生体機械力学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生体機械力学
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械制御工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 N Ozkaya・M Nordin「Fundamentals of Biomechanics」(Springer)
担当教員 櫻本 逸男

到達目標

複合分野の設計能力を身につけるため、以下の項目を到達目標とする。
①バイオメカニクスに対応した力ベクトルについて理解し、課題に対する計算を行うことができる。
②バイオメカニクスに対応したモーメントベクトルについて理解し、課題に対する計算を行うことができる。
③バイオメカニクスの静力学への適用について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
④人体の各関節に働く力とモーメントについて理解し、課題に対する計算を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①力ベクトルについて理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。力ベクトルについてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。力ベクトルについての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標②モーメントベクトルについて理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。モーメントベクトルについてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。モーメントベクトルについての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標③静力学の適用について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。静力学の適用についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。静力学の適用についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標④人体の各関節に働く力とモーメントについて理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。人体の各関節に働く力とモーメントについてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。人体の各関節に働く力とモーメントについての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標C 1 説明 閉じる
JABEE c-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
バイオメカニクスは、比較的新しい学問分野である。また、生物学的問題を対象とし、静力学、動力学、剛体の力学、流体力学などが含まれた古典力学の応用として位置づけられており、従来の工学の実用的な理論や方法論の発展形として認識されている。したがって、機械工学で学んだ事項は、そのまま生体組織の解析やそれに関する機器の設計に使用することが可能である。本授業では、生体そのものの解析やそれに関する材料などを学習し、力学のバイオメカニクスへの展開と適用を行うことを目的としている。力学の復習を織り交ぜながら、生体に関する知識の習得を行う。
授業の進め方・方法:
授業は英語のテキストを使用し、基本的に輪講形式とする。各時間ごとに担当を決め、和訳したテキストの内容およびポイントとなるべき部分を説明させ、その都度こちらから質問や補足説明を加える。講義以外の自学自習により、次の授業範囲の予習を行い、担当者は和訳の作成を行う。なお、和訳は、後日提出させる。また、この科目は学修単位科目のため,以下のような自学自修を必要とする,
・事後学習として教科書の該当ページを予習復習する.毎回1.5時間(計20時間)
・和訳レポートの作成(計30時間)
  和訳レポートのための作成方法の学習時間 (2時間)
  文献調査時間(10時間)
  執筆時間(10時間)
  執筆修正(8時間)
・演習レポートの作成(計10時間)
  演習レポート作成のための演習解答時間 (10時間)
注意点:
授業の内容を確実に身につけるためには、予習が必須である。
最終評価は、和訳レポート30%、演習レポート10%、輪講状況10%、試験50%とする。
または、和訳レポート40%、演習レポート10%、輪講状況10%、レポート40%とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 バイオメカニクスの概略 バイオメカニクスの概略を理解できる。
2週 1章.力学の分類 4節まで実施 バイオメカニクスの基本的な概念を理解できる。
3週 2章.力ベクトル バイオメカニクスに対応した力の定義や力系、力の種類、摩擦力などについて理解できる。
4週 3章.モーメントとトルク(1節~6節) バイオメカニクスに対応したモーメントとモーメントベクトルの定義やその詳細について理解できる。
5週 3章.モーメントとトルク(7節~9節) バイオメカニクスに対応した偶力や偶力モーメント、力の移動、ベクトル積としてのモーメントなどについて理解できる。
6週 4章.静力学(1節~7節) バイオメカニクスに対応した平衡状態におけるシステムの解析を理解できる。
7週 4章.静力学(8節~10節) 機械部品の支持や接続方法の種類とそれらの力の釣り合図を、バイオメカニクスの例との対照で考察できる。
8週 4章.静力学(11節~12節) バイオメカニクスに対応した摩擦を含む系や重心の決定方法などについて理解できる。
2ndQ
9週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(1節~4節) 静力学的解析手法を具体的な人体のバイオメカニクスに応用する方法を理解できる。
10週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(肘関節の力学) 肘関節に関して、構成する骨や筋肉の詳細な構造を学び、静力学を適用して各部に加わる力を解析できる。
11週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(肩関節の力学) 肩関節に関して、構成する骨や筋肉の詳細な構造を学び、静力学を適用して各部に加わる力を解析できる。
12週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(脊柱の力学) 脊柱に関して、構成する骨や筋肉の詳細な構造を学び、静力学を適用して各部に加わる力を解析できる。
13週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(股関節の力学) 股関節に関して、構成する骨や筋肉の詳細な構造を学び、静力学を適用して各部に加わる力を解析できる。
14週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(膝関節の力学) 膝関節に関して、骨や筋肉の詳細な構造を学び、静力学を適用して加わる力を解析できる。
15週 5章.バイオメカニクスへの静力学の応用(踝関節の力学) 踝関節に関して、骨や筋肉の詳細な構造を学び、静力学を適用して加わる力を解析できる。
16週 期末試験 バイオメカニクスの静力学への応用についての理解を問う英語による出題とする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前6,前7,前8
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前4,前5
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前4,前5
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前6,前7,前8
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前2
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前4
仕事の意味を理解し、計算できる。3前6,前7,前8
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3前6,前7,前8
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3前6,前7,前8
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3前6,前7,前8
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4前6,前7,前8

評価割合

和訳レポート演習レポート輪講状況期末試験合計
総合評価割合30101050100
到達目標①50207
到達目標②50207
到達目標③51021027
到達目標④15044059