梁インフラの老朽化が顕在化し、社会的問題になっている我が国の現状を鑑み、鋼橋の老朽化と長寿命化、およびそのための維持管理について広く学ぶ。特に、鋼橋にみられる劣化や損傷について、その原因や損傷が進行した場合に想定される危険を考えて健全性を判断することに重点を置く。また、可能であればインフラメンテナンスに関わる外部の実務技術者による講話や地域の鋼橋に出向いての橋梁点検演習(点検調書の作成演習)を授業の終盤に取り入れる。
授業の進め方・方法:
授業計画に示す通り、教科書に沿って講義や演習を進めることを基本とするが、教科書に掲載されていない部分(特に授業の後半)については配布資料やパワーポイント等の自作資料によって講義内容を補う。演習は、学修状況を鑑み半期で2回程度、区切りの良い時に実施する他、演習時間内に終わらない場合はレポート課題にすることもある。授業内容を理解するため、予習復習が必須である。
注意点:
この授業は、CA2,3構造力学基礎、CA4構造力学、CA4鋼構造学Ⅰ、CA5鋼構造学Ⅱの知識を応用した後続科目として位置付けられるため、各単元で必要な構造力学の理解が十分でない場合には、各自で復習しておくこと。レポートには、全員必ず提出するもの「必須レポート」の他に、自学自習を促進する目的で「任意レポート」(定期試験で自覚した苦手な単元の振り返りなど)がある。任意レポートの提出は自由であるため未提出による成績評価上の不利益は一切無いが、自身の弱点を克服するために自己学習した証として提出することにより、授業態度を勘案の上、最終成績に若干(5%以下)考慮する場合がある。
成績評価:試験成績80%(中間:期末=50:50)、必須レポート20%を原則とする。
合格基準:60点以上を合格とする。
再試験:実施する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
合成桁橋① 【必須レポート】合成桁の合成効果に関する計算 |
合成桁橋の構造的特徴・しくみ・種類を理解できる。
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2週 |
合成桁橋② |
合成桁に生じる応力計算と断面設計を理解できる。 (活荷重合成桁と死活荷重合成桁)
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3週 |
合成桁橋③ |
合成桁に生じる応力計算と断面設計を理解できる。 (活荷重合成桁と死活荷重合成桁)
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4週 |
合成桁橋④ 【必須レポート】合成桁断面に生じる応力の計算 |
合成桁に生じる応力計算と断面設計を理解できる。 (活荷重合成桁と死活荷重合成桁)
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5週 |
合成桁橋⑤ |
コンクリートのクリープ現象によるって生じる応力を理解できる。
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6週 |
合成桁橋⑥ 【必須レポート】クリープ・乾燥収縮による応力計算 |
コンクリートの乾燥収縮・温度差によって生じる応力および 荷重の組合せと安全性・たわみの照査を理解できる。
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7週 |
合成桁橋⑦ |
ずれ止めの種類とスタッドジベルの設計・配置を理解できる。
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8週 |
中間試験 |
1~7回までの内容を確認するための筆記試験を実施する。
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4thQ |
9週 |
答案返却と解説 【任意レポート】答案直しと苦手な単元の振り返り 鋼橋の劣化・損傷とメンテナンス① |
中間試験の内容を理解できる。 我が国のインフラメンテナンスに関する社会的な動向・課題を理解できる。
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10週 |
鋼橋の劣化・損傷とメンテナンス② |
鋼橋にみられる代表的な損傷・劣化現象を理解できる。 その原因とメカニズムを理解できる。
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11週 |
鋼橋の劣化・損傷とメンテナンス③ |
鋼橋にみられる代表的な損傷・劣化現象を理解できる。 その原因とメカニズムを理解できる。
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12週 |
鋼橋の劣化・損傷とメンテナンス④ 【必須レポート】インフラメンテナンス |
橋梁点検(種類、方法、法令など)を理解できる。 自治体の長寿命化修繕計画を理解できる。 ロボット技術・ICT技術を活用した新しい橋梁点検を理解できる。
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13週 |
鋼橋の劣化・損傷とメンテナンス⑤ |
実務技術者による講話、または実際の鋼橋の視察と現地解説を理解できる。橋梁点検演習を通じて点検実務を理解できる。
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14週 |
鋼橋の劣化・損傷とメンテナンス⑥ 【必須レポート】橋梁点検調書(国交省様式) |
実務技術者による講話、または実際の鋼橋の視察と現地解説を理解できる。橋梁点検演習を通じて点検実務を理解できる。
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15週 |
期末試験 |
9~14回までの内容を確認するための筆記試験を実施する。
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16週 |
答案返却と解説 【任意レポート】答案直しと苦手な単元の振り返り |
期末試験の内容を理解できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 4 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 4 | |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 4 | |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 4 | |
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。 | 4 | |
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 4 | |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 4 | |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 4 | |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 4 | |
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。 | 4 | |
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。 | 4 | |